校長室
水宝玉は深海へ溶ける
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「最初に言っただろ。オレとやる以上パンツの一枚や二枚は覚悟して貰うってな。 クックックッ……フハハハハ……ハァーハッハッハッハッ!!」 圧倒的な実力差を前に最早戦意を喪失しているのか悄々と泣いているキアラの前で、 武尊は悪役然と笑いながら遂に彼女の軍服のスカートに指をかけ、そして勢い良く捲った。 そこに遂に露になったのは―― 「……これはまさかの……清純派白パンツ!?」 そのパンツは武尊の予想に反し、 細やかなレースに縁取られた白いベースにピンクの小花柄が散らされたシルクの上品なものだった! 「な、何故…… オレはてっきりギャルっぽいからと、 黒や赤やドギツイピンクベースのギャルとお姉様御用達ブランドヴィクトリーシークレット系な一品しか想像していなかった! だがこれは一体!?」 上品すぎるパンツを前に驚きの言葉しか出て来ない武尊にキアラは慌ててスカートを可愛らしく抑えながら涙を拭う。 「ひっ……うっく……ぇぐっ……君も、同じっス……あの屑男と……」「え?」 「あの忌々しい男アレキサンダーに出会った所為でお姉様はビッチになってしまったんスよ!」「は……?」 武尊の困惑きった反応も見ないで、キアラは唐突に舞台に立ったかの様に昔語りを始めた。 それはこんな具合である。 「誰よりも強く美しくトーヴァお姉様。 パートナーになってからもあの方はあたしの憧れ、雲の上の存在だったんス。 あれはあたし達が遂に同じ部屋で暮らす事になったその日だったっス。 あたしお姉様が夜な夜な外出している事を知ってしまったっスよ。 それであたし、何日か経って遂に朝帰って来たお姉様を突き止めて、聞いたんス。 『何時もいつも何処へ行っているのですか』って。するとお姉様はお酒に酔っていらっしゃるのか頬を染めながら仰ったんス…… 『にゃ〜? 今日はぁ、アレクんとこだよぉ〜☆』と。 ああっ思い出すだけで! 吐き気が込み上げる! あの汚らわしい軍人男!! 男なんて皆奴と同じっス! お姉様に、全世界の女性に悪影響しか与えない! ――それでも私は頑張って、お姉様に追いつこうと一生懸命にビッチというものを学び」「……そこ学ぶところか?」 「……そしてあの屑男の配下に下ってまでお姉様を護ろうとしてたんスよ! なのに!! どうしてお姉様はビッチから離れて下さらないんスか!!」「…………。」 わっと泣き出したキアラ。どうしたらいいのか分からないでいる武尊。 そんな二人の前にほんのり掠れたハスキーでセクシーな声が飛んで来た。 「ベイビー、それは違うわよキアラ」 廊下の真ん中を陣取って立っているのはまさにキアラの憧れのお姉様、トーヴァ・スヴェンソンその人だった。 「キアラ、アンタ何か勘違いしてる。 私のこれは生まれつき、 つまりこのトーヴァ・スヴェンソンはボーントゥービービッチなのよ!!!」 「……え?」 キアラでなくとも「え?」と言いたい所だった。 だがトーヴァの後ろに立っていた輝とハデスと彼らの機晶姫達は何だか慣れてしまって『無』の一文字を顔面に張り付けていた。 「国頭武尊君、妹が世話になったわね。 確かに勝負は勝負よ。 でもね、この子のパンティーはあげられない。勘弁してやって。 理由は『お察しの通り』だから、よ。 だが勿論このトーヴァさんは『ただで』とは言わないいい女」 言いながらトーヴァはタイトな上短過ぎる軍服のスカートの左側に手をやり、 そこにあるのだろうホックに指を掛けるアクションをする。 するとスカートはあっけなく床へ落ちた。 当たり前だがそうなると露になったのはトーヴァの『見せられないよ』な部分でもあり、 件のヴィクトリーシークレットのパンティーでもあった。 腰の下の骨で細い紐が申し訳程度に支えるのは中央にビビットなピンクの花があしらわれた黒いパンティーで、 それは確かに武尊がはじめに想像していたギャルというかお姉様というか…… つまり決して下品ではないけれど、ドエロい一品だった。 はらはらと見守るギャラリー達を無視して、トーヴァは全く躊躇する事なく紐へ指を絡ませ、そして雄々しく叫んだ。 「さあ、私の脱ぎたてパンティー、受け取りな!!」 ノーパンのトーヴァ・スヴェンソンが 『バアアアアン』なる効果音を背負いながら自らのパンティーを目の前に突き出し高らかに宣言する中、 キアラ・アルジェントは混乱と羞恥と理想の崩壊が全てごった煮にされた悲鳴を上げていた。