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第2回新ジェイダス杯

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第2回新ジェイダス杯

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第16ターン

 
 
『さあ、運命の第16ターンです。
 トップは……、おおっと、イコナ・ユア・クックブック選手です。イコナ・ユア・クックブック選手、今、トップでゴールしました。優勝です!!
 
 2番手のノーン・クリスタリア選手、わずかに届きません。
 
 3番手には、おおっと、ここに来て雪国ベア選手底力を見せました。一気に二人抜きです。
 
 4番手は、ここに来てペースダウンしてしまった緋桜ケイ選手とフォン・ユンツト著『無名祭祀書』です。その間に、6番手にクリストファー・モーガン選手が追い上げてきた。
 
 7番手は、ペルセポネ・エレウシス選手だが、雪だるま兵につかまった。これは、万事休すか』
 
「フォースフィールド展開。回避行動に移ります」
 
『おおっと、ペルセポネ・エレウシス選手、フォースフィールドで雪玉を弾き返しつつ強行突破に出た。無数の雪玉が襲いかかります。これは集中砲火だあ。だが、たかが雪玉、されど雪玉、ほんでもって雪玉。破壊力はたかがしれている。ペルセポネ・エレウシス選手、無事突破したあ』
「はい、御苦労様です」
 シャレード・ムーンがアデリーヌ・シャントルイユに命じて、綾原さゆみの頭の上に雪玉を載せた。じゅっという音が微かに聞こえた気がする。
 
『8番手は、秋月葵選手のままです。もはやおっきなハミングバードは限界なのか?』
 
 
    ★    ★    ★
 
『では、優勝したイコナ・ユア・クックブック選手にインタビューしてみましょう。レポーターの大谷さん、お願いします』
 
『はーい、こちらゴール地点ですう。それではあ、さっそくインタビューしてみましょう。さっそくですがあ、優勝おめでとうございますう』
『ふふ……。当然の結果ですわね』
 思いっきり小さな胸を反らせて、イコナ・ユア・クックブックが自慢げに勝ち誇った。
『最初から自信があったんですねえ。この優勝は、どうやってお祝いしますかあ?』
『ちょうど、下僕が一人手に入りましたの。ステキなメイドガイですのよ。それをこき使って、今日は兎鍋ですわ。はーはははははは……げほげほ』
 慣れない高笑いなどして、イコナ・ユア・クックブックが咳き込む。
 
「下僕……」
「兎鍋うさ……」
 そんなイコナ・ユア・クックブックの言葉に、賭に負けた源鉄心とティー・ティーが真っ青な顔でつぶやいた。こんなことならば、賭なんかしなければよかった……。
 
『みごと優勝なされたあ、イコナ・ユア・クックブック選手のお言葉でしたあ。それでは、放送席にマイクお返ししますう』
 
『はい、ありがとうございました。
 以上のように、第2回新ジェイダス杯の優勝者はイコナ・ユア・クックブック選手に決定しました。
 ですが、レースはまだ続いています。2位以下は、どの選手に栄冠が輝くのでしょうか。そして、完走できるのは、誰と誰か。まだまだ見逃せません。
 それでは、現在の順位です』
 
 
1位  イコナ・ユア・クックブック
2番手 ノーン・クリスタリア               96
3   雪国ベア                     91
4   緋桜ケイ                     86
    フォン・ユンツト著『無名祭祀書』
6   クリストファー・モーガン             82
7   ペルセポネ・エレウシス&ヘスティア・ウルカヌス  80
8   秋月葵                      78