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【空京万博】美しくも強くあれ! コンパニオン研修!

リアクション公開中!

【空京万博】美しくも強くあれ! コンパニオン研修!

リアクション


PM00:45

「私の提案は簡単だ。君たちがなななをさらったことを謝罪し、この事件については口をつぐむ。それとティーカップパンダの本物を金儲けに利用しないこと。それさえ守れば君たちは公には罪には問われないように交渉しよう」
「それだけでいいのか?」
「私はこれでもティーカップパンダ研究者なの。だから彼らを守る義務があるの」
 私は胸の谷間からティーカップパンダを引っ張り出してやる。
 この場にいる皆の視線が私の胸元に集中する。
 何人かから嫉妬を感じるが、この膨らみ分けることはできないので諦めてもらおう。
「ティーカップパンダは繁殖数が少なくて、世話をするのも難しい。高値で取引されるといっても、決して簡単ではないのよ」
「だから本物を扱うのではなく、本物を参考にしたグッズ販売くらいにしておきなさい。その方がよほど現実的よ」
「受け入れなければどうなる?」
「別に。このまま君たちは私によって捕まるだけ。どこの学院が引き取るのかは知らないけど、それなりの罪には問われると思うわよ。何せ下手をすれば万博が中止になってたかもしれない騒ぎの元凶なんだから」
「……」
 沈黙するグレンの反応を室内の誰もが待っていた。
「彼女の提案を受け入れた方がいいわよ」
「それがお主たちにとって一番良い選択となる」
 静寂を打ち破ったのは、リカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)空京稲荷 狐樹廊(くうきょういなり・こじゅろう)だった。
「あら、それってどういうこと?」
「簡単よ。その方が彼らにとって儲けになるってこと」
 リカインはルカルカに笑いかけると、まっすぐにグレンの元に歩いて行った。
「あなた宛てに伝言があるの」
「何だ?」
「『ティーカップパンダオークションの企画と間接的に今回の件に関わった連中は全員シメた。さすがに今回は影響が大きすぎるから止めたが、お前らの着眼点は悪くない。ティーカップパンダ館を開いて、正当な手段で金を稼げ』だそうよ。あなたのお仲間さんを止めた二人のパラ実生からの伝言よ」
「……そうか」
 再び沈黙する彼にダメ押しとなる言葉がかけられる。
「私としてはティーカップパンダ館には興味があるから開いてほしいところだけど、それがかなわないとなるとちょっと不幸なことが起こるかもしれないわね。例えば蒼空歌劇団の舞台への出入り禁止とか、そこで貴方に救いの手を差し伸べた【最終兵器】さんが本格稼働するとかね」
「随分な言い草よね♪」
「あら、事実でしょう?」
 ルカルカとリカインは明るい調子で楽しげにしているが、名状しがたい確かなプレッシャーが感じられた。
「分かったよ。アンタの提案を受け入れる」
「分かってくれればいいんだよ。やっぱり平和的解決が一番だよね」
「この場合は、あの男は英断を下したと褒めてやるべきかのう」
 一部始終を見守っていた彼は、部屋の隅の中央で彫像と化していた変熊仮面の拘束を炎で断ち切った。
 何とも微妙なこの場の空気も、あの男なら良くも悪くもかき混ぜて普段のペースに戻すだろう。「後はこれをシャンバラの連中にでも渡せばよかろう」
 その手に握られているのは、彼がリカインと万博を歩きまわる中で感じたことをまとめたものだ。
 彼は部屋の隅で空気と化していたシャンバラ教導団へと歩み寄って行く。
 まだまだ完璧とは言えない万博会場の警備も、これで少しは改善されるだろうかと思いながら。

PM01:00

「申し訳ありませーん。只今映画の撮影を行っていまーす。ご迷惑をおかけしておりますが、こちらの建物には近づかないようにお願い致しまーす」
「もうすぐ撮影に協力していただいた人達が通りますので、道を開けてください」
 万博関係書の服を着た世羅儀が通行人達に呼びかけを行い、その隣ではシャンバラ教導団の服を着た早見涼子が建物近くの野次馬を移動させている。
「はい。今回撮影した映画は、万博中のコンパニオンの一日、という映画です。これはコンパニオンたちの一日を追って、次回以降の開催に役立てようという資料の側面が強いので、公開はされない予定となっています」
 叶白竜は、丁寧な口調で野次馬からの質問に答えていた。
 先ほどまで聞こえていた物音はやっと途絶え、建物の周囲にいる通行人達の興味はようやく薄れつつある。
「さてと今日の収穫はどれくらいかなーっと」
 羅儀はこっそりと仕掛けていたビデオカメラを回収した。
 彼がここにいる間、それなりの人数のコンパニオンたちが目の前を通り過ぎている。
 コンパニオンたちの隠し撮り画像は、自分だけのお宝として存分に楽しむとしよう。
「なるほど。そんなことをしていたのか」
「実に最低ですね」
「うそぉ! オレ、声に出してた!?」
 白竜の声とともにビデオカメラは取り上げられ、羅儀自身は拘束された。
 そのまま微塵の容赦もなくビデオカメラは粉砕され、彼のお宝は幻と消えた。
「ああっ! なんてことを!」
「女性の敵には相応しい報いです!」
「明日の訓練は特別メニューを組んでやろう」
「勘弁してくれー」
 野次馬が散った通りに、自業自得な男の悲鳴が響き渡った。


PM01:05

(ふむ、これで事件は解決ですかな)
(まあ、今回の件では私たちはほとんど活躍していない。彼女の言うように今回の件は表向きなかったことになることも含めれば、こういった形での決着もアリだろう)
(では本日の訓練はこれで終了ということでよろしいでしょうか?)
(ああ、要人警護及び奪還訓練は只今を持って終了とする)
(了解しました)
 マーゼン・クロッシュナーはテレパシーを終えると、パートナーの方を見やった。彼女は叶白竜とともに、なぜか世羅儀をしめあげていた。
「さて自分たちも撤収するとしよう」
 彼はゆっくりとパートナーの方へと歩き出した。
 こうして今日も何事もない一日として過ぎていくのだった。

担当マスターより

▼担当マスター

連城ハヤテ

▼マスターコメント

 みなさんはじめまして。ゲームマスターを担当させていただいた連城ハヤテです。
 まずはリアクションの発表が遅れてしまったことをお詫びさせていただきます。
 運営に連絡して、家庭の事情で〆切を延ばす対応をしていただいた結果、本日のアップとなってしまいました。
 本当に申し訳ございませんでした。
 今回は三十名以上の方にリアクションを応募していただき、うれしい反面こんなに大勢の方のご希望に沿った形で執筆できるのかと大変不安に感じましたが、なんとか書き上げることができました。
 可能な限り皆さまにご応募いただいたアクションに従ってキャラクターを行動させていますが、他のMCと絡ませられなかったり、自分の行動と若干違うという状態になってしまったキャラクターがいます。
 これは私の力不足によるものであり、その点については謝罪させていただきます。
 ですが、全体を通してキャラクターをなるべくコンビやチームで動かし、多くの出会いを通して皆さまに楽しんでいただけるように作品を作らせていただいたつもりです。
 この作品がお待たせてしまった皆さまに少しでも満足いただけるような作品であることを祈っております。
 それではまたご縁がありましたら、次回の作品でお会いしましょう。


 パビリオンポイントの付与
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