校長室
伝説の教師の新伝説~ 風雲・パラ実協奏曲【3/3】 ~
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エピローグ:そして伝説へ 分校での一連の事件は幕を閉じた。 長々と書いたが、後は簡単に記しておこう。 善意溢れる契約者たちの活躍でパラミタの平和は守られ、再び平穏が訪れる。モヒカンたちは、またいつものように「ヒャッハー!」し始めた。これがパラ実の日常なので問題ない。 分校は、新しい分校長の元秩序が保たれ急成長するだろうと予想された。 破壊された壁や校舎は急ピッチで改修され学校の体をなし始めていた。分校生たちは相変わらず気ままに明るく学校生活を送っている。 「ボクはまだしばらく分校に残るよ」 吉井 ゲルバッキー(よしい・げるばっきー)は、ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)とベアトリーチェ・アイブリンガー(べあとりーちぇ・あいぶりんがー)に別れを告げる。 「立派な息子と娘を持てて、ボクは幸せだよ」 またどこかで出会えるのだから、とゲルバッキーは言った。長く戦い続けた分校に愛着を感じているらしい。引き続きモヒカンたちとわいわい楽しんでいくのだ、と言った。 「ああ」 「では」 二人もまた、それぞれの生活に戻っていく。 分校生たちは彼らなりに楽しく安全に過ごしていけるだろう。決闘委員会がある限り。その委員会も改善を重ね機能的で洗練された組織になっていくに違いない。 全てが上手く回り始め、満足に幕を下ろせるのだった。 ○ 「全く関係のない第三者として決闘を見るのは気楽でいいものですね」 赤木桃子は、事件の後、御神楽 舞花(みかぐら・まいか)とゆっくりとお茶の時間を楽しんでいた。 これから、大きな勝負が始まるらしい。二人は荒野の最前列にパラソルを立てて、歓談しながら対戦者が現れるのを待つ。 荒野で悪事を重ね、わずかな間に成り上がり大組織を築き上げた桃子は、普通の女子生徒になっていた。内に秘めていた邪悪で毒っぽい印象は抜け落ち、清潔で真面目な可愛い女の子に見える。 彼女は、決闘委員会から手を引こうとしていた。 組織が大きいのですぐに移行すると言うわけには行かないが、段階を踏んで権限は校長や新たに設立される執行部へと委譲されることが決定していた。委員会は改善されながら、これからも活動を続けていくことになる。 「本当に良かったのですか?」 委員長代行を勤め上げた舞花も、お役ごめんになっていた。分校は、もう舞花がいなくても健全さを取り戻している。それはいいことなのだが、少し寂しい思いもある。舞花も全力で分校と委員会の改革に取り組んだし、愛着もないわけではない。 「ええ、心残りはありません。私は新しい道を探すことにします」 桃子はにっこり微笑んだ。 「それに、ほら。相変わらず、分校はあんなに元気ですし」 また遊ぼう、とユリがゲームを持ってやってくる。彼女らは、あの勝負の後、嘘の様に仲がよくなった。もう何の気兼ねも必要ない。 そこへ。 「この私を呼んだのは、お前らか」 なんと、教導団から関羽・雲長(かんう・うんちょう)が、本当にやってきた。 金団長が立てたスレッドをあまりにも荒らす不届き者がいたために、約束どおり挑戦者を叩き潰しに来たのだ。本来なら彼とて掲示板サイトを笑って許すくらいの度量は持っていたが、どうしても来て欲しいと頼まれたのだ。余興も兼ねての登場だった。 「挑戦者はボクだよ!」 ほぼ最強クラスの契約者、騎沙良 詩穂(きさら・しほ)が迎え撃つ。 「さあみなさん。この方はドージェ様と互角、最強のツートップの1人である関羽様ですわね。決闘委員会の再興に向けてのお祭りとして、希望者あらば景気づけにエキシビジョンマッチに応じてくださるかもしれないですよ!」 詩穂のパートナーセルフィーナ・クロスフィールド(せるふぃーな・くろすふぃーるど)が盛り上げる。 「ゃばぃょ、リスカ死ぬかも……」 リスカは委員会を続けていた。 詩穂の提案で関羽との決闘に立ち会うことになったのだが、現れた関羽のあまりの迫力に腰が引けている。 ドゴゴゴゴゴゴゴゴ……! すぐに辺りを巻き込み大混戦になった。 復興が進もうとしていた分校は再び破壊の渦に巻き込まれるのだ。空気は混沌に包まれ、騒ぎに乗じてモヒカンたちがヒャッハー! と活動を始めた。 これでいいのかもしれない。パラ実なんだから。 「くすっ」 桃子と舞花は顔を見合わせて笑う。 「お前ら、いい加減にしろーーーー!」 校長職を任されたシリウスの激怒の声が響き渡っていた。 彼女もまた、この分校で苦労を重ねながら大きく成長していくのだった。 そして、この分校は伝説になった……! < 完 >
▼担当マスター
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▼マスターコメント
最後の最後まで公開が大変遅くなってしまい、誠に申し訳ございません。 これまで本当にありがとうございました。 参加してくださった皆様にお礼を述べさせていただきます。 一服として、このリアクションが、どこか楽しんでいただけるところがありましたらこれ以上のことはありません。 今後とも、皆様の幸せをお祈りしております。