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すべての物語が、ハッピーエンドで終わるとは限らない。

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すべての物語が、ハッピーエンドで終わるとは限らない。

リアクション





6、物語が、始まる。



 目を開く。
 そこは、博士の研究所だ。
 世界は、消滅した。真っ白く塗りつぶされ、そして、消えた。
 そんな中で、最後にさおりは……笑っていた。
 皆、その光景を覚えていた。忘れなかった。
 忘れられるわけが、なかった。



「みなさん、無事ですね」
 水原 ゆかり(みずはら・ゆかり)が声を上げる。それぞれがヘッドホンを外し、起き上がる。
「さおりさんは……消えたの?」
 エセル・ヘイリー(えせる・へいりー)が静かに口にした。その質問に、誰も答えない。
「おそらくは消えた。あの世界と、一緒にな」
 しばらくの間の後、声を出したのは博士だ。
「世界があまりにも不安定になった場合のために、特殊なプログラムを組んでおいたのだ。世界そのものをデリートする、というな」
 博士は言う。言って、ダリルに視線を向けた。
「博士……あれで、よかったのか」
 ノーン・ノート(のーん・のーと)が言った。
「いいさ」
 博士はすぐに答える。
「私は、なにもかも伝えた。昔の私がどう思っていたのかも、今の私がどう思っていたのかも。もういいさ。私は、十分だ」
 どこか遠くを見るように、言う。
「所詮は仮想世界の話だ。それでも……私は、救われたよ。みんなのおかげだ。私は、考えていたこと、感じていたことを、素直に表現できなかった。逃げていたんだ。戦わずに、立ち向かわずに。それに……気づかされた」
 そこまで言い、大きく息を吐く。
「彼女の思い出を、否定することは出来ない。背負うさ。背負って、生きてゆく」
 彼はそう続けた。
 その言葉は、どことなく寂しそうにも聞こえる。
「……ねえ、彼女は、死んだの?」
 セレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)が尋ねた。
「わからない」
 博士は答えた。
「私は、高校を卒業してすぐ町を離れた。彼女のことは、なにも知らない」
 息を吐くようにして、言う。
「だから……彼女があのときどう思っていたのかも、わからない。この機械がどこまで再現してくれたのかも、今となっては、な……」
 少し笑いながら、そう続けた。




「それは彼女に直接聞いてみるといいですよ、博士」


 小野の言葉に、皆の視線が向く。
「どういう意味だ?」
 千返 かつみ(ちがえ・かつみ)が聞く。
「簡単な話でありますよ。この機械にあそこまでの感情表現はできません。博士なら、気づいているかと思ったんでありますけどねえ」
 千田川が答えた。
「おい、直接聞くってことは……」
 ジェイコブ・バウアー(じぇいこぶ・ばうあー)が立ち上がった。
 小野が頷く。そして、『もしもマシーン』の後ろから延びるケーブルを示した。
 そのケーブルは、壁で仕切られた隣の部屋へ。小野は壁をスライドさせ、隣の部屋との境界をなくす。


 白いベッドの上に、誰かが座っていた。
 ヘッドホンを外して、立ち上がる。


「ダリルさんがログを見つけて、もしかしたらって調べてくれたんですよ。それで、ハイコドさんと、竜平さん、虎さんと真一さんで、ちょっと、博士の故郷まで」
 小野が言う。視線を向けられたダリルたちは、少しだけ恥ずかしそうにしている。


