イルミンスール魔法学校へ

シャンバラ教導団

校長室

百合園女学院へ

結成、ガーディアンナイツ!

リアクション公開中!

結成、ガーディアンナイツ!

リアクション

 屋敷に残った人質たちを助けるチャーリーチーム(エンリル、光太郎、エヴァルト、ロートラウト、デーゲンハルト、弐識 太郎(にしき・たろう)橘 恭司(たちばな・きょうじ))は、商人に化けたエンリル、光太郎、エヴァルトたちが敵を油断させ、かく乱し、その隙に橘恭司が人質たちを救い出す作戦だ。
 外に出された人質たちがそれぞれ東と西に向かい、アルファとブラボーふたつのチームのメンバーたちもそれを追っていった。
 チャーリーチームは建物の影に隠れ、チャンスを覗う。
 と、ガートルードとウィッカーと国頭が何人かの部下を連れて屋敷を出て行くのが見えた。彼女たちは西へ向かうようだ。
 さらに屋敷の中から出てきたサルヴァトーレとヴィトがどこかへと消える。
「どうやら人が減ったようだ」
 それを見た弐識太郎は皆に言った。
 無骨そうな彼はパラ実生であり、波羅蜜多ツナギを着用している。
 弐識は相手の仲間を装い、商人のフリをした3人を連れていく役目だ。
「それなら今がチャンスです。行きましょう」
 そう言うのは顔に傷痕のある男・橘恭司。
 作戦通りに忍び込むため、光学迷彩でその姿を消す。
 そしてチャーリーチームは動き出した。
「なんだおまえ?」
 屋敷の前までくると見張りの男が見慣れぬ弐識の姿を見てそう聞いた。
 弐識は動じずに答える。
「……ここの人質の警備に当たるように言われてきたんだ」
 ミスターカメレオンの部下であるこの見張りは、ガートルードが連れてきた奴らのひとりだろうと思い弐識の言葉を疑わなかった。
「そうか――で、その後ろの奴らは?」
「こいつらはさっき町に来た商人らしい」
「なに?」
 見張りの男はそういうと商人に化けている4人を眺める。
 そしてひとりずつに質問していく。
「おまえはなんだ?」
「私はこの商隊のリーダーでして」
 そう言ってニコニコとした笑顔を浮かべるのはエンリル。
「ふむっ、ではおまえは何を持ってる?」
「これは皆さんに英気を養ってもらうための酒でござる」
「そうか」
 男は頷くと光太郎が持っていた箱の中から酒の入った瓶を一本奪い取る。
「で、おまえ達2人が持ってるのはなんだ? ずいぶんと大きな箱だな? 何が入ってる?」
「ああっ、これは――」
 そう聞かれたエヴァルトは一瞬言葉に詰まった。
 だが、パートナーのデーゲンハルトが素早くフォローに入る。
「これは武器だ。実は我らはコレの密売が主な仕事でな――お主たちには今後ともごひいき願いたいと思い、見本がわりにと思って持参のだよ」
「なるほど死の商人か――噂を聞きつけてわざわざこんな町に俺たちを訊ねてきたってわけか」
 見張りはデーゲンハルトの言葉を聞いてそうつぶやくと、屋敷の扉を開けた。
「入れ、武器は中に適当に置いておけ。そうしたらすぐに出て行けよ」
 そしてそう言いながら酒瓶のフタをあけて、中身を飲み始める。
「……すまない」
 弐識はそういうと中に入っていく。
 それに続いてエヴァルトとデーゲンハルト、そして光学迷彩で姿を消した恭司も中へ。 エンリルと光太郎は外にいる見張りたちに酒を勧める。
「人質たちの見張りの交代できた。人質たちのいる部屋はどこだ?」
 弐識は中に入ると近くにいた男にそう尋ねる。そして人質たちのいる部屋を教えてもらい、そこへと向かった。
 恭司はそんな弐識の後をつける。
 エヴァルトとデーゲンハルトもそのままついていこうとするが、男に呼び止められた。
