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あなたはどうしてロリオ

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あなたはどうしてロリオ

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第6章 それが愛だから

「屋敷にいるロリオとジュエリンって、ロミオとジュリエットに似たような名前だね、まったく関係ないみたいだけど。あの物語は悲しい結末だったね。2人は幸せな結末になったらいいな・・・。そうだ!2人の本を書いてみよう。彼氏の方は拒否されそうだから彼女の方に許可をもらうかな」
 五月葉 終夏(さつきば・おりが)はロリオとジュエリンの本を書くために、まずジュエリンに許可をもらおうと探す。
「あ、ジュエリン。今、ちょっといいかな?」
「何ですの?私は今ロリオを探しているところですのよ」
「そんなに時間はとらせないよ。ロリオとジュエリンの本を書きたんだけど、それにはまず本人の同意を得なきゃいけないからね」
「―・・・CERO・A以上のR指定に入らなければいいですわ」
「後、出来ればジュエリンからロリオに許可をもらっておいてくれないかな」
「一応話してみますわ」
 許可を与えるとジュエリンは再び婚約者を探し始める。
「うん、ありがとう!」
 さっそく書いてみようと終夏はメモ帳をペンを取り出して書き始める。



「いつまでも逃げてちゃ、解決しないわよ!」
 ロリオを説得しようと小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)が追いかける。
「あれ、どこに行ったのかしら・・・」
 すぐに見失ってしまい、きょろきょろと辺りを見回す。
 その頃、東雲 秋日子(しののめ・あきひこ)たちがロリオを見つけて追いかけている。
 男の子を無理やり着せ替えさせるなんて面白そうと、大はしゃぎでジュエリンに協力しているのだ。
 奈月 真尋(なつき・まひろ)の方は魔道書ではないと分かると、鬼のような形相で追いかけ回す。
「婚約者の願いも叶えられへんなんて、みったぐねぇ男ですね。はよぅお縄につきんしゃい!」
「そんな趣味に引き込まれたくありません!」
 クレイジーガールたちに捕まってたまるかとロリオは屋敷の外へ逃げ出す。
「露天風呂でのんびりしていれば、服着たまま入ってくる人たちがいるだとい・・・ここは温泉だぞ!」
 天然温泉の脱衣所のところで武神 牙竜(たけがみ・がりゅう)が立ちはだかる。
 -ナレーション-
 入浴中の男A、全裸バージョン武神 牙竜が現れた。
「服を着たまま入るつもりか?」
「いえ、入りません。通るだけですから」
「スルーするつもりかっ。通るなら脱いでからいけ、ここは混浴だ!」
 混浴かどうかも分からない温泉を混浴なんだと言い、温泉の扉の前で通さん!と立ちはだかっている。
「確かロリオとか言ったな。ここは混浴の露天風呂だぞ」
「オレもいるんだけど」
 さりげなく陣が自分の存在を主張する。
「当然マナーとして服を脱がないといけないが・・・逆にここにいる間は服を着なくて済む理由ができるぞ」
「いろいろと放送事故にならんか、それ」
「まぁ、俺はそろそろ出るから、後はがんばれ!」
 陣の言葉をスルーして脱衣所で牙竜は着替え始める。
「ここですかぁあっ!」
 バンッと無遠慮に真尋が扉を開ける。
「温泉に入りに来たのか?―・・・何だ、じろじろ見て・・・」
 まだ上着だけしか消えていない牙竜は、股間にあるアームストロング砲級のモノを真尋にじっと見られてしまう。
