蒼空学園へ

イルミンスール魔法学校

校長室

シャンバラ教導団へ

シナリオ一本分探偵

リアクション公開中!

シナリオ一本分探偵

リアクション

「えーっと、次が最後かな。それじゃどうぞー」
「はいは〜い、トリは私よぉ〜♪ それじゃズバッと無理矢理まるっと推理やっちゃいま〜す♪」
 なななに促され入ってきた師王 アスカ(しおう・あすか)はやたらと高いテンションのまま周囲を見回す。
「それじゃ時間もいい具合になっているからささーっとやっちゃうわね〜……ずばり、犯人はあなたよ、アッシュ・グロック! 略してグロい君!
 ビシィ、とアスカがアッシュを指さした。
「ちょっと待って! その略し方酷過ぎだよ!?」
「アッシュ君に対しても酷いしセンスも酷い。これが所謂ダブルミーニングってやつだね!」
「何か間違っている気がするんですが、それ」
 なななに対してボニーが言うが、とりあえず今の略し方が酷いのは正しい。色んな意味で。
「……まぁ、今の略し方についてはどうでもよくねぇけど置いとこう」
 ピクピクと口の端を引き攣らせながらアッシュがアスカを見据える。
「で、何で俺様が小暮を殺したっていうんだ?」
「え? 何で殺したですってぇ? そんなの考えてるわけがげふんげふんっと……も、勿論あるに決まってるわよ〜?」
 無理矢理作ったような笑顔でアスカが言う。
『今『考えてるわけがない』って言おうとしたな』とアスカ以外の皆の心が一つになった瞬間である。
「あるなら話してみろよ。何で俺様がアイツを殺したのか、その理由をな」
 アッシュが詰め寄るが、アスカは勝ち誇ったような笑みを浮かべていた。
「ところがあるのよねぇ〜……『アルバム』っていう理由がね!
 自信満々に言い放つアスカに、皆『あ、アルバムぅ?』と首を傾げた。
「アルバム! そうかそれがあったか……!」
 ただ一人、なななを除いて。
「ふふふ〜、みなさんいいリアクションありがとう〜♪」
 その光景にアスカが満足そうに笑う。
「いやアルバムって何さ」
「それは諸事情があるからなななが説明するよ!」

――『アルバム』とは、詳しく説明する必要が無いと思うが物凄い簡単に言うと愛の塊の事である。
 もっと詳しく知りたい方は設定のキャラデータの隣にあるので確認してもらいたい。

「説明ありがとう〜♪ そして、某人物が調べたこのデータを見よ〜〜!」
 そう言ってアスカが取り出したフリップにはこのように書かれていた。

【イベカ・BUリスト】
金元ななな:24
アゾート・ワルプルギス:4
小暮 秀幸:11
高円寺 海:7
雅羅・サンダース三世:19
アッシュ・グロック:0
※公式BUを省く


アッシュ・グロック:0
※大事な事なので二回書きました


「これを見ての通り、グロい君……あなた0枚なのよぉ……」
 アスカが目に涙を滲ませ、顔を伏せる。
「さすがに女性に手を出すのは憚られた君は地味に枚数ある、ついでに一つ年下の癖に身長がそこそこある怨みもあって小暮っちを猫神家ポーズで……っ!」
 一瞬言葉を詰まらせたが、アスカは目元の涙を拭うと伏せていた顔を上げた。
「でも安心してグロい君! あなたにはまだ可能性があるわ〜! 何処で何があるかわからないものね〜! その希望を捨てなければいつかはわからないけどいつか愛されキャラNO1だって――」
「熱弁している所悪いんだけどさ、アッシュ君泣きながらどっか行っちゃったんだけど」
 アゾートの言う通り、先程までアッシュが居た場所は今は誰も居なかった。
「……あらぁ〜?」
 アスカが首を傾げる。

――何時まで経ってもアッシュは戻ってこなかった。このままでは推理にもならないからと、この場はお開きとなった。

「……アッシュ君、何処行ったんだろう?」
 アゾートが外を見てぽつりと呟く。するとなななが肩を叩いてこう言った。
「大丈夫だよ、他のシナリオでは生きているから」
「他はって今は!?」
 アゾートの問いに、なななはただ笑みを浮かべて黙って首を横に振るだけであった。

――デッドリスト入り、現在15名+1名