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【ざんすか内乱】だいこんらんのだいこうや【第2話/全3話】

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【ざんすか内乱】だいこんらんのだいこうや【第2話/全3話】
【ざんすか内乱】だいこんらんのだいこうや【第2話/全3話】 【ざんすか内乱】だいこんらんのだいこうや【第2話/全3話】

リアクション

■□■2■□■「……嗚呼、私の心が泣いていますわ。あと冷やかしに来てる奴ブチ殺してえ」

 そこに、絶対闇黒領域で真っ黒な影になった牛皮消 アルコリア(いけま・あるこりあ)が現れる。
 「ぁは、おねぇちゃんだよぅ……きゅふふふ」
 アルコリアは、つぁんだに、
 両手を差し伸べ、顔をおさえて、鼻がつくほど近づいて、目を大きく開いて瞳を覗きこむ。
 「にぎゃあああああああああああああああああ!?
  い、いけまあるこりあああああああああああああああ!?」
 「そんな、『地獄の拷問吏に再会して失禁寸前』みたいな声出さなくてもいいのに……。
  ということで、『本物のアイドル』のコンサートに行こうね。
  前回よりもっとすごい、『本物のアイドル』だよ?」
 「だだだ誰が行くかがふうううううううううう」
 両手に持った二本の妖刀村雨丸でつぁんだに疾風突きを食らわせつつ、アルコリアは言う。
 「一緒に行ってくれないともっと『お願い』することになるよぅ?」
 「いいいいいいきますいきます」
 「じゃあ、おねぇちゃんにお出かけのチューしてほしいなあ」
 「ちゅーですか? つぁんだちゃん、さっそく特訓の成果を見せるです!」
 アルコリアの発言に、ヴァーナーは言う。
 「誰がそんなぎゃあああああああああ」
 「チューしてくれないとエンドレスで『お願い』しちゃうかもねー」
 「しますしますします」
 つぁんだに頬にキスされるアルコリアだったが、再び妖刀村雨丸で疾風突きを食らわす。
 「私の口から言わせるの?」
 「がはっ……ど、どうすれば……」
 つぁんだは、地面に倒れたまま、アルコリアの顔を見る。
 アルコリアは笑っている。
 つぁんだは立ち上がって、唇にキスする。
 アルコリアは、則天去私で周囲ごとぶっ飛ばす。
 「きゃー!?」
 「な、なんで俺までー!?」
 近くにいたヴァーナーと陽太も巻き込まれる。
 アルコリアは、つぁんだを冷たい目で見て言う。
 「……サカってるの? いやらしい」
 「ど、どうしろっていうんだあああ」
 アルコリアのパートナーの魔道書ナコト・オールドワン(なこと・おーるどわん)は、ハンカチを噛み千切る。
 「……つぁんだ、あの小娘、マイロードの寵愛を、ぐぎぎぎっ!
  劣等種のクセに生意気ですわーっ!
  しかも、お出かけイベントのクリエイティブなマルチエンディングを
  全遷移確認するとは!
  普通、一個だけしか見れないのがこういうイベントでしょう! 許せませんわ!
  これが地祇とは違う人気種族の力ですわーっ!」
 「ぎゃああああああああああああああああああああ」
 ブリザードを食らってつぁんだはぶっ飛ばされる。
 「うぐぐ、魔道書は弱くなんてありませんわ。
  50レベル台で魔法攻撃特化しても、この程度の威力ですわよ、どうせ!
  ……充分?
  マイロードは、必殺技で4桁ダメージだしますわよ、シーマのが役立つ仕様ですわよ!
  八つ当たりくらいよろしいでしょう!?」
 「や、やつあたりで死ぬ!」
 「早く……帰りたい……」
 つぁんだとヴァーナーと陽太を一角獣の角で復活させつつ、
 アルコリアのパートナーの機晶姫シーマ・スプレイグ(しーま・すぷれいぐ)は言う。

