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DSSパニック

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DSSパニック

リアクション

――システムアップデートを開始します。お休み、マスター。

 契約者達の、そして、テロリスト達の、全てのDSSナビゲーションシステムは、そう言ったきり沈黙した。
 画面に表示されて居るのは、「アップデート中」の文字と、進行状況を示すバーが一本。
「ど……どういうことダ!」
「こういうことです」
 流石に慌てふためくヴィシャスの問いに答えたのは――凶司達に付き添われた、スティーブだった。
「なッ……貴様、まさカ!」
「そう、サモンシステムは全て無効化させて貰いました。アップデートが終了すれば、DSSはただのゲームに成り果てる。貴方の悪行もここまでです」
「なんダト……!」
 ヴィシャスは怒り狂った眼差しをスティーブに向け
「御用です!」
ている間に、美羽や恭也たちが寄ってたかって取り押さえた。

 ヴィシャス本人、また他のカオス教団の人間も全員、DSSのシステムに頼りきりで戦闘していたため、弱っちかった。



 カオス教団のトップであるヴィシャスが捕まり、DSSのシステムもダウン。教団のメンバーは或いは投降し、またあるいはアッサリと取り押さえられ、一連のパニックはあっけなく終結した。
 建物には相当な被害が出たとはいえ、契約者たちの活躍もあり大規模なビルの倒壊だとか、空京壊滅だとかの最悪の結果は回避された。また、多少の怪我人も出たが、重傷者や死傷者は出さずに済んだ。

 逮捕されたヴィシャスが後に証言した所によると、カオス教団は元々、鏖殺寺院の末端組織であったらしい。が、まあ、ここ最近のゴタゴタからこちら独自路線を突っ走り、今では寺院を名乗ることすらやめてしまったのだとか。テロを起こした理由については、「現体制への不満」というごくありきたりなものだった。
 スティーブも一連の騒動の責任を感じて自首したものの、教団に監禁されて仕方なく開発させられていたことや、騒動の収束に尽力したことなども加味され、軽いおとがめで済んだ。
 ダミーを実体化するシステムについては、スティーブの意思により、封印されることとなった。何人かが根強く「それだけは! それだけは!」とか「人類の夢を叶えるシステムなのに!」とか平和的利用を強く訴えたらしいが――意思は固かったようだ。

 ただ、「ダミー」を呼び出すシステムが無効化されたDSS自体は、ただのロールプレイングゲームとしてその後も流通した。
 空京の事件で図らずも知名度が急上昇したお陰もあり、一時的に大ブームを巻き起こしたことを、追記しておく。





















おわり。


担当マスターより

▼担当マスター

常葉ゆら

▼マスターコメント

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。お楽しみ頂けましたでしょうか。
今回はいつも以上に趣味全開で、文字数も凄いことになってしまいました。てへっ。いつもの倍書いてる。

さて、事件については皆様の尽力のお陰で、無事解決と相成りました。
ざっくり判定について。
・「首謀者」と「アプリを作った人」が別人であるということに気づけたかどうかが割と分かれ目になったかと思います。
・椅子男の居場所については【「アプリ制作者の居場所を」調べようとすればすぐ解る】という判定でお送りしました。後は演出補正です。

元ネタを踏襲していただいたアクションが多くて、私は嬉しいです。今後とも宜しく。
結構コアなネタを振って下さる方も居て、諸々の制約の許す限り応じたつもりです。少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです。

それでは、また次回シナリオでお会いしましょう。