「―・・・〜っ、三次元男・・・よくも粗末なモノをこの私に見せましたね。成敗しちゃる〜っ!」
 脱衣所のカゴをひっつかみ、牙竜のモノへ目掛けて思いっきり投げつける。
「くほぁああっ!?よ、よくも大事なところを・・・っ」
 -ナレーション-
 入浴中の男A、牙竜は三次元男ハンターA真尋から痛恨の一撃をくらわせられた。
 大事なモンを破壊されかかり、ソレに800のダメージをくらい力尽きた。
「あぁ、ロリオ待ちんしゃぁあいっ」
 牙竜を空気のように放置し、ロリオを追いかける。
「俺の話を聞きなさいっ」
 リュース・ティアーレ(りゅーす・てぃあーれ)は彼女たちと合流し、ジュエリンの婚約者を追いかける。
「止まってくれないなら仕方ないですね」
 -ナレーション-
 ナマハゲ・リュースが即天去私で威嚇する。
「ロリオさん、恋人が喜ぶなら着ていいとおもいますよ!」
「オレの体格に全然合わないじゃないですか」
「筋肉?ハッ、オレはこの身長で魔法少女だろうがメイドだろうが、花魁だろうがミニスカサンタだろうがチャイナドレスだろうが着ましたよ」
「(まっとうな神経を持っているのに、女装とか嫌だよね。そっち系じゃないだろうし、平気じゃないならなおさらだよ)」
 騒ぎに巻き込まれた陽風 紗紗(はるかぜ・さしゃ)が心の中で呟く。
「(喜ぶなら着てやれって・・・それもどうなのかな)」
「止まらないなら多少の掠り傷は覚悟してもらいますよ」
「そうそう、怪我しないうちにね」
 リュースの言葉に秋日子はうんうんと同意するように頷く。
「(ジュエリンに協力している恐ろしい人たちに追いかけられている。それはまるで魔物のようだ・・・と)」
 その様子を観察しながら終夏がメモに書き止める。
「着替えちゃえば?死ぬ訳じゃないんだしさーっ!」
 婚約者のジュエリンのいうことを聞くように紗紗が呼びかける。
「邪魔しないでください、陣さん!」
「悪いけど嫌がる相手に、無理に着せるのはどうかと思ってなっ」
 陣はパワーブレスで強化し、リュースに向かってバットをブゥンッと振るう。
「蜂の巣になっても文句言わないでねっ」 
 -ナレーション-
 秋日子の攻撃、短筒で雨の日無能の陣に向かって撃つ。
 ズガァアンッ。
 “へっ、それくらい焼け落としてやるっつーの!”
 陣のカウンター、炎の聖霊で銃弾をガードされた。
 “かかってきなっ”
 ナマハゲ・リュースたちを挑発する。
「あくまでも邪魔をするなら仕方ありませんねっ」
 -ナレーション-
 リュースの行動選択。
 ズタボロにする。
 逃げる。
 武器を破壊する。
 “邪魔なバットを折らせてもらいますよ!”
 ゴキャァアッ。
 等活地獄の体術で蹴り折ってバットを粉砕する。
 真尋の行動選択。
 敵の三次元男を倒す。
 逃げる。
 敵の三次元男を倒すを選択・・・。
 敵の三次元男を倒すを選択・・・・・・。
 敵の三次元男を倒すを選択・・・・・・・・・。
 “地面に這いつくばりなさいっ”
 サイコキネシスで服をひっぱられ、陣の身体を地面へ叩きつける。
 暴言プラス攻撃で陣は150のダメージをくらう。
 “んのぉおっ!”
 陣の行動選択。
 戦う。
 逃げる。
 魔法。
 陣は魔法を選択し、ファイアストームの焔でナマハゲ・リュースたちをふっ飛ばす。
 “はーっははは!どうやっ”
 まるで悪役のような高笑いをする。
 “くぅ、まさか陣さんにやられるとは・・・思いませんでした・・・。―・・・。”
 “むぅー・・・短筒じゃ、撃つまでに時間かかっちゃうかぁ・・・。”
 “三次元男ごときに負けるなんてっ!”
 紗紗の行動選択。
 戦う。
 逃げる。
 状況を放棄する。
 紗紗は状況を放棄するを選択し、3人を憐憫の眼差しで見下ろす。