 立ち上がった人物は、長い髪を手で少しだけ整える。
 そして、決意したように息を吐いて、ゆっくりと振り返った。


「ご紹介します。彼女が、東さおりさん。ご本人です」


 小野が言う。
 振り返った女性はゆっくりと息を吐いて、


「はじめまして。みなさん」


 そう、優しい笑みで口にした。
 みんなが見た面影が、ところかしこに残る。
 十年の年を経た彼女は、昔のままの儚げな、そして優しい笑みを浮かべ、そこに立っていた。


「修くん……久しぶり」


 そして、博士に顔を向ける。
「さおり……キミなのか?」
 博士の言葉に、さおりはこくりと小さく頷いた。
「来ちゃった……えへへ、ごめんね。急に」
 さおりはそう言って笑う。博士はなにも言えず、口をパクパクと動かす。
「不安だったんだよ、彼女も」
 ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)が口を開いた。
「十年前、あんたが勝手にいなくなったこと、ずっと悔やんでいたらしくてな。自分のせいだ、って。博士と同じことを思ってたんだ」
「だからこそ、な。小野たちと協力して、博士の本音を引き出させたかったんだ」
 ハイコド・ジーバルス(はいこど・じーばるす)が続ける。
「ま、せいせいしたー、とか言ってたらぶっ飛ばしてたけどな」
 笑って言う。
「そっか。そういうことだったのね……」
 ルカルカ・ルー(るかるか・るー)が口にする。「まあな」と、ダリルはちょっと照れた口調で言った。


「修くん」


 さおりは口にした。
「さっきの言葉は……わたしの本音です」
 先ほどと同じように胸元に手を当て、言う。
「修くんがいたから、いろいろなことを、教えてくれたから。わたしは、生きる希望を持つことが出来た。修くんと会えなくなっても……わたしは、頑張れた」
 それでもそこにいるのは十年前の彼女ではない。
 十年努力を重ね、負けずに歩んできた、そんな、彼女の姿だ。
「本当は、近くにいて欲しかった。でも、あなたからくれた言葉を、あなたからくれた物語をわたしはずっと、胸に抱いてた、辛かったよ。大変だったよ。でもくじけなかった。それも……修くんの、おかげだよ」
 その表情が少しだけ曇った。
 それでも、笑顔を絶やさない。
 きっとそれが、彼女がこの十年間、行ってきたこと。


「修くん……あなたはわたしにとって、かけがえのない人です」


 そんな笑顔のまま、彼女は口にした。
 博士が立ち上がる。そして、彼女の前に立つと、


「久しぶり……さおり」


 そう、言葉を交わした。
「さおり。私にとっても君は……かけがえのない人だよ」
 博士が口にする。
 それを皮切りに、彼女は涙を流した。
 十年前の後悔を、十年分の後悔を胸に秘めて。
 途中で止まってしまった物語を、バッドエンドで終わってしまった物語を、ほんの少しだけ、前に進めるために。


 ふたりは涙を流した。



「ハッピーエンドだね」
 遠野 歌菜(とおの・かな)月崎 羽純(つきざき・はすみ)の手を握り、口にする。
「違う」
 羽純はすぐに返した。
「これは、始まりだ。幸せな物語が、これから始まるんだ」
「……そうだね」
 強く、握り返される。温かさが、伝わる。


 物語は、終わっていなかった。
 これからまた、彼らの物語が始まるのだ。














 数ヵ月後。

 空京のとある場所に、皆が集っていた。
「おめでとー、博士!」
 『もしもマシーン』に関わったメンバーと、それ以外にも多くのメンバーが集り、祝福の声を上げる。


 博士――修とさおりの結婚式が、行われているところだった。


「正確には披露宴らしいな」
 ベルクが言う。
「さおりさん、博士がもともと住んでたところで、教師をしてるんだってさ。お互いの実家と教え子を交えて、盛大に行われたそうだ」
 用意されたたくさんの料理に手をつけながら、そう口にした。
「んで、博士の知り合いを集めてこっちでも、ってことか。知り合い多いな、博士」
 想詠 夢悠(おもなが・ゆめちか)は辺りを見回して言った。
 著名人や有名人、大学教授に学園関係者などが、博士に挨拶に回っている。
「大学で教鞭をとることもあるとか言ってた。さおりさんを忘れようとして没頭した科学でこんなになるとは、笑い話じゃないのか」
 影月 銀(かげつき・しろがね)は言うが、
「違うよ。よほど忘れられなかったんだよ」
 ミシェル・ジェレシード(みしぇる・じぇれしーど)がグラスを傾けてそう言った。
「そうかもしれないの。きっと、胸の中にずっと、残っていたんだと思うの」
 エセル・ヘイリー(えせる・へいりー)もうんうんと頷きながら言う。
「十年間思い続けて、そんで結婚、か。なんだそのストーリー。すげえな」
 レナン・アロワード(れなん・あろわーど)も、口にする。
「マスター、さおりさんの体調はどうなのですか?」
 もごもごと料理を口にしながらフレンディスが言う。
「すっかり治った……というわけではないが、入院することはもうほとんどないとさ」
 フレンディスの口元を拭ってやりながらベルクは答える。
「教師、先生か。いろいろ教えられたのが忘れられなくて、今度は教える側に立ってるんだよね。かっこいいよね」
 ジブリールが言う。「そうだな」とベルクも答えた。
「そうですねぇ。ぜひとも、彼女の歩みを参考にしたいです!」
 フレンディスも言う。言って、あいさつ回りをしているふたりに視線を向けた。
「ルカルカさん、ダリルさんは来ていないんですか?」
 さおりはちょうど、ルカルカと挨拶をしていた。
「そうなの。礼を言われるのは面映いから、代わりに聞いとけー、って」
 ルカルカは彼女の手を握りながら言う。
「そうなんですか……改めてお礼を言いたかったんですけど」
 さおりは少し残念そうだ。


