リアクション
★☆★ 「空京で開かれる、ハロウィンパーティーの招待状がきたですぅ!」 イルミンスール魔法学校の校長室で、 エリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)は、はしゃいで言った。 東西シャンバラの友好を願って、空京でハロウィンパーティーが開催される。 各学校の校長や、 東シャンバラ代王、セレスティアーナ・アジュア(せれすてぃあーな・あじゅあ)や 西シャンバラ代王、高根沢 理子(たかねざわ・りこ)なども招待されているが、 誰でも参加できるカジュアルなパーティーである。 仮装推奨だが、平服でも自由である。 また、ハロウィンということで、 多少はめをはずして大騒ぎしてもおとがめなしということであった。 ★☆★ 「話は聞かせてもらったざんす!」 ザンスカールの森の精 ざんすか(ざんすかーるのもりのせい・ざんすか)は、 校長室に走りこんできて言った。 「前からセレスティアーナってやつのことが気になってたざんす! ザンスカールのスフィアを持ってるし、 シャンバラの国家神であるアムリアナ女王のパートナーってことは、 契約したら、ミーも超強くなれるかもしれないざんす!」 「何を言っておるのじゃ、ざんすか! お前がセレスティアーナ様と契約したら、 アムリアナ女王に弱点ができてしまうじゃろう! それに、東シャンバラ代王に狼藉を働いたとして、 政治的な問題になるやもしれんのだぞ! お前がザンスカールの地祇(ちぎ)ということで、 ザンスカールやイルミンスールにも……ガフッ!?」 「ごちゃごちゃうるさいざんす!」 ジャンプしたざんすかは、 魔女アーデルハイト・ワルプルギス(あーでるはいと・わるぷるぎす)の頭を、 ダンクシュートの要領で、思いっきり叩きつけた。 「これは、ミーがろくりんピックの シャンバラ版バスケットボールに出場したときに閃いた 新必殺技、ざんすかダンクざんす! 相手の頭の重さで、首の骨を折って、 一撃で殺す、ミーにしかできない技ざんす!」 「ああっ、大ババ様ぁ!」 エリザベートが、殺されたアーデルハイトに駆け寄ってる間に、 ざんすかは走り去った。 「幸せにしてやるざんす! セレスティアーナ!」 ★☆★ 百合園女学院校長室にて。 スペアボディで復活したアーデルハイトが、 百合園女学院校長桜井 静香(さくらい・しずか)に連絡したので、 静香はセレスティアーナに注意を促していた。 「というわけで、パーティーにまぎれこんだ ざんすかさんが契約を迫ってくるかもしれないんだけど……。 くれぐれも契約しないように気をつけてね」 「はーっはっはっは! まかせておくがいい!」 セレスティアーナは、自信たっぷりに言う。 「……ところで、契約とはなんだ?」 静香は、おもいっきりずっこけるのであった。 ★☆★ 一方そのころ。 ツァンダの町の精 つぁんだ(つぁんだのまちのせい・つぁんだ)は、 独自の悪徳商人地祇ネットワークで情報を掴んでいた。 「ふふふ、ちぎのたくらみで油断させて、有力者と契約するチャンスだ! パーティー会場には仮装した子どもがいっぱいで、 簡単にまぎれこめるはず……。 ざんすかにしては頭いいじゃないか」 そして、 ざんすかに呼応して、 シャンバラ中の地祇達が、契約者になって力を手に入れようと、押し寄せていたのであった。 ★☆★ また、普段は温厚なジャタの森の精、じゃたは。 「とりっく・おあ・とりーと、って言ったら、 お菓子がもらえるって聞いたじゃた」 冬眠に備えて、たくさん食べ物を食べようと、 飢えた獣の目で言ったのだった。 |
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