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誘う妖しき音色

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第8章 生者の歌声

-AM1:40-

「さあ子供たちよ!この無敵のヒーロー、ケンリュウガーが供にいるかぎりもう安心だぜ!」
「わぁあーい!ヒーローかっちょいい!」
 特撮ヒーローコスプレをした武神 牙竜(たけがみ・がりゅう)のポーズに、少年たちは目を輝かせている。
「さて、これでよしと・・・」
 パートナーのリリィ・シャーロック(りりぃ・しゃーろっく)は、怪我をしている子たちを救急道具で手当てしてやっていた。
「お姉ちゃんありがと」
「いぇ、どういたしまして」
 傷の手当てしてくれたお礼を言う少年に、リリィはニッコリと微笑みかける。
「カガチお兄ちゃん面白いー」
「あははっ!」
「いってて・・・顔ひっぱらないでよ」
「カガチさん大人気ですね」
「うぅ・・・こういうことで人気になるって・・・」
 嬉しいのか辛いのか分からないカガチは、疲れきってトラックの側面に寄りかかる。
「カガチお兄さんは任務で疲れているから、俺が相手してやろう」
 くっついていた少年が牙竜の方へ駆け寄っていく。
「ありがとう・・・子供の相手はしんどいよ」
「こういうことは慣れている方がいいからな」
「疲れ知らずなんだねぇ」
「楽しいから全然平気だぜ。フハハハッ」
 天職というべきか、疲れて眠る気配の無い子供相手に頑張る牙竜の姿が、カガチたちには一瞬輝いて見えた。



「子供たちにだいぶ笑顔が戻ってきたようじゃのう」
「えぇそうですね。このようなことは笑って早く忘れてしまった方がいいでしょう。特にこんな恐ろしい記憶は・・・」
 助手席で少年たちの声を聞きながら、ガートルードは沈んだ表情で言う。
「覚えておいた方がいいこともあるんじゃが、こんな辛い過去はない方がいいじゃけん」
「一刻も早く心の傷が癒えるといいです・・・。あぁ・・・そろそろ空京の町に着きますね」
 20分後、ようやく空京にたどり着いた。
 牙竜たちがトラックから子供たちを降ろしてやると、自宅の外で待っていた親たちへ駆け寄っていく。
 歓喜で再会する者もいれば、悲しみ嘆く声も聞こえもあった。
 悪夢の夜が明け、空は雲1つない青1色に染まる。

担当マスターより

▼担当マスター

按条境一

▼マスターコメント

こんばんは、按条境一です。
今回の謎解きは、本と絵画については難しく考えずに正解できる内容にいたしました。
本棚の段数は上から5段目・3段目・1段目と順番に数えていきます。
フルートについてですが、音色に魔法があるかどうか見抜く判断が少し難しかったかもしれませんね。

もしも次回、謎解きがあるようなシナリオを出す場合は、もう少しハードルをあげていこうと考えています。
ホラーの表現は徐々にバージョンアップしていく予定です。
最初から全開でいくと、いろんな意味で危険ですから・・・。

称号は謎解きに正解した方と吸血鬼討伐、そして音色の謎についていい線いった方、それぞれMCのみへ差し上げました。