「ジュエリンから逃がしてあげようか?これなら上から着てごまかせるんじゃないか」
 スレヴィ・ユシライネン(すれう゛ぃ・ゆしらいねん)はロリオをジュエリンから助けようと葦原の侍風の衣装を渡す。
「少しの間だけでも逃げられそうですね」
「んじゃこれを」
 上半分くらい頭が隠れる笠を渡し、輪郭をごまかせるようにつけ髭と刀の代わりに木刀を渡した。
「なぁ、ジュエリンが嫌いなのか?もし好きならコスプレくらい付き合ったらいいのにさ」
「―・・・親同士が決めたことですからね。今はちょっとよく分からないです」
「うーん、難しい問題だな・・・。ていうか、逃げるから追いかけてくるんじゃないか」
「逃げなきゃ着せ替えさせられてしまいますって」
 そんなことをしたら餌食になると、首をふるふると左右に振る。
「あぁそうか。うーん・・・それならジュリエンにも何か着てもらったら?逆にジュリエンに着て欲しい服を持って、相手に迫ってみたらどうだ」
「いえ、オレは着せ替えさせる趣味はないですよ」
「そこはちょっと恥ずかしい服をチョイスしてさ。そこで相手が恥らったらアンタの勝ちだ、一気に脱がせて着せ替えてしまえ」
「だから着せ替えの趣味は・・・」
「なんか上手く話しがまとまらないな。だったら着せ替えなくてもいいから、これを着れば着せ替えさせられてもいいって言うんだ。そうじゃないなら絶対に着ないって言えば、もう着せ替えさせられる心配はないだろ?」
「確かに一理ありますね」
「だろ?ものは試しだ。実行してみろ、ほら来たぞ」
 凄まじい勢いで追ってきたジュエリンへ視線を移す。
「やっと追いつきましたわ、さぁこれを着るんです」
「いやです、絶対に!だったらジュエリンがそれを着てみてくださいよ。先に着たら考えます」
「うっ、私は・・・着せるのが趣味であって、着るのは趣味ではありませんわ」
「オレだって趣味じゃないですよ」
「(着せ替え、それはジュエリンからの愛の表現。しかし彼女は着せ替えられるのは好きじゃない)」
 終夏はその様子を柱の傍から見てメモする。
「着てみますか?着るんですか?着るんですよね?」
「うぅ・・・。そうですわ、こうすればいいんです」
 -ナレーション-
 ジュエリンの行動選択。
 寝たふりをする。
 逃げる。
 第三者に押しつける。
 ジュエリンは第三者に押しつけるを選択した。
 “え、オレ!?”
 まさかの展開に陣は混乱してしまう。
 “まっ、まじで?ぎゃぁああっ”
 ジュエリンの企みによって陣は服を脱がされ、F1レーサーの格好にさせられてしまった。
 心身ともに疲れ果てた陣は2000のダメージをくらい、力尽きた。
「ねぇ、待ってよ。本人の話をちゃんと聞いてあげなきゃ」
「うーん・・・」
「だからあなたも逃げずにちゃんとジュエリンと向き合いなさい」
 美羽たちはリビングへ行き、コハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)にティセラブレンドティーをいれてもらう。
「あの・・・・・・とりあえず一杯いかがですか?落ち着きますよ」
「いただきますわ」
「よろしければスコーンもどうぞ」
 お皿に乗せて3人に差し出す。
「ありがとうございます・・・」
「いろんな愛の形があるけど、うーん・・・あまり強要しちゃうのも可哀想よ?」
「でも、これが私の愛し方ですのよ!」
「ジュエリンが着るというのであれば考えますけどね。じゃなかったら絶対に着ませんから」
「えぇえーっ、酷いわロリオ・・・」
「片方だけ強要しちゃうのはちょっとね。じゃあロリオはジュエリンが着れば着るのね?」
「えぇそうですね」
「お待たせーっ!あれ?なんかもう解決しちゃった感じかな」
 衣装をブランドメーカーに頼んで作ってもらい持ってきたミルディアだったが、すでに問題解決の方向に進んでいる。
「もう、頼んで作ってもらってここまでくるのに。その時間を計算していなかったんですね」
 真奈はふぅと深いため息をつく。
「ご、ごめんね。あぁでも、服はとりあえず屋敷に置いていくから!」
 服を衣装部屋へ置いておくことにした。
「念写出来ないですね」
 真尋はソートグラフィーで使い女装ロリオの写真をジュエリンに提供しようとおもったが、念写することが出来ない。
 その頃、着てきた服が無いと一部の生徒たちが騒ぎ始めた。
 マッシュや真の服が、楓によって焼き芋と一緒に焼かれてしまったのだ。
「くすっ・・・・・・それ、とっても似合ってるわよ。そのままお帰りなさいな。服は後日返せばいいじゃないの」
 枝で芋をつつきながら黒い笑みを浮かべる。
「ひ、酷いよぉお」 
「この格好で学校に?ふっ・・・ふふふっ」
 元の服を失った真の心はもう砕け散る寸前だ。
 そしてその後、ロリオはジュエリンに着せ替えれたとか、着せ替えられていないとか・・・。
 なんともいえない空気を漂わせる本を終夏が書き、曖昧な幕閉じとなった。

担当マスターより

▼担当マスター

按条境一

▼マスターコメント

バトルと着せ替えファッションショーがミックスしたようになりましたね。

一部の方に称号をお送りさせていただきました。
それではまた次回、別のシナリオでお会いできる日を楽しみにお待ちしております。