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リアクション
第2章 「ここはきまくに野心を抱かせるべく教育が必要なようですね!」
「俺様はどてらい漢じゃきに一ヶ所の地祇だけで『萌え農産物』化とかケチな事は考えちょらん。
絵葉書ちゅう安くて一度買えば終わりのモノより、
確実に消費されてリピーターの付く食い物が一番じゃ!」
棚畑 亞狗理(たなはた・あぐり)は、壮大な計画を胸に、きまくに接触する。
「ちゅうことで、きまくの萌え米や萌え麦に萌え大豆に、
ざんすかの森で繁殖しまくる葡萄やリンゴ、
これを、じゃたが噛んだり踏んだりで醸したポン酒にワイン、
しゃんばらだいこうやの気候で干した大高野豆腐(だいこうやどうふ)と加工して、
ひらにぃの最先端技術工場でキャラボトル詰めやネタ缶詰にし、
販路はつあんだの総合商社ブランドで、主にドM向けにアピール!
パッケージは、お揃いの丸くて光るものを持ってる萌え絵!
地祇のやつら自身を萌えキャラ化し「私が作りました★」と露出させるんじゃ!
戦隊モノやアイドルみたいにグループにし、
多様な萌えとマニア心に対応。全品を大人買いさせるきに!」
亞狗理の持ってきた種モミ袋には、萌えキャラっぽくデフォルメされたきまくの絵が描かれていた。
「見よ、俺様の画力!
こう見えて美術16じゃけん!」
「ギャーハハハハハ!
種モミよこせえええええ!!」
「ぎゃああああああああ!?」
しかし、狂乱したきまくは亞狗理のプレゼンは聞いておらず、
種モミ袋を奪ってぶっ飛ばした。
そこに、藤原 優梨子(ふじわら・ゆりこ)が現れて、
しゃんばらだいこうやに、貢物を差し出す。
「はじめまして。こちら、私の手作りの干し首にさくらんぼにだんごです。
少し惜しくも感じますが……ええい、奮発しますっ。
ほら、前述の順に下から積み重ねると、綺麗なピラミッドになるんですよー♪」
「ほ、干し首が下段に3つ、
中段に2つ、
上段に1つというイヤな黄金比が現出されているのだよ!」
「本当は、シャンバラ大荒野にお住まいの首狩り族の皆さんや、
肉食恐竜乗りの馬賊さんの皆さんを、
しゃんばらだいこうやさんにご紹介したかったのですけれど……。
やはり、急に連絡はつかなかったようですねー」
「おい、我にこれをどうしろというのである」
「きまくさんのお土産には、種モミをば」
「ギャーハハハハハハハハ!」
きまくは、優梨子に襲い掛かるが、ナラカの蜘蛛糸がはりめぐらされており、
きまくの身体が切り刻まれる。
「卑怯でも何でも実力差を埋めないと、“コミュニケーション”が長続きしないでしょうから」
「おもしれえ!
バラッバラにしてやんよ!
ギャーハハハハハハハハハ!!」
こうして、優梨子ときまくは殺し合いを楽しむのであった。
「どうするのだ、これ……」
干し首のピラミッドを見て言うしゃんばらだいこうやの横で、
復活した亞狗理が言う。
「それも、丸くて光るものじゃきに!」
「光らんわ!」
しゃんばらだいこうやは杖で亞狗理をぶっ飛ばす。
そこに、霧雨 透乃(きりさめ・とうの)と
パートナーの剣の花嫁緋柱 陽子(ひばしら・ようこ)が、
きまくの刃物を弾き飛ばそうとする。
「戦争! 戦闘! やっっほーーーーーーーーーう!
私も戦闘狂として、狂戦士化しているきまくちゃんをなんとかするよ!