 宇都宮 祥子(うつのみや・さちこ)は、
 しゃんばらだいこうやに言う。
 「友達がアイドルデビューするっていうんで、近くにいたんだしせっかくだから観て行ってやって。
  もし気に入ったら応援してやってもらえるとうれしいわね。
  それに多分、いかないと、アルコリアの『お願い』が
  あなたたちにもされちゃうと思うのよね」
 「アイドルコンサート?
  いったい、なんのつもりなのだ」
 「暴れていた私がいうのもなんですが、争いは不毛なものです。
  とりあえず亜璃珠の歌と踊りでも観ませんか?
  彼女、あれでもパラ実の分校の校長なのよね。
  シャーマンというかシャーマニズムには巫女的なモノが必要だと思うんですが彼女どうです?」
 崩城 亜璃珠(くずしろ・ありす)を祥子は巫女に推薦する。
 「なんだかよくわからないが、
  つぁんだと違って4桁ダメージ何回も食らって生きていられる気はしないので、
  行ってやるのである」
 「よし、じゃあ、【魔法少女えむぴぃサッチー】、しゃんばらだいこうやを
  崩城亜璃珠コンサートに連行よ!」
 「こ、こら、なぜ手錠をする!
  やめないか!」
 
 こうして、シャンバラ大荒野の真ん中で、コンサートが始まった。
 「みんなー、きょうは私のデビューコンサートに来てくれてありがとー」
 亜璃珠は観衆に愛嬌を振りまく。
 (あーなにこれ、ナリュキとかアル子に無理やり連れてこられてやってくれば、
  地祇の戦争とか何よ。
  私超関係ないじゃない。
  参加の動機付けとか超ないじゃない。
  だいたい、アイドルってなんなのよ。
  ファンクラブってなんなのよ。
  ファンクラブって言ったら踏まれて喜ぶような人間の集まりじゃないの。
  なにこれ納得行かない……だるい、かえりたい……。
  とはいえ、恥だけかいて帰るのも癪な部分はあるし、
  マルチタレント崩城亜璃珠の実力を思い知らせてあげようじゃない)
  無理やりアイドルにさせられて、
  内心ぼやきまくる亜璃珠だが、アイドルとしての姿勢は意地でも貫くのであった。
 「今の時代は歌って戦える魔法少女アイドルが一番ですねっ」
 桐生 ひな(きりゅう・ひな)は、桐生 円(きりゅう・まどか)とともに桐生プロとして、
 亜璃珠をアイドルプロデュースしているのであった。
 (この年で魔法少女って……)
 円の用意した、
 赤色基調でロングスカートで沢山のフリルのついた華やかな衣装に、
 シルクのグローブなどをつけて上品さをアピールし、
 さらに、十字架系の小物を胸元やチョーカーに沢山つけて
 バラの花を模した頭飾りという、魔法少女な衣装を着せられて、
 かわいらしいピンクのギターを持たされた亜璃珠は毒づきつつもプロ意識で歌い踊る。
 ひなのパートナーで亜璃珠を無理やり連れてきた一人の
 アリスのナリュキ・オジョカン(なりゅき・おじょかん)は、ピンク色のお揃い衣装で亜璃珠にくっつく。
 青い衣装のひな、紫の衣装のアルコリアとともに、緑色の衣装の円がステージに上がる。
 「なんだかきまくくんが大人しくされていて、簡単に誘導できたんだよね」
 「なにがあったんでしょー。そんなことより、今はステージに集中するのです!」
 ひなとアルコリアと円は、バックコーラスをする。
 「貴女の事を想うとー
  胸の鼓動がざわめくー
  本当は傍に居て
  共に戦い抜きたいが
  今は気持ち胸に仕舞ったー♪」
 「ちょっと、ひなくん、マイク独占するなよ。1本しかないんだから」
 「ここは私がメイン張るべきでしょ」
 「円もあるもーもうるさいのですっ。
  特に円はカスタネットぽてんぽてんしてればよいのですよー」
 「なんだとー!
  ひなくんはボクの後ろで踊ってればいいんだー!」
 「あー、もう、後ろがうるさい……」
 「にゅふふ、ありすとアリスの妾でダブルありすなのじゃよー」
 「ちょっ、ナリュキ、演奏中に抱きついたり胸揉むんじゃないわよっ」
 「観客へのパフォーマンスを兼ねてるのじゃよ?
  さあ、もっとノリノリで魔法少女のパートナー的なお供っ子ポジションの
  妾とじゃれあうがよいのじゃっ」
 (くっ、こんな醜態……!
