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リアクション
*
「マリアンヌ、覚悟しなさいッ!」
手にしたソード・オブ・リリアを巧みに操り、Mに向かって素早い刺突を繰り出すリリア・オーランソート。
それを既のところでかわし、Mは覚醒型念動銃で増幅された念動力をリリアにぶつける。
オートガードとオートバリアの技術を持っていたリリアは、それをなんとか防いで持ちこたえた。
「後ろがガラ空きだぜッ!」
と、結城 奈津(ゆうき・なつ)がMの背後で跳躍する。
レスラーのようなリングコスチュームと覆面を被った彼女は、ロケットシューズを噴かして空中でさらに加速した。
「よし、奈津。そのまま強烈なドロップキックをお見舞いしてやれ」
奈津の着ているリングコスチューム――ミスター バロン(みすたー・ばろん)は奈津にそう助言した。
奈津はそれに答えるようにニッと笑みを浮かべる。
「よっしゃ、くらえッ! ロケットドロップキィィィック!」
奈津はロケットシューズで加速した勢いのまま、揃えた両足をMの体へと叩き込む。
振り向き様にその攻撃を受けたMは、体をくの字に曲げて派手に吹き飛んでいく。
それを見たウォルター教授が、思わず叫んだ。
「えっ、M!?」
「――いまだ!」
と、教授を捕まえようとしていた契約者たちは、ひとりになった教授を取り囲む。
「ぬぅっ、もはやこれまでか……!」
教授はそういうと、エンヘドゥを刺したナイフを取り出し、その刃を自分へと向けた。
「事のすべてをこの目で見れぬのは学者として残念だ……だが、私の意志はWFが継いでくれるだろう!」
そういった教授は、ナイフを自分へと突き刺そうとした。
だが、それは上手くいかなかった。
「ぬぅッ!?」
見れば、教授の手は床から伸びている異質な手によってしっかりと掴まれていた。
「掴むもの――外なる神々が戯れに創った奉仕種族のひとつです。まあ、近くのものを掴むだけの下等種族ですけどね」
「貴様は、ラムズ・シュリュズベリィ!」
「はて、どこかで面識がありましたか?」
クトゥルフ神話学者の間ではそれなりに名声を馳せているラムズだったが、彼は1日ごとに記憶が白紙に戻る病気を持っている。
そのため、今日はたまたまそのことをあまり覚えておらず、ラムズは首を傾げるのだった。
「ウォルター教授、あなたの負けですよ」
ザカコ・グーメルがそういって教授に近づき、手の中からナイフを取り上げる。
すると教授は肩の力を抜き、落ち着いたようすでつぶやいた。
「……私の負け、か」
「そうです。ですからもうこれ以上は抵抗をしないでください」
「ふむっ、そうだな」
「ようやくわかっていただけましたか」
「ああっ、わかったよ」
教授はそういうと、おもむろに懐に手を入れた。
そしてその顔に不気味な笑みを浮かべる。
「負けたものは、その罪を命で償わねばならんということがな!」
教授はそう叫んで、懐から手を出した。
するとその手には小型結界発生装置が握られていた。
そして教授は、躊躇うことなくそれを床に叩きつけようとする。
「――そんなことはさせないよ!」
「ぴきゅう!(そうなのだ!)」
と、小鳥遊美羽とヒト型の姿になっている天禰ピカが教授に向かって足を振り上げた。
美羽の音速の美脚から放たれたハイキックは、教授の手から小型結界発生装置を弾き飛ばし、ピカの踵落としは教授の脳天を直撃した。
「あがっ……ぐぅっ!」
教授はぐるりと目を回し、口から泡を吹いてその場に倒れ込んだ。
「ったく、諦めの悪い奴だぜ」
ラルク・アントゥルースが床に倒れた教授を見て、そうつぶやいた。
と、涼介・フォレストが仲間たちの前に出ていった
「教授は目を覚ますとまた色々と面倒そうだ。一時的に魔石の中に封印しようと思うんだけど、みんなはそれでもいいか?」
涼介の提案に仲間たちはうなずく。
それ見て、涼介は禁じられた言葉とエリクシル原石を使って自分の魔力を高め、封印の呪縛の呪文を唱え始めた。
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