 とはいえ、ダリルも実は会場近くまで来ていた。博士のスーツは似合わないなとか思いながら息を吐いて、その場を立ち去ろうとする。
 ぱしゃり、と音がした。気づくと、近くに竜平がいる。
「バーストエロスか。今回はご苦労さん」
「お前もな」
 言って笑いあう。竜平もスーツを着ていた。
「お前も来ればいいのに。喜ぶぞ、さおりさん」
 すれ違い際に言う。
「ああいう場は苦手でな。それに、あのふたりの幸せそうな顔を見れたから、十分だ」
 ダリルはそう言って歩き出した。
「そうか」
 竜平はそう言い、デジカメを掲げる。
「お前が近くにいた証拠だ。皆に見せびらかそう」
「おいやめろ」
 竜平の写真は上手で、見事にダリルと披露宴会場が写っていた。ダリルは竜平を追いかけた。



「俺は会わせないほうがいいって思ったんだけどなあ。ダリルさんもエロスも、会わせたほうがいいって言い出して」
 ハイコドはグラスを片手に彼女を連れてきたときの話をしている。
「僕も会わせるのは反対でしたよ。議論しましたねえ」
 虎之助が言った。
「それで、『もしもマシーンを使おう』という話になったんですよ。そうすれば、お互いの本音も見えてくると思いましたからね」
「それでわざわざ地球まで。すごいわね」
 セレアナがハイコドを賞賛する。
「ま、俺は故郷帰りのついでだったからな」
 そんなセレアナの言葉に、ハイコドは笑って返した。
「つまり、あれかい、戦ったのは、博士に立ち向かわせるため?」
 陽一が聞く。
「ま、そんなとこですよ。どんな強敵相手でも、正面から向き合えばなんとかなるもんだからな」
 少し照れくさそうに言う。
「こっちも少し遠慮してたからね。次にこういうことがあったら、遠慮なくぼこぼこにしてやるわ」
「やめてくれ。マジで死ぬから」
 セレンフィリティが口にし、笑い声が辺りに響いた。



 そして、披露宴の余興として、ブーケトスが行われた。
「さおりさーん! こっちこっち!」とミシェル。
「絶対に取って見せるのー!」とエセルもはしゃいでいる。
 多くの女性がそうやって参加する中、ブーケが投げられ、
「っと、わ」
 ブーケはあらぬ方向へと飛んでいった。受け取ったのは……シェスカ・エルリア(しぇすか・えるりあ)
「………………」
 シェスカが周りを見ると、羨ましいという声と、いらないなら頂戴という声。そして周りを見ると……真一と、目が合った。
「真一くん」
「え? うわっと」
 博士がなにかを投げた。真一がそれを受け取る。
 それは、さおりがつけていたガーターリング。
「………………」
 真一は、なにかを決意するように歩き出した。歩いていった先には、シェスカがいる。
「シェスカさん……これを、受け取ってください!」
 そして、真っ赤な顔で口にする。
「?」
 疑問符を浮かべるもの、そして、その意図を理解するもの。さまざま。
「し、真一先輩、それって、」
 そんな中、虎之助が少し顔を赤くして口を開いた。
「こ、告白……ですか?」
「………………」
 真一はこくり、と、小さく頷いた。
 周りから、大きな声。もてはやす声、指笛、いろいろな音が響いた。
「ちょ、なによぉ、いきなり……」
 ブーケを手にしたまま、顔を赤くするシェスカ。
「すいません……その、今しかないと思って」
 真一は口にする。シェスカは静かに頷いて、左足を前に出した。
「最後まで、責任、取りなさいよぉ」
 そういうと、真一は少し笑った。
「はい!」
 頷いて、彼女の左足に受け取ったガーターリングをはめる。
 周りから、温かな拍手が響いた。修とさおりも、笑っていた。