「狂」って文字しか共通点ないけどねっ!」
透乃は、日曜大工セットの中身や釣り具、医学部の教科書など、
投げつけられそうな物を片っ端からきまくに投げつける。
「って、それ、あきらかに武器じゃないだろ!」
体操服から普段の裕福なツァンダ商人風の衣装に着替えたつぁんだがツッコミを入れる。
「人も地祇も戦わずにはいられないものなのでしょうか……」
そんなことを言いつつ、陽子は、凶刃の鎖や雷術で、刃物の弾き飛ばしを試みる。
「って、君もむしろきまくガンガン攻撃してるじゃないかっ!」
陽子にも、つぁんだがツッコミを入れる。
「あ、あんなところに手ごろな地祇発見!」
「え? え!? ぎゃああああああああああああ!?」
近くにいたつぁんだ軍地祇が、透乃に捕まる。
透乃は、地祇を、ちぎってはなげた。
透乃は、地祇を、ちぎってはなげた。
透乃は、地祇を、ちぎってはなげた。
透乃は、地祇を、ちぎってはなげた。
透乃は、地祇を、ちぎってはなげた。
透乃は、地祇を、ちぎってはなげた。
透乃は、地祇を、ちぎってはなげた。
透乃は、地祇を、ちぎってはなげた。
透乃は、地祇を、ちぎってはなげた。
透乃は、地祇を、ちぎってはなげた。
透乃は、地祇を、ちぎってはなげた。
透乃は、地祇を、ちぎってはなげた。
透乃は、地祇を、ちぎってはなげた。
透乃は、地祇を、ちぎってはなげた。
透乃は、地祇を、ちぎってはなげた。
「って、地祇をちぎってなげるのがやりたいだけかー!」
「さっすがつぁんだちゃん。今回もツッコミ冴えてるじゃん」
透乃は言う。
「なるほど、地祇を丸めてだんごにしてちぎってなげれば丸くて光るものじゃ!」
「光らんわ! ていうか地祇をだんごってなんだ!」
また復活した亞狗理は、つぁんだにぶっ飛ばされる。
「ギャハハハハハハハハ!」
きまくは、優梨子と透乃に向かって刃物を振り回す。
「この戦争はやりたいことして楽しんだ人が勝者な感じだよね。
私も戦闘狂として戦いを楽しまないとね。
それー、則天去私ー!!」
大技をぶちかましながら透乃は言う。
そこに、剣の花嫁ソルファイン・アンフィニス(そるふぁいん・あんふぃにす)が現れた。
「なっ!? なんだその格好は!?」
つぁんだが驚く。
ソルファインは、ブーメラン水着一丁であった。
「ああ、ここにも哀しい人がまた一人……切り刻むなんて
恐ろしいことをさせるわけにはいきません」
ソルファインは両手を広げてきまくに近づく。
「見ての通り僕は無防備です。さあ、武器など捨てて平和を目指しましょう」
ソルファインはきまくを抱きしめる。
「ギャーハハハハハハハハハハハハハ!!
イケニエ野郎だぜ!!」
「私達の楽しい“コミュニケーション”にご参加なさりたいのですかー。
では、相応の対応をさせていただきますねー」
「私達は戦闘を楽しんでるんだから、よけいなこと言わないの!」
「透乃ちゃんの邪魔しないでください」
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!?」
きまくと優梨子と透乃と陽子に切り刻まれ殴れらて、
ソルファインは自分の血の海で泳ぐことになった。
「でも、この状況でその行動って……。
私と同じ雰囲気が……いえ、なんでもありません」
陽子はこっそり、ソルファインは自分と同じドMなのではないかと思っていた。
「あー、もー、何やってるんだか。
とにかく、きまく君のナタとカマぶっ壊して、
ちゃんと話ができるようにするのが先決だよね。
どうやら私物じゃなさそうだから遠慮せずにぶっ壊す!!」
ソルファインのパートナーのリカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)も、
接近戦をきまくにしかける。
(それにしても、
「地祇の強さは持っている野心に比例する」ってことだったけど、きまく君はどうなのかしら?
単に狂戦士モードが規格外なのか、実はとんでもない、
もしかしたら素晴らしいことを胸に秘めているのか……本人に聞いてみるのが一番ね)
そんな目的もあり、リカインはきまくの刃物をなんとかしようとする。
「諸先輩方とお会い出来ると聞き、馳せ参じて参りました狐樹廊と申します。
しかし、この状態では会話もままならない御様子。若輩ながら手前も助力させていただきましょう」
リカインのパートナーの地祇空京稲荷 狐樹廊(くうきょういなり・こじゅろう)は、
ヌンチャクで絡めてきまくの動きを封じようとする。
「……そういえばこの機に地祇の長になろうなんて仰られた先輩もおられるようですが、
その時は手前がその座を奪うも一興ですね」
「な、なんだと!?」
「……もちろん冗談です」
つぁんだににらみつけられて、狐樹廊はにっこり笑ってみせる。
「ふふふふふふふ!
ここはきまくに野心を抱かせるべく教育が必要なようですね!」
島村 幸(しまむら・さち)はマッドな笑みを浮かべつつ、きまくに接近する。
「地祇の強さが野心に反比例するなら、
きまくにざんすか以上の野心を持たせれば弱くなりますよね。
野心っていうのは失くすのは難しくても生むのは簡単なんですよ。
歴史が物語ってるじゃありませんか……ふふっ。
マインドコントロール?
