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リアクション
●新星墜つ!!
「無礼者!」
「“ノイエ・シュテルン”の精鋭が総掛かりでも、たかが吟遊詩人1人拉致できないとは……」
「クレーメック様!?」
クレーメック・ジーベック(くれーめっく・じーべっく)のラスターハンドガン二丁拳銃から放たれる光条の軌跡は、ラナ・リゼット(らな・りぜっと)の翼の剣の前に、某「また、つまらぬ物を斬ってしまった」が口癖の剣豪のように、ことごとく斬られていった。
島津 ヴァルナ(しまづ・う゛ぁるな)や島本 優子(しまもと・ゆうこ)、三田 麗子(みた・れいこ)は、クレーメックとラナ・リゼットの激しい攻防の中に入ってゆけず、ただただその推移を見守るだけだった。
「この身は魔鎧に堕ちようとも、元ヴァイシャリーの騎士。女性を拉致しようとする不埒な輩には負けません」
「あなたの方こそ何も分かっていないようだな。きょぬー娘にビキニアーマーは似合わないという真理を!」
「な、なんですって!?」
「ビキニアーマーはこの世で最も美しく気高い甲冑である、このことは私も認めるところだ。しかし、Dカップ以上のきょぬー娘には似合わないのだよ。私は偉大なるマイン・フューラーの絶対意志からもたらされた至高の真理に従い、劣等民族たる美緒のきょぬーから光輝に満ちたアーリア民族の裔たるラナ・リゼット、あなたを救い出すために、美緒とのパートナー契約を破棄させようとあなたを拉致しようとしたのだ」
恍惚とした表情で紡がれるクレーメックの意外な言葉に、ラナ・リゼットは攻撃の手を止め、翼の剣を構えたまま話を聞く姿勢を取った。
「さあ、思い出しなさい。古き良き80年代の象徴たるビキニアーマーを身に纏い、凛々しく舞った女戦士達を! レダの戦士、リバースの剣士、ラメール一族の女戦士、銀の勇者、ヴァリスの戦士……彼女達のバストはいずれもB+からCの間に収まり、Dカップ以上は皆無。ビキニアーマー戦士即ちきょぬー娘という誤ったイメージは、実は21世紀に入ってから誕生したもの、本来のビキニアーマー系美少女戦士の系譜から道を外れた、邪道に過ぎません!」
「ああ、なんて素晴らしい事なのかしら! 古き良き80年代の象徴たる女戦士たちの未成熟な肉体を包んだビキニアーマー! ラピス・ブルーの神秘の輝き<レダの戦士の鎧>、聖なる黄金の甲冑<ヴァリス・スーツ>、<リバースの剣士>の幼きカラダを包み込む真紅の鎧……そして、ラナ、あなたにもビキニアーマーの歴史に燦然と光り輝く存在となる素質が宿っているのよ!」
ヴァルナと優子がクレーメックの言葉を後押しする。
「そんなことございませんわ。わたくしはラナお姉様の事大好きですもの」
「美緒!?」
そこへ総司に助けられた美緒が、彼にお姫様だっこされて現れた。本当はレロシャンがそうしたかったのだが、15cm近い身長差では如何ともしがたかったのだ。
なお、先程踏み乳が出来なかった分、お姫様だっこしながら美緒のきょぬーを堪能したのは言うまでもない。
「……もう少しだったものを。やむを得ん、彼女が愚かで、忌まわしく、穢れに満ちた存在であり、美緒との契約を維持し続ける事が、ラナ自身にとって全く無益であるばかりか、その素晴らしい素質を台無しにしてしまう愚挙である事を証明してみせる。麗子よ!」「ひゅ〜ほほほほほッ!!」
「ト言ウカ、アナタ達ノ名前、元ネタの声優ノ苗字+元ネタノ名前デスヨネ? ツマリアナタ達自身ガ80年代ノ象徴デスカラ、アナタ達全員実年齢ハ3ン歳ト、本当ハカナリサバヲ読ンデイルトイウ事デスヨネ?」
「!?」
クレーメックが麗子に指示を出し、彼女が高笑いと共にラナ・リゼットに向かって一歩歩み寄ると、ロドペンサ島洞窟の精 まりー(ろどぺんさとうどうくつのせい・まりー)が意外なツッコミを絶妙のタイミングで入れてきた。
「確かに私の魔鎧のデザインは、デザインした者の趣味で80年代のものに近いビキニアーマーだと思います。ですが、纏っているのは美緒です。温故知新という諺のように、ビキニアーマーも古き良き時代を踏襲しつつ、時代の移り変わりと共に、纏う者と共に進化していくべきではないでしょうか?」
「きょぬーだからこそ栄えるビキニアーマーもあるということだ。美緒のビキニアーマーは完全には見せないが、露出過多なのが良いと思うぜ」
「私なんか百合園の食堂に行くたび見ちゃうので、食事どころじゃないですし!」
言葉を失ったクレーメック達にラナ・リゼットと総司、レロシャンはそう言うと、その場を去っていった。
クレーメック達はお互いを見合わせ、後を追う事が出来なかった。
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