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ハロウィン・コスチューム・パニック!

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ハロウィン・コスチューム・パニック!
ハロウィン・コスチューム・パニック! ハロウィン・コスチューム・パニック!

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魔王子のコスプレをしてパーティーに参加した
綾原 さゆみ(あやはら・さゆみ)は、
変身した自分の姿に鏡でまじまじと見入っていた。
「誰、この男の子……や、私が男の子になったらこんな感じなのかしら?」
少年ぽさを残した、適度な甘さの美青年が、鏡には映っている。
身長は、さゆみの元の姿の時と変わらないため、やや小柄だが、
それが、かわいらしさをより際立たせていた。
「いいじゃない、いいじゃない?」
さゆみは、満足げに笑みを浮かべ、パーティー会場へと戻って行った。

一方、パートナーのアデリーヌ・シャントルイユ(あでりーぬ・しゃんとるいゆ)は、
悪魔貴族の姫君といった趣で、
高貴な雰囲気の衣装を身に着けていた。

「どこにいったのかしら、さゆみ……」
はぐれてしまったパートナーを探してきょろきょろしているアデリーヌの前に、
見知らぬ美青年が現れる。
「美しいお嬢さん。
よろしければご一緒しませんか?
せっかくのパーティー、貴女のような美しい女性が、
一人でいるというのは、どうにもいただけない」
「え?
どなたですか?」
「ふふ、そんなことはどうでもいいではないですか。
夜の闇の中、貴女はきらめく星々のようだ。
よろしければ、僕だけの星になってはいただけませんか?」
「あの、そういわれましても、わたくし……」
困惑するアデリーヌだったが。
「なーんてね」
「まさか……さゆみ!?」
「そうよ。アディ。
魔法で本当に男の子の姿になっちゃったの。
驚いた?」
さゆみの種明かしに、アデリーヌは非難がましい視線を送る。
「趣味が悪いですわよ……」
「まあまあ、ハロウィンのいたずらってことでひとつ許してよ」
そんな会話をしつつ、
2人は、パーティー会場を歩いていった。

ふと、さゆみは、アデリーヌに問いかける。
「ねえ、アディ。
私は今、男の子の姿だけど、もしこのまま女の子には戻れず、
このままずっとこの姿でいても、私の事、好きでいてくれる?」
さゆみは、なぜ、自分でもそんなことを聞いたのかわからなかった。
しかし、女性しか愛さないパートナーに対し、
もし、自分がこのままだったら、と、一抹の不安がわき上がったのかもしれなかった。
アデリーヌは、そんな、パートナーの複雑な表情の変化を見逃さなかった。
先ほどまでの冗談とは違う雰囲気を感じ取り、
自らの本心を告げる。
「……どんな姿をしても、さゆみはさゆみ……
わたくしは変わらず、あなたのことを愛し続けますわ……」

こうして、2人は、夜の帳の中、
そっと、抱き合い、口づけを交わした。