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【新歓】水鉄砲騎馬戦

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【新歓】水鉄砲騎馬戦

リアクション


最後の一発 撃ち抜いたのは……

「逃げてばかりじゃ勝てる勝負も勝てない。こっちから攻めるぞ!」
「今までの様に逃げてばかりじゃないんだから!」

 陽一の行動予測とマリカの用意は整っておりますで理子たちは飛んで来る先を読み、理子の乱撃ソニックブレードで進行方向を狭めて攻めていく。

「狭めてたってルカのカタクリズムには通用しないよ!」
「それはどうかな!」

 進行先を美羽の方へ導いていた理子組。
 ルカルカの背後から、美羽の魔弾の射手で的を射ぬかれる。

「私を忘れちゃダメなんだから!」

 得意げにしている美羽に向かって隼人は追い風を使った水弾発射をした。


―――すぱん!


 撃ち抜かれる美羽組の的。

「え!?」
「勝負はタイマンで! ってな。一騎打ちにしたんだ、誰にも邪魔立てさせないぜ?」

 にやっとして隼人はキロスを見る。

「ありがてぇ……ここはあいつの言うとおりタイマン張ろうじゃねぇか」
「良いわよ。受けて立つわ」

 互いに水鉄砲を構える双組。

「行くぜ!」
「行くわよ!」


ズパパパパパパッ


 いざ、勝負再開だという所で今まで回避に専念していたメンテナンス・オーバーホール(めんてなんす・おーばーほーる)ピュラ・アマービレ(ぴゅら・あまーびれ)モニカ・アマービレ(もにか・あまーびれ)の組が味方であるリコっちチームに向けて水鉄砲を撃ちまくり始めた。

「味方を攻撃してはならないってルールはない!」
「撃って撃って撃ちまくるわよ!」
「ようやく攻撃に回りましたか……もう回避行動はしなくても良いのですね。数弾命中してしまいましたが」

 メンテナンス・ピュラ・モニカに撃ち落とされていくリコっちチームの面々。

「裏切りなんて許せないわよ!」
「そうですわ!」
「あたしが撃ち落としてやる!!」
「俺だって一発でも入れて見せる!」

 キロスとの戦いをそっちのけにしてリコっちチームの内輪もめに加勢していった。

「味方の中の敵とは……わらわも甘かったようじゃの」
「のんきに言ってないで、私たちも加勢するわよ!」
「当たり前だ。理子もこっちに来ているようだし、挟み打ちで一気に仕留めてやる」
「とびっきりの悪い未来、呼び込みますよ」

 理子組と対極の位置に移動していくリカイン。
 海と深月は水鉄砲を構える。

「裏切り者には鉄槌を!!」

 理子組とリカイン組によってあっと言う間に的を撃ち破られるメンテナンス組。
 的を撃ち破っても一斉掃射を終わらず、ついにはメンテナンスとモニカが落下してしまう。

「うがっ」
「きゃっ」

 落ちた地面はどろどろにぬかるんでおりたいした衝撃もなかった。

「大丈夫ですか? 二人とも」

 助けに向かうピュラ。
 地面に降りたち手を差し伸べるも、ぬかるみに足を取られメンテナンスとモニカを押し倒すように転倒してしまう。

「とびっきりとはいかなかったですけれど、いいきみですね」
「そうじゃの。ツキがない時はとことんツキがないのじゃからな」
「しばらくはあのような運のない事が多々あるでしょうね」

 面白そうに見ているリカインたち。

 一方、理子たちがメンテナンスの騒動に駆り出されている時。
 キロスは興が逸れたようにぼーっとしていた。

「香菜ちゃん、俺と付き合おうよ」

 対決もなくなったそこへ、隼人たちは向かい天斗は香菜にそう言った。

「は?」
「なに言ってやがる! 香菜はオレのパートナーだ!!」
「別にいいじゃない。隼人が勝ったら俺の勝ちで香菜ちゃんは頂くよ、君が勝ったらソルラン君を舎弟にしちゃって良いよ〜」

 楽しそうに天斗はそう持ちかける。

「え、何言ってるんですか。進学早々キロスさんの舎弟にされたくないですよ(勝っても目を付けられそうだし、負ければ勿論シメられそうだし…イイ事なしですよ!?)」
「おもしれぇ。風祭隼人、騎馬戦ではタイマンはらしてもらうぜ!」

 ソルランは隼人に止めさせるように言うが、隼人は隼人で面白そうだと一騎打ちを申し込んでしまった。

「…さっ、最悪な展開です」
「ちょっと! 私の意見も聞きなさいよ!!」
「いいからワイバーンの操縦をしろよ! 香菜もオレと離れたくないだろ?」
「もう! 分かったわよ!!」

 こうなりゃ自棄だ。と言わんばかりにレッサーワイバーンを動かす香菜。
 キロスは香菜を奪われてはたまらないと始めから飛ばしていく。

 風を操りながら飛んで来る水弾を避けていく隼人組。

「うまいところは最後に取っておくってな!」

 隼人の放った一発の水弾は風術で加速させれ、キロスの乗るレッサーワイバーンに付けられている的に命中した。

 そこへタイムアップのベルが鳴る。


『タイムアップ!! 制限時間ぎりぎりでしたが、隼人組はキロス組を撃ち破りました! よって勝者、高根沢率いるリコっちチーム!!!』