 物語は、始まる。
 多くの感情を乗せて、物語は進んでゆく。





「クリスマスに食べたケーキの店だよな、ここ」
「そうだねえ。ね、羽純くん、時間あるから、寄っていかない?」
「そうだな。せっかくだから、食べていこうか」





 『すべての物語が、ハッピーエンドになるとは限らない』。
 これは、真理だ。
 世の中には、多くの物語がある。
 だがそれが、必ずハッピーエンドになるとは限らない。





「久しぶりにちゃんとした休みだね、マリー」
「そうね。こうやって、波の音を聞きながら、ゆっくり出来るなんてね」
「むにゃ……このまま寝ちゃいそう……」





 不幸になる人もいる。
 どんなに頑張っても、報われない人もいる。





「アディ、大丈夫? 変なところない?」
「大丈夫ばっちりです。それより、それそろ移動しないと、時間ですよ」
「おっけー。最高のステージにしましょう」
「ええ」





 それでも……人は決して、不幸になるために生きているのではない。





「遅いわよぉ」
「……まだ、待ち合わせの40分前ですよ」
「む……そうだけど」
「あはは、お待たせしました。シェスカさん」





 幸福になるために、笑顔になるために。
 そのために精一杯努力し、歩み、進んでゆく。





「はあ、はあ、一本も取れない」
「はっはっはっは。どうした銀、終わりですかい?」
「っ、冗談。まだまだやれる!」
「その意気。来いよ、どっからでも!」
「銀ー! 唯斗さーん! 頑張ってー!」





 自分のため、大切な人のため。
 人は、必死になって、生きてゆく。





「んふふふ、さあ、シェスカさんたち動き出しましたよ、竜斗さん、麗ちゃん、私たちも行きましょう!」
「お母さん、生き生きしてますね」
「こんなところで生き生きされてもな……」




 もしも、叶うのなら。



「あなたっ、早く!」
「こらこら、フィリシア、子供じゃないんだから、そんなにはしゃぐな」
「ふふ。遊園地ですよ。子供じゃなくたって、はしゃぎたくもなります」
「ま、そうだな。よし、なにから乗る?」




 多くの物語が、




「よーし! 全部食べきったわよ! 見て、セレアナ!」
「見てたわよ。これで無料の上に、サービス券ももらえるのよね」
「そうよ……でも、しばらくラーメンは食べたくないわ……」
「私も、しばらくセレンがラーメンを食べるところは見たくないわよ。ふふ」






 たくさんの人生が、




「マスター! こっちの店も寄っていきましょー!」
「待てよフレイ、まだ寄るつもりか」
「当然です。さ、行きますよ!」
「ベルクさん大丈夫? 持つの手伝おうか?」
「まだ大丈夫だ。だが、危なくなったらフレイを止めてやってくれ」
「それはちょっと自信ないよ」



 ほんの少しだけ、



「お、賑やかだな。おう、ただいま、ソラ。双子ちゃん」




 幸せになりますように。




「真一」
「なんですか?」
「好きよ」
「っ……そういうことを、真顔で……」
「ふふふ。ほらぁ。いくわよ」




 ハッピーエンドに、なりますように。




「僕も、好きですよ。シェスカさん」
 







担当マスターより

▼担当マスター

影月 潤

▼マスターコメント

 

 
 