  とっとと終わらせるのが賢明よね。
  ひらにぃに接触して説得するとか言ってたから、
  早くやっちゃいましょう)
 亜璃珠は、観客席にいたひらにぃに接触する。
 「戦争なんかして、あなたが傷付けば私も悲しいわ。
  ヒラニプラの守り神ならやっぱりそこにいるのが一番よ」
 (なにこれしにたい)
 ひらにぃは、亜璃珠の髪型に注目する。
 「ドリル、スキ」
 「は?」
 「オマエ、スキ」
 「……」
 祥子のパートナーの魔道書同人誌 静かな秘め事(どうじんし・しずかなひめごと)は、
 亜璃珠の写真を取りまくる。
 「きゃー! ありすちゃーーん!!
  ファンクラブとしては
  デビューコンサートが平和をよびかけるものだなんて素敵すぎて涙が出ますわ!
  ふふふ、沢山撮って流通させなくちゃいけませんわね〜」
 静かな秘め事は写真をひらにぃに渡す。
 「ほら、髪型がドリルでしょう?」
 「ドリル、スキ」
 「ありすちゃんの写真をシャンバラ中に流通させなくては!
  まずは、地祇の皆さんのいるヒラニプラ、キマク、ツァンダ、ザンスカールからですわね」
 (く、黒歴史を消せない記憶にされてしまう……)
 亜璃珠はげんなりする。
 アルコリアのパートナーのハーフフェアリー樂紗坂 眞綾(らくしゃさか・まあや)は、
 観客席で盛り上げる。
 「ありすちゃんはかわいい〜、
  ありすちゃんはびじん〜、
  ありすちゃんはうたがうま〜い。
  える・お〜・ぶい・い〜、らぶりぃ〜ありすぅ〜」
 さらに、眞綾は寿司を食べはじめた。
 「にほんすたいるで、おすしをたべながらおうえんだよ〜」
 「うわーい! 生のアリスちゃんだ!
  握手してください! サインしてください!」
 円のパートナーの英霊ミネルバ・ヴァーリイ(みねるば・う゛ぁーりい)は、
 百合園でポスターを配り、ファンを集めていた。
 結果として、マニアックなファンのおおきなお友達が来てしまっていたのだった。
 「あれぇーおっきなおにいさんがいっぱい集まってきたよ?
  まぁいいや一緒に応援だー!
  L・O・V・E! らぶらぶありす!
  L・O・V・E! らぶりーありす!」
 ミネルバは応援する。
 (ああ、冷やかしに来てる奴らブチ殺してえ)
 亜璃珠は思う。
 「らんとうもひつようらしいから、まぁやらんぼうはにがてだけどがんばるっ。
  ありすふぁんくらぶのかいちょーだもんっ」
 日本酒の一升瓶を眞綾は振り回す。
 「ぎゃー」
 「わー」
 「ミーの前で戦闘とか負けてられないざんす!」
 観客席のざんすかは乱闘に参加する。
 「あぅあぅ、あたまぐるぐるするぅ〜」
 眞綾は、戦闘用ドリルを振りかざしてステージに突撃する。
 「……アリス、スキ。アリス、コロス」
 「ああ、もう、皆死ねばいい」
 シーマはブチ切れて、暗黒ギロチンを持ち、
 ホッケーマスクを被り、
 メモリープロジェクターから般若の面とスク水のスキンヘッドビルダーを多数投影して
 周囲に恐怖を与える。
 「むむっ、ここは仕上げに分銅の出番なのですよー。
  今回は特別にドリル型の分銅にしてみましたっ」
 「え? おい、ひなくん、まさか今回も……」
 「当然、円も私も巻き込んで潰れちゃうのですっ!
  分銅ですし仕方ないのですよ?」
 曲の歌い終わりとともに、ステージにドリル型の分銅が振ってくる。
 「次回公演もお楽しみにですよー……むぎゅっ」
 「え、何、分銅って、私、アイドルじゃなかったの……ぎゅむ」
 「べったりくっついてるから分銅でづばーんされても安心にゃ、にひひ……ぎょにゃ」
 「亜璃珠かわいいよ、リアルツンデレ絶滅危惧種……ぎゅにゅ」
 「なんてことだ、カオスにようこそ、ふひひひ……ぎゅにゃっ」
 「アリス、スキ、アリス、コロス……ぐにゃ」
 「……全部、まっ平らにすれば、帰っていいよな? にゅぎゃ」
 「ふふふ、マイロードと一緒にぺったんこに……わたくしの勝ちですわっ……ぎゅみょ」
 「え、なんで、私、ステージの上に巻き込まれて……むぎゃ」
 ひなと亜璃珠とナリュキと円とアルコリアと眞綾とシーマとナコトと祥子は、
 ぺったんこになった。
 