なに言っているんですか。
これはただの教育ですよ、き・ょ・う・い・く!」
幸は、その身を蝕む妄執をきまくにかける。
「ギャハハハハ……こ、これはなんだ!?
ぎゃああああああああああああ!?」
「ふふふ、
さあさあどうです!?
刃物が全くない世界で苛められる気分は!!」
「な、なんてひどい奴なんだ……」
幸の行動に、捕まってぐりぐりされたことのあるつぁんだが戦慄する。
幸のパートナーの魔道書メタモーフィック・ウイルスデータ(めたもーふぃっく・ういるすでーた)は、
きまくにこっそり近づいて刃物を奪う。
「こっそり、こっそり、そーっと」
メタモーフィックは、ナタとカマを地面に埋める。
「ママを守るためだもん。
危ないものは失くしちゃえばいいんだよね。
よいっしょっと、これだけ土かけちゃえばわかんないよね♪」
メタモーフィックは「ママ」と慕う幸のため行動しているのであった。
「よし、あんたが俺の教育をうけるきまくだな!」
同じく幸のパートナーの英霊アスクレピオス・ケイロン(あすくれぴおす・けいろん)は、
幸がきまくにその身を蝕む妄執を使ったことには気づかずに、
教育魔として大喜びで指導を開始する。
「え、今、何が起こっただよ?
オラ、なんでここにいるんだ?」
刃物を手放して素朴な農民娘の性格に戻ったきまくだが、
アスクレピオスの熱血指導が飛ぶ。
「野心を燃やせ! 心の内なるほのーを燃やすんだ!」
「え、やしん?
新種の野菜の名前か?」
「ちっがーう!
地祇の長になりたいんだろう、きまく?
ほら、はい か YES か Ja.か Ouiで答えろよ」
「え? オラ、別にそんなことぎゃあああああ」
「ああっ!!
このままじゃいつまで経ってもドンくさい田舎娘のまま!
貴方に刃物があれば、
その刃物で苛める皆を締め上げれば
シャンバラの地祇の長になれば……こんなことにはならないのに!
貴方なら今からでも間に合います!
シャンバラの地祇の長を目指し、
苛められることのない世界を作り出すのです!
さぁ、きまくよ! 地祇の星を目指すのです☆」
幸はまたもやその身を蝕む妄執で刃物のない世界でいじめられる幻想を見せて不安を煽り、
きまくに言う。
「マ、マインドコントロールじゃないか!」
「つぁんだは黙っていなさい。
これは教育なんです、きょ・う・い・く!
あなたにもマインドコント……ごほごほ、教育をしてしまいますよ。
それとも、私に魔改造されたいですか?
それに、うちの犬は噛み癖が非常に悪くて……」
幸は忍犬の蛇目丸をなでながらつぁんだに言う。
「お、鬼かー!」
つぁんだが涙目で言う。
「うわああああああ、オラ、地祇の長なんか興味ないだよー!」
逃げ出すきまくをアスクレピオスが追う。
「コラー! 俺の授業抜け出して何処行く気だっ!」
アスクレピオスは、ヒロイックアサルトと氷術を使い、きまくの足元を凍らせて転ばせる。
「立て! 立つんだ!
そんなことじゃ立派な地祇の長になれないぞ!
見ろ! きまく!
あれが、地祇の長の星だー!」
ぶっ飛ばされてお星様になった者達を指し示し、アスクレピオスは言う。
「そ、そうか、なんとなくそんな気がしてきただよ……」
そんなきまくの前に、
リカインのパートナーの吸血鬼童子 華花(どうじ・はな)が現れ、言う。
「お友達がたくさんいるかも知れないと聞いて飛んできたぞ!
おおお、本当にたくさんいるな!
それじゃまずは……えっと、きまく姉だな、オラとお友達になってくれるか?」
「オラと友達に?」
「うん! そしたら他のみんなを紹介して貰えるとうれしいな」
華花の無邪気な笑顔にきまくは言う。
「よし、オラと一緒にみんなでシャンバラ大荒野をパラミタトウモロコシ畑にするだ!
みんなで農作業すれば、シャンバラが平和になるにちげえねえだよ!」
「わーい、楽しそうだな!」
変な野心を抱いたきまくだが、華花は喜ぶ。
「人の世に、野球のバットがある限り!」
「鈍器の重みは世界を救う!」
「野球のバットは人々の希望!」
「そ、その声は!」
幸が声の方を振り向く。
メイベル・ポーター(めいべる・ぽーたー)と、
パートナーの剣の花嫁セシリア・ライト(せしりあ・らいと)、
同じくパートナーの英霊フィリッパ・アヴェーヌ(ふぃりっぱ・あべーぬ)が現れたのであった。
「「「秘密結社「パラミタ”撲殺天使”普及委員会」見参ですぅ!」だよ!」ですわ!」
三人は野球のバットを手にポーズを決める。
「きまくは刃物を持つと性格が変わるみたいですが、そこがまた良し!