「おまえらどこに行く? それはそこら辺に置いとけばいい」
「――もういいよな?」
「そうだな、エヴァルト」
「おい、おまえら何をコソコソと話してるんだ?」
 男はそう言ってエヴァルトの肩を掴み、自分の方へと振り向かせた。
 と、次の瞬間――男のボディに強烈な拳の一撃が突き刺さる。
 その男は苦悶の声を上げて、その場に崩れ落ちた。
「てめぇ!?」
 それを見ていた他の男が銃を発砲。銃声が屋敷に響き渡った。
「ロートラウト! 出番だッ!」
 エヴァルトは木箱の中に隠れているパートナーにそう呼びかける。
 すると木箱を派手に破壊して、ロートラウトが姿を現した。
「よーしっ! 今日は遠慮なく大暴れするからね!」
 そういうとロートラウトは背部に取り付けられた加速ブースターの出力を上げていく。「機晶石エンジン、フルドライブ! 出力全開! ツッコミはNG!」
 と、ロートラウトは掛け声を上げて敵に突っ込んでいった。
「なんだぁっ!?」
 突然屋敷の中から銃声が聞こえ、外で警備をしていた男たちは驚いた。
「はじまったようでござるな」
「そうみたいだな」
 エンリルと光太郎はそう言って頷き合うと、酒を飲んで油断していた男たちを次々と気絶させていく。
「て、てめぇら! 商人じゃなかったのか!?」
 先ほど色々と質問をしていた男はエンリルたちに向かってそう言った。
「そう言うこった」
「残念ながら拙者たちは”ガーディアンナイツ”でござるよ」
 光太郎はそういうと雅刀の峰打ちで男を気絶させた。そして光条兵器・鋼線で気絶したものたちを縛り上げる。
「任務完了でござる」
 エヴァルトたちが内部で暴れている間に人質の救出に向かう弐識と恭司。
 人質たちの部屋の前まで来ると、そこには見張りの姿。
「俺が奴の注意を引きつける。その間におまえが後ろから近づいて気絶させてくれ」
 そういうのは弐識。
「……わかりました。まかせてください」
 弐識の言葉に頷いて答えるのは恭司。
 二人はお互いに言葉を交わすと行動を開始した。
「おい、大変だ! ガーディアンナイツがせめてきたぞ!」
 弐識はそう言って見張りに近づく。
「なにっ、本当か!? じゃあこの騒ぎは――!」
「ああ、そうだ。屋敷の中に侵入した奴らが暴れてる」
「ほっ、ほんとかよ? ううっ、ということはココにも来るんだろう?」
「まあ、そうだろうな」
「やっぱりそうだよな。ああ、負けるとわかってて戦いたくねぇよ」
「……安心してください。いま戦わなくても大丈夫なようにしてあげますから」
 と、姿を消して見張りの後ろに近づいていた恭司が耳元でそう囁く。
「えっ――!?」
 男は突然の出来事にマヌケな声を上げる。
 と、次の瞬間。
 男は首筋に衝撃を感じると、白目を剥いてその場に倒れてしまった。
「ふむっ、いい腕だ。なかなか腕が立つようだな。今度ぜひ手合わせを願いたいところだ」
「ありがとうございます。さあ、先ほど屋敷を出て行った人達が帰ってくる前に人質になっている人たちを解放しましょう」
 そう言うと恭司は扉をあけて人質たちの元へ向かう。
 突然やってきたふたりに人質たちは驚くが、恭司がみんなを安心させる。
 そして弐識と恭司は協力して人質たちを脱出させていった。
 こうしてチャーリーチームを人質を助け出すことに成功した。

 人質を助けた各チームは互いに連絡を取り合い、人質の救出成功を伝える。そして人質たちをまずは安全なところに非難させることにした。
 そして人質を救出したガーディアンナイツの面々が行動に移ろうとしたその時。
 サンドタウンの外から町を揺るがすほどの爆音が響いてきた。