 「はいはーい、あとはおねぃさんにお任せぇ〜」
 円のパートナーの吸血鬼オリヴィア・レベンクロン(おりう゛ぃあ・れべんくろん)は、
 ぺらぺらになった亜璃珠達を、
 ハンディスキャナーで読み取って、ありす中心にグッズを作りはじめた。
 「ほーら、ドリルな髪型のアリスのついたドリルよおー」
 「オマエ、スキ」
 オリヴィアにドリルを渡されて、ひらにぃは言う。
 「きまくちゃんは刃物を持つと狂戦士になるらしいですねぇー。
  理論的にかつ、
  逆に考えましょう。
  アリスの応援ぐっづを持たせればアリスのファンになるんじゃないかしら」
 きまくは、オリヴィアにうちわを渡される。
 「えるおーぶいいー、らぶりー、ありす、だよー」
 うちわを持ったきまくは、亜璃珠の熱狂的ファンになった。
 「しゃんばらだいこうやさん、これは戦争じゃないわよー、
  アイドルコンサートなのよ?
  観光名所にもできるわよ?」
 「そんなこと言われてもなのだよ……」
 オリヴィアにTシャツを渡されて、しゃんばらだいこうやは困る。
 「よーし、記念につぶれたみんなを看板に貼りつけるぞー。
  いろんなポーズにして貼りつけて遊ぶぞー!
  波紋なポーズだー!
  鶴のぽーずだー、エジプトの壁画だー!」
 「きゃー、素敵ですわー!」
 ミネルバが亜璃珠達を看板に貼りつけ、静かな秘め事はその様子を撮影する。
 
 その様子を見ていた、ソラは言う。
 「くっ、皆で協力してアイドルコンサートを実行するなんて!
  覚えてなさいよ!」
 「まってください、姉様」
 ソラとミファは、ヒーローショーの悪役っぽく退場する。
 
 「えーと、とりあえずみんな、仲良くありすファンになったってことでいいのか?」
 「き、きっとそうですよ! じゃないと、話がまとまらないじゃないですか!」
 「俺様もご主人の言うとおりだと思うぜ!
  いくらなんでも、これ以上混乱したらどーにもなんねーからなっ!」
 「ふむ、わらわも【魔法少女スカーレット★カナタ】として参加すればよかったかもしれぬな」
 「みんなくっついて、仲よしになったのです? 分銅ハグなのですね!」
 「そ、そうですよ、師匠! 分銅ハグです!」
 ケイとソアとベアとカナタとヴァーナーと陽太は言う。