でも斬殺なんて、もう古い!
今や時代は鈍器たる野球のバットの時代なのですぅ。
装備種別は「剣」、「片手」なのに、刃物でなく、実は鈍器という。
しかも装備レベルは剣1というお手軽さ。
初心者にもお勧め!
今なら秘密結社「パラミタ”撲殺天使”普及委員会」に優待参加できるのですぅ。
正義の味方でもなく悪の下僕でもなく、混沌の使徒としてパラミタ中に名前を売り出せますぅ。
もれなく、つぁんだも撲殺し放題ですぅ!」
「えっ、ちょっ、なんで僕が捕まっているんだ!?」
「いつのまにかつぁんだを捕獲しているとは、
やりますね、メイベル!」
幸は簀巻きにされたつぁんだを見て感心する。
「刃物を持つと人が変わるって面白いよね?
では野球のバットを持たせたらどうなるかな?
えっ、そんなもの持ちたくない?
そう言わずにちょっと持ってみてよ。
この感触、この重量感。
刃物とはまた違った楽しみが見つかると思うよ!
さあ、Let’s BO☆KU☆SA☆TU!」
セシリアは、野球のバットでつぁんだの頭をぐりぐりしてきまくに提案する。
「ちょ、待っ、こ、この展開は!?」
「「剣に生き、剣に死す」という言葉が有りますが、
今や「野球のバットに生き、野球のバットに死す」という言葉が有ってもおかしくない時代です!
秘密結社「パラミタ”撲殺天使”普及委員会」は
そんな時代の要求に応えて生まれ出でた存在なのです。
さあ、貴方も是非、野球のバットの魅力を堪能してください!」
フィリッパも、秘密結社「パラミタ”撲殺天使”普及委員会」にきまくを勧誘する。
「野球のバットの魅力は、なんといっても野球のバットということですぅ。
相手を野球のバットして野球のバットさせてしまうという、
なんとも野球のバットなところが野球のバットですよねぇ。
野球のバットならではの野球のバットこそが野球のバットなのですぅ」
「うんうん。野球のバットは野球のバットだから野球のバットだよね。
野球のバットは野球のバットで野球のバットだしね。
野球のバットで骨がひしゃげる音なんかは、
他の武器では野球のバットえない、野球のバットならではの野球のバットだからね。
野球のバットを一度持ったら野球のバットが野球のバットに違いないよ!
さあ、野球のバットで野球のバットして野球のバットるんだ!
とある有名な人も言っているよ。
「迷わず野球のバットだよ。野球のバットればわかるさ」。
さあ、君も野球のバットで世界に名を野球のバットるんだ!」
「野球のバットれば野球のバットだし、
野球のバットというのも不可能じゃないわ。
野球のバットは野球のバットで野球のバットなのですもの。
さあ、今こそ、野球のバットを野球のバットで野球のバットです。
野球のバットを野球のバットが、現代の騎士、すなわち、
『野球のバット士』なのです!
野球のバットで野球のバットして野球のバットです!」
「BO☆KU☆SA☆TUですぅ!」
「BO☆KU☆SA☆TUだよ!」
「BO☆KU☆SA☆TUですわ!」
メイベルとセシリアとフィリッパに取り囲まれ、
野球のバットを持たされたきまくは、目をぐるぐるさせながら言う。
「そうか……野球のバットだべな!」
「き、きまく、ややややや、やめるんだ! 目を覚ますんだ!
みぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「野球のバットでBO☆KU☆SA☆TUですぅ!」
「野球のバットでBO☆KU☆SA☆TUだよ!」
「野球のバットでBO☆KU☆SA☆TUですわ!」
「野球のバット、野球のバット、野球のバットでBO☆KU☆SA☆TUだよー!」
かくして、メイベルとセシリアとフィリッパとともに、
「撲殺天使化」したきまくは、つぁんだを殴りまくるのであった。
凄惨な状況に、教育魔のアスクレピオスは、華花の目を覆う。
「ん? きまく姉、どうしたんだ?」
「これは教育によろしくないなー」
メタモーフィックは幸に問いかける。
「ママ、あれ、なにしてるの?」
「フィックはまだ知らなくていいです」
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