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第8章 輝く夜空の下に集いし声

参加者がほとんど無事にゴールし終わり、参加者たち全員でイルミンスールの森や校舎内の清掃を行った。
せっせと野々とナナがハウスキーパーの能力を使用して片付けていく。
「ふぅ…あらかた終わりましたねー」
「えぇそうですね、あともう少しです。よいしょっと、ここはここに置いてと…」
「おーい、私の方はもう完了したよー!」
朔良と優菜が3階の窓から手を振る。
「ご苦労様ですー!」
「よし、やっと終了っと。さて、皆にご褒美を配りましょうか」
タオルで額の汗を拭い、ナナは配布の準備をする。



「陽太…ゴールまで完走したことは褒めてあげますわ」
「やっぱりエリシア…君の仕業だったんですね」
叫びすぎて痛めた喉に片手を当てながら、陽太は眉間に皺を寄せる。
一方、カガチにもサプライズな出来事が待っていた。
「カガチィイイー♪ほら見て見て。森で沢山いたから捕まえてきたよー」
「えっ、ちょ…なぎさんー!?何でそんなの集めてくるんですかぁああー!!」
10匹以上のカマドウマを手に持ち現れたなぎこを見て、ここまで1度も叫ばなかったカガチは絶叫してしまった。



「花火というものはやっぱり綺麗なのだな」
ご褒美にもらったロケット花火を上げながら司が呟く。
「そうですねー、とても美しいです」
グレッグも夜空を明るく彩る光景に魅入られる。
「沢山叫んじゃったからボクらは線香花火だね」
「これも綺麗だと思うよ」
パチパチを火花を散らす線香花火の様子を、アベリアとトワが眺める。
「私たちと同じですね」
「そうだな…。ちょっと寂しい気もするけどこれはこれで…」
隣からリーゼロッテとダリスの2人が声をかけてきた。
「見て見てー。花火がクルクル回ってわたあめになっちゃったよ」
嬉しそうに笑うアデーレの無邪気な姿に、カルナスは思わず可愛いなと見つめる。
「花火というのは普通、火の粉がかかると熱いはずだけど…なぜか冷たいね」
「僕もこんな不思議なのは初めてですよ」
セスが遊んでいる花火に片手で触れ、アランは目を丸くする。
「こっちのは食べられるね、美味しいー♪」
なぎこは口を大きく開け、カガチにブルーハワイ味の花火を食べさせてもらう。
「皆でスイカ食べましょうー」
「おぉー、準備がいいねぇー」
冷えたスイカを両手で重そうに持つアルフィエルを見て、レイディスが駆け寄る。
「わっはははー!オレの総取りだぜ」
大八車に乗せた沢山の打ち上げ花火を武尊が持っていこうとする。
「あぁああ、ずるい1人いじめしようとしてる!」
「まかせろ!」
林檎の声に気づいたアイリが、武尊に向かって火術を放つ。
しかし術が打ち上げ花火に引火してしまい、ドッカンドドンと大爆発する。
術によって粉々に砕けた大八車の残骸から武尊は無傷で這い出してきた。
1度に上がってしまった散らばった花火の光が、空へ金色に輝く星の如く散らばっていく。
地上へ降り注ぎ7色に変わっていくその様子は、まるでオーロラのように美しく夜空を彩っている。

担当マスターより

▼担当マスター

按条境一

▼マスターコメント

こんばんは、按条境一です。
普通に出歩くと怒られるような時間帯の夜更けの肝試しにお付き合いいただき、ありがとうございました。
人に驚かされた方もいれば…人ではない得たいの知れない何かに出会ったラッキーな方もいるかもしれませんね。
今回はコントのようなだいぶ控えめに抑えた雰囲気で書かせていただきました。

称号は、ギリギリの中で頑張った方々に差し上げました。