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48)火村 加夜(ひむら・かや)

「こんにちは。
まずは、いろいろな方の質問からお願いしますね。

キュべリエ・ハイドンさんから、出演者全員に。

もし地球とパラミタどちらかが滅んでどちらかを救えるのだとすれば
あなたが救うのは地球?それともパラミタ?
両方救うという回答ではなく二者択一でお願いします」

「む、難しい選択ですね。
うーん、選べなくてどちらも滅ぶかもしれません……。
テラフォーミング出来て移住できれば、パラミタを救うかも。
どちらを選んでも後悔はするでしょうし、自問自答し続けるでしょうね」
加夜は、困ったように言う。

「では、次の質問です。
国頭 武尊さんからです。

契約者になる前は、地球で普通に学生やっていて
争い事なんかにゃ無縁だった人も居るだろうから敢えて聞くけどよ。
やっぱ、契約者になってその活動期間が長くなると
人を傷つけたり、時には殺めたりする事に、
抵抗感や不快感を持たなくなるのかね。
すっげぇ答え難い質問だと思うから、無視してもらっても構わないぜ」

「地球に居た頃に比べると傷つける事に抵抗がなくなっているのかもしれません。
殺める事は抵抗もありますし、回避した行動をとるようにしてますね。
もちろん無意味に戦ったり、戦いを楽しんだりする事はないですよ。
私なりに意味はあると思ってます。
あくまで私なりに、ですよ」

「強い力を持つ、加夜さんだからこそのご回答ですね。
では、渋井 誠治さんからです。

好きな食べ物は何ですか?
割とありがちな質問だけど、番組の中で時間があれば答えてくれると嬉しいな。
出身地が違うと食文化も違うだろうし、皆がどんなものが好きなのかちょっと気になったんだ。
パラミタだと地球の料理はなかなか食べられないかもしれないけど、
ここでアピールしておけば空京で流行っていつでも食べれるようになるかもよ?
なーんてね」

「好きな食べ物ですか?
慣れ親しんでる和食でしょうか。
特に母の作ってくれたおにぎりは絶妙の塩加減で美味しくて好きですね。
なかなか難しくて、まだ未修得です。
シンプルでも奥が深いんですよっ」
おにぎりをつくる動作をして、加夜が笑う。

「では、
青葉 旭さんの質問です。

自身の所属校ってどの程度大事に思っている?
質問がアバウトですが、極端な例を挙げると、
王国が滅んでも学校を守る。
他の学校を全部潰して自分の学校1校だけにしたい。
友達よりは大事だけど、恋人よりは大事でない。
嫌い、早く転校したい。
全く大事でないどころか明日にでも破壊したいくらい嫌い。
といったところかな。

自分の学校のこういう点が改善されたらもっと好きになれるのに、
というのがあったらそれもお願いしたい」

「大事ですけど友達より下ですね。
壊れても直せるので。
直せないものの方が上になります」
迷いなく、加夜は言いきった。

「では、わたくしからの質問です。

加夜さんは、山葉さんと婚約者なんですよね。
実際には、『どのような関係』まで進展されているのかしら?
ぜひ、詳しく聞かせていただけます?」

「えっ……?」

山葉 涼司(やまは・りょうじ)とのことをいきなり聞かれ、
加夜は固まる。

「車の操縦?」
「それは運転」
「ゼリーを作る時に使う?」
「それは寒天」
「舞台の場面転換で照明を消す?」
「それは暗転」
「そ、それは気付かなかった!」
「それは盲点」

加夜はさらに「進展」に近い言葉を探し続けるが。
(思いつかない……
は、はぐらかせないっっ!?)

「どのような関係までって言われても、な、生放送ですし」
顔を赤くして、加夜が照れる。
「沢山の子どもだって見てますよね。
涼司くんに出るって言っちゃったので、見てるかもしれないですし。
い、言えないですよっ」
顔を押さえて、もう片方の手をぶんぶん振る。

「トッドさんのご想像にお任せします」
「まあ。
いろいろ想像は膨らみますけれど」

「トッドさんはどうなんですか?
現在か過去に付き合ってる人との進展は?
参考に教えて欲しいですね」
加夜は笑顔で、逆に質問した。
「それは長い話になりますね」
トッドさんも、笑顔で答えたのだった。