 と、いうわけで、初めましての方は……今回はいないかな。みなさんいつもありがとうございます。

 影月潤です。今回、僕のシナリオに参加していただいて、ありがとうございました。

 
 今回はまさかの前回シナリオの続き物となりました。
 しかも、オリジナルNPCがまさかの主役。え、なにそれ。

 まあ、いつもながらのことではありますけど、書きたいものを書かせてもらったと、そんな感じです。


 ちなみにみなさんにアンケートみたいな形で取らせていただいた、


 「ハッピーエンドがいいか否か」


 に関しては、ハッピー:バッド:どちらでも の比率が

      6:1:3

 といった感じの割合でした。

 まあ予想通り、ハッピーエンドが多いですね。

 バッドエンドの方も、バッドエンドのほうがいい! というよりかは、

 「あえてシナリオにこういうのを入れたい」

 といった意見が多く、書いている上でいろいろと勉強になりました。

 ちなみに問うシナリオを書く上でもちろんバッドエンドシナリオも考えておりまして、


・さおりさんの墓参り

・博士が落胆して故郷に帰る


 などのパターンも考えおりました。

 ハッピーはこのシナリオのパターンと、それと、さおりさんと再会しないハッピーエンド的なエンドと。あといくつかあったけど、忘れた。<おい


 その中でも、もっともハッピーと思われるシナリオを採用しました。まあ、これが一番、書きやすそうだったから。<おいこら


 楽しんでいただけたなら、幸いです。

 そして、ハッピーエンド云々に関して、多くの意見を頂戴して、本当にありがとうございました。

 みなさんの意見、この物語を作るうえで、本当に参考になりました。

 みなさんの言葉がこの物語を形にしたといっても過言ではありません。みなさんのおかげです。



 もし、他にもなにか、僕に対してご意見があれば、是非ともお気軽に、ご指摘ください。

 ご感想なども、いつもいつも様々な感想をいただいて、本当に感謝です。

 みなさんの言葉の一つ一つが、僕の支えになっております。




 http://www.geocities.jp/junkagezuki/  


 僕のHP、『影月 潤の伝説の都』です。もしよろしければどうぞ。
 規約により、「蒼空のフロンティア」プレイヤーさんへのお返事などは行えませんので、ご了承いただきたく思います。





 以下オリキャラ考察



・博士。谷岡 修

 主役。ヘタレだったけど、最後に微妙にカッコイイ?

 十年間ずっとひとりの女性を思い続けていた人。未練ったらしいとも言う。<こら


 17という年齢にしたのは、やはりリアリティのためですね。

 甘酸っぱい恋愛というのは、やはり年齢が限られると思います。
 ちょうどかっこつけたい時期というか大人になりかけの時期というか、
 そういう辺りで見せたかった感じです。


 僕が17のときかあ。『モテない組』を設立したときだなあ。<遠い目



・さおり


 ヒロイン。バグをまとって襲ってくる怖い人にもなります。

 最初は「なんど戦っても勝てないやり直しだ」を数回書くつもりでしたが、
 最初のほうの設定との矛盾があったのに気づいたり内容がくどくなったりで大幅にカットした経緯もあります。

 基本的に正統派ヒロインですね。にしてはトシが行き過ぎているけど……ま、気にしないでください。



・小野、千田川

 サポートに徹した二人。おかげで出番は少ないかと思ったら、意外と多め。
 ただふたりいる必要がない気もしたのは気のせいではないでしょう。



・土井竜平。バーストエロス

 
 今回はいろいろ暴れてましたね。
 彼は「悪い人だけどいい人」の典型です。まあ、普段は盗撮魔ですからね。



・皆口虎之助 ハイパーエロス


 こっちもそれなりに暴れていた女の子。
 ただ、最近はどうも目立っていないのは悩みどころですよね。ええ。



・沢渡真一


 影の主役。なんだこのリア充。

 ちなみに告白シーン、知らない人のために解説しますと、「ガータートス」という行為があります。いわゆる、「ブーケトス」の男版です。

 ガーターリング、花嫁が足にはめていたものを投げ、受け取った人がブーケトスと同じで、次に結婚できる、と。

 ただし婚約者や恋人がいる場合は、その人の左足にはめるそうです。そういうことで、つまり「恋人になってくれませんか?」と。正しいかどうかわかりません。<ええ

 おかげで幸せボーイその2に。ま、次にシナリオで登場させたときは不幸な目に……あれ? その物影にいるのは誰ですか?





 今回も、みなさんに称号を贈らせていただきます。
 気に入っていただけたなら、幸いです。