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【十二の星の華】悪夢の住む館

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【十二の星の華】悪夢の住む館

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第8章 出口と決意(前編)

「――隠し扉を何とか開けた先には、小さな部屋があって。中はピカピカ光ってて――たぶん魔術装置で。その部屋で、中心に置いてあった装置に触れてからの記憶はないの」

「たっ――大変だっ!」

 ガシャっと即席の大テーブルが揺れ、ティーカップ達が硬質な抗議の声をあげる。
 そんなものは耳に入らないと、コレット・パームラズ(これっと・ぱーむらず)はテティスに駆け寄った。
「テティスさん大変だっ! オヤブンが大変だっ!」
「『親分大変だっ』?」
「ち・が・く・てっ! 大変なのはオヤブンっ! それと、彼方さんっ!」
「彼方っ!? 彼方が? なんで?」
 カシャンと、再びカップの悲鳴が上がった。
「これ、『ハンドヘルドコンピューター』。携帯電話みたいに手軽に使えるコンピューターよ。今、オヤブンのと――中継で鳴動館と繋がってるのっ!」
 コンピューターは、悲鳴と怒号、轟音混じりに地響きを立てて動き始める鳴動館の、少々荒っぽい映像を伝えていた。