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第3章 今日はちょっと大胆に?

御神楽 陽太(みかぐら・ようた)は、アラビア風の商人の姿に、
御神楽 環菜(みかぐら・かんな)は、アラビア風のお姫様の姿に仮装していた。

陽太が、風術で会場の煙を散らしたため、
2人は変身したりはしていない。

実は、家でも、環菜は、
アラビア風のお姫様の姿になっていたのだが、
陽太に、パーティーではもう少し抑えるようにお願いされたため、
やや、セクシーさが控えめになっている。

「環菜、とても、美しいです……!」
それでも、改めて、妻にメロメロになる、陽太であった。
「そんな、家でも見てるじゃないの。
それに、こんな大勢の前でわざわざそんなこと言わなくったって……」
「いえ、家でも見ていますが……改めて、とても綺麗で似合ってます!」
陽太が大真面目に言うので、環菜は照れながらも、微笑を浮かべた。
「ふふ、ありがとう。
陽太も、エキゾチックでかっこいいわよ」

そして、2人は、
ツァンダで開催を計画している大々的なモンスターレースのことや、
最近の世間での話題などを、楽しく話している。

そんな中、持ち上がったのは、これからの家族のことについて、であった。
「今後のことを考えると、お腹を冷やすのはよくないと思って。
それもあって、おへそは出さないようにしたのよ」
衣装のセクシーさを抑えめにした理由として、
環菜は、そんなことを言った。
「ええ、環菜、女性は身体を冷やすとよくないそうですからね」
「ええ」
陽太に、環菜はうなずいた。

「そういえば、陽太は、どんなふうに思ってるの?」
環菜が、ふとたずねる。
「今も、充分幸せだけれど、
これからもし、家族が増えたら、もっと幸せになれるかもしれないわね」
「そうですね。
環菜は、俺にとって、世界一、大切な人ですから」
そう言った陽太に、環菜は少し、すねたような口調で言った。

「いつも、先に言っちゃうんだから」
「え?」
「私も、陽太のことをとても大切に思っているわ。
私は、陽太という、かけがえのない存在のおかげで、
もう二度と、さびしい思いをしなくてすむようになった。
だから、いつも、陽太を好きな気持ちを伝えたいと思っているの」
環菜は、柔らかな笑みを浮かべた。
「私のことを、愛してくれて、ありがとう、陽太」
「環菜! こちらこそ、ありがとう!」
陽太はそっと、環菜のおでこに、優しく口づけた。