蒼空学園へ

イルミンスール魔法学校

校長室

シャンバラ教導団へ

えすけーぷふろむすくーる!

リアクション公開中!

えすけーぷふろむすくーる!

リアクション

「……とまぁ、このように脱出できた者もいるのだ」
 鋭鋒がドヤ顔で言うが、皆釈然としない表情であった――脱出できた者も含めて。
 講堂内の者は皆『ねーよ、そんなの』と、脱出できた者達は『まさかあんなので……』とそれぞれ思っていた。
「団長……やはりちょっと強引だったのでは?」
「何を言う。わざわざ『出口』と書いておいたのだぞ? あれほどわかりやすいものもあるまい」
 泪に言われるが、鋭鋒はそう言うと皆に向き直る。
「夏、休暇を過ごすのは大いに結構だ。しかし気を抜きすぎるな。気を休めるのと気を抜くのは違う」
 鋭鋒の言葉に、皆半分うんざりしたように返事をした。
「その事を心に刻んでおけ……では解散!」
 その言葉に、皆ため息を吐いた。
「やっと終わった……けど酷い目にあったよ」
「そうだね……でももう終わりだから」
「うん……でももうこりごりだよ、ボクは」
「あはは、なななももう勘弁して欲しいなー……」

「ああそうだ言い忘れていたな。また貴様らが気が緩むようであったら第二第三と」

『やらないでください!』
 皆の気持ちが一つになった。

――終了後。
――校舎外にて。

「ほらほら、きっちり走る!」
 ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)が運転する【空飛ぶ箒ファルケ】の後ろに乗ったルカルカ・ルー(るかるか・るー)が檄を飛ばす。
 その前方には彼女のペナルティ『建物周囲50周』を受けた者達が走っている。
「まさか、本当に走らされるとは……」
 クレーメック・ジーベック(くれーめっく・じーべっく)が呟く。
「く、クレーメック……さま……もう……げ、限界……」
「わ、私も……む、無理……」
 その後ろには息も切れ切れに島津 ヴァルナ(しまづ・う゛ぁるな)三田 麗子(みた・れいこ)が走っていた。
「兄さん……限界迎えるの早すぎ……」
 高天原 咲耶(たかまがはら・さくや)ドクター・ハデス(どくたー・はです)を抱えて走っていた。
「ふっ……て、天才科学者は……運動神経と引き換えにその頭脳をガフッ!」
 思い切りむせるハデス。彼は開始早々に、リタイア寸前となって咲耶に抱えられていた。
「近遠さん、大丈夫でしょうか?」
「生きてはいると思うけど……」
「……少し体を鍛えさせた方が良いのだろうか」
 その後ろでは、白目を剥いた非不未予異無亡病 近遠(ひふみよいむなや・このとお)ユーリカ・アスゲージ(ゆーりか・あすげーじ)イグナ・スプリント(いぐな・すぷりんと)アルティア・シールアム(あるてぃあ・しーるあむ)の3人に担がれていた。
 彼の場合、ほぼ開始直後のリタイアだった。
「しづり〜……まだ終わらないのぉ〜……?」
「ああもう! 何時まで走らせるんだよ!」
 不満気にライゼ・エンブ(らいぜ・えんぶ)朝霧 栞(あさぎり・しおり)が吼える。
「後38周です」
 それに冷静な声で夜霧 朔(よぎり・さく)が答える。
「……ふ、ふふふふ……やってられっかこんなん! 今すぐやめてやる!」
 切れた朝霧 垂(あさぎり・しづり)が叫ぶが、
「ダリル、やっちゃえ」
「了解」
後ろからダリルの攻撃魔法が放たれる。
「おわっ!? あ、あぶねぇだろ!」
「そんだけ元気があれば大丈夫大丈夫! ほら、きりきり走れー!」

――まだまだ、夜は長そうであった。

担当マスターより

▼担当マスター

高久 高久

▼マスターコメント

ここまでお付き合い頂きありがとうございました。今回担当しました高久高久です。
この度はご参加頂き誠にありがとうございます。
今回は公開が遅くなり、お待たせして大変申し訳ありませんでした。

学校から脱出は成功したでしょうか? もしくは探索者を捕まえることはできたでしょうか?
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
解説などは後ほどマスターページで書かせていただきます。

毎回アクションを読ませていただき、楽しく読ませていただいてます。
毎回勉強させられる事も多く、自らの未熟さを痛感させられています。
特に今回、ゲームルールについては特に自らの未熟さを痛感させられました。
第二回? 恐らく無いでしょう。多分。きっと。

それではまた次の機会、皆様と御一緒できる事を楽しみにしております。