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美少女サンタのプレゼント大作戦!

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美少女サンタのプレゼント大作戦!

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序章 ―開始前―

 12月24日、空京の街は昼からクリスマスムードに包まれていた。夕方になり、イルミネーションは点灯し、聖夜は一番の賑わいを見せることになるのだろう。
空京の駅前広場に一人佇む影があった。栗色の髪と深緑を思わせる緑色の瞳を持つサンタクロースの格好をしている少女である。この日はサンタクロースの格好をしている人が街にたくさんいるが、彼女はその中でも際立っていた。
それもそのはず、彼女の名はフレデリカ・ニコラス。サンタクロースの英霊である聖ニコラウスの孫娘である。
プレゼント争奪ゲームを学生達に持ちかけた張本人も彼女だ。ゲームの時間が近づく中、彼女は静かにその時を待っていた。
「さてと、たくさん来てくれるかな?」
フレデリカがそう考えているころ、学生達はそれぞれの時間を過ごしていた。

「どっちが先にプレゼントをゲット出来るか勝負よ! 負けた方はそうだね……ケーキを奢る、これでどう?」
「いいだろう。その勝負、受けてたつぜ」
ゲームの存在を知った如月 玲奈(きさらぎ・れいな)は幼馴染みの葉月 ショウ(はづき・しょう)に勝負を挑んだ。二人はその場で別れ、ゲーム開始に備えて空京への移動を開始する。

「いらっしゃいませ〜」
サンタ服姿でケーキ屋のバイトをしているのは明智 珠輝(あけち・たまき)とパートナーのリア・ヴェリー(りあ・べりー)だ。彼らはゲームの事を知らないが、偶然にも空京の街にいた。
一方、同じケーキ屋のバイトでも、ゲームに参加する意思のある者もいる。リュース・ティアーレ(りゅーす・てぃあーれ)である。彼はヘルプとして空京のケーキ販売に来ていた。彼もまたサンタの姿で働いている。なぜかミニスカ姿にメイクばっちりであるが。

また、ゲームの知らせは各学校の掲示板にも張り出されていた。
「んん、何だか楽しそうだね?せっかくのクリスマスだし、僕も張り切って参加してみようかな」
蒼空学園の十倉 朱華(とくら・はねず)はこの日、ゲームの存在を知った人間の一人だ。せっかくなので彼はサンタの衣装を用意し、ゲームへと備える。
同じ頃、シャンバラ教導団でもその知らせを知った者がいる。
「サンタさんはいた! サンタさんはいたんだ!」
掲示板の前で無邪気に喜んでいるのは神代 正義(かみしろ・まさよし)だ。彼はすぐさま教導団寮でゆっくりとしているパートナーのもとへ走る。
「サンタさんがいたんだ。ここでゆっくりしてる場合じゃないぜ!」
と強引に大神 愛(おおかみ・あい)を強引に連れ出して軍用バイクに跨った。愛は仕方ない、といった様子で彼に付き合うようだ。

時間は流れ、完全に陽は沈んだ。空を見上げると雪がちらつき始めた。空も今日という日に随分と粋な事をしたものである。
「よし、そろそろだね」
フレデリカは大きな袋を担ぎ、空京の街を移動し始める。


かくして空京を舞台にしたプレゼント争奪ゲームが幕を開ける――