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続々・悪意の仮面

リアクション公開中!

続々・悪意の仮面
続々・悪意の仮面 続々・悪意の仮面

リアクション

 「あなたの相手は私です、緑の機晶姫さん!」
 「あなたも同属!?なら負けません!」

去っていく未散を見つけ、同じく追いかけようとした瑞樹の前にシグルーンが立ち塞がりライフルを連射する。
【機械翼】で上空に回避し【六連ミサイルポッド】を放つが、すべて【ヘッドバルカン】で迎撃された。
【迷彩塗装】で隠れようとするも飛行ユニットを狙うシグルーンの【レールカノン】や
レイカの空中の援護でタイミングがつかめず、気がつくと瑠奈から引き離されている事に気がつく。

 「すごいね、機晶姫同志の戦闘って言うのは」

弾幕に加減の無い瑞樹とシグルーンの戦いに朱里は圧倒される。
だがこのままだとお互い弾薬が尽きるはず……それは当の本人達も自覚していて、決着の機会を伺っているようだ。
見たところ、遠慮の無いシグルーンの方が先に弾が尽きる可能性が高い。

 「ガチの勝負なら別にいいんだけどね、喧嘩や戦いではないからさ!」

そういって、朱里は近くの大きな瓦礫を掴みあげる。
目的は瑞樹達の仮面の破壊なのだ。
援護や介入に遠慮など無用……意を決して瓦礫を勢い良く投げつけた。

 「え?瓦礫!?危な……っ!」

不意の予測してなかった攻撃をギリギリでかわす瑞樹。
自らの弾が少ないのを悟り、攻撃を魔法に切り替え、朱里に【ライトニングブラスト】を放とうとする。
……が、意識がそちらに行きすぎて、レイカの奇襲に気がつかなかった。

 「……え?うそっ!?」
 「これで!決めるっ!!」

瑞樹の背後から零距離のレイカの【雷術】が炸裂する!
放とうとしていた【ライトニングブラスト】と融合し膨大な電流が瑞樹の動きを封じた。
揚力を失った彼女の真下に、にシグルーンが突っ込んでくる!
弾薬の尽きた余分なパーツをパージし、エネルギーを拳に込めて跳躍する!

 「メタファー1、いきまぁすっっ!!」

シグルーンの拳が瑞樹の仮面を砕く光景を目に納めながら、
零距離で放った【雷術】の反動で放り出されていたレイカは、その身を朱里に受け止められていた。
束の間の戦友の無事を確認し、困ったように朱里がレイカに呟いた。

 「まったく、あんな無茶な戦い方したら、自分が壊れちゃうよ…?」
 「……アイドル相手にあそこまでやりきる、あの機晶姫さんよりは加減してますよ」

朱里にお姫様抱っこされながら微笑んで言い返す、そんあレイカの言葉を傍らで聞きながら
シグルーンは改めて今闘った同属の女の子の素性を知り、青ざめるのだった。

 「え……!?アイドルだったなんて……聞いてないですよマスター!」



一方、当のマスターである七緒と瑠奈の戦闘は続いていた。

仮面で配下になっているカノコとエフの攻撃はクロセルとシエルが防いでいるので
現状は七緒とルクシィ、そしてシエルの【リカバリ】により回復した輝の三人で瑠奈の相手をしている形だ。

しかし、そんな彼等の戦いより傍らのカノコ達の戦闘が賑やかでしょうがない。

 「ちょ!女の子相手に容赦が無いなんてヒーローが泣くて!」
 「いえいえ!世の中、男女平等じゃなければいけませんよ、ねぇ?」
 「キャハハハハハ」
 「そこは笑どころでないっちゅ〜ねん!」

良くそこまで喋りながら闘えるのかと関心しそうな位の舌戦を聞きながら
瑠奈はルクシィの矢を回避しようと相手と距離を取りながら場所を移動していく。
だが七緒が【超感覚】で瑠奈の動きに対応しながら追撃をし【高周波ブレード】で応戦する!

 「あ〜も〜!しつこいのにゃぁ!」

痺れをきらせた瑠奈が【ミラージュ】で自分の幻影を展開させる。
本来は回避用のスキルだが、複数の影が一斉に七緒に襲い掛かった!

 「流石は獣人、素早いな……だが…!」
 「ふふふ!逃がさないですよ〜!」

幻影を回避して移動する七緒。ルクシィの矢でいくつかの幻影はかき消されていく
残った幻影の影から接近した瑠奈が、七緒に【しびれ粉】を浴びせるのと
それを見ていたシエルが【我は射す光の閃刃】を放つのが同時だった。
瞬間的に全ての人間の視界が光の輝きに包まれる中、勝利を確信した声が響いた。

 「もらったにゃ〜!」

【殺気看破】を駆使し、視界を塞がれた中で七緒めがけて瑠奈が跳躍する!

 「【ブラインドナイブス】で一気に……にゃにゃ!?」

だが、急接近した対象をようやく視界に納めた時、自らの失態を知る事になる。

もう少し早めに気づくべきだったのだ。
<なぜカノコを相手にしていた筈のシエルが七緒のサポートをできたのか?>

 「あわわわわわわ、ナニコレ体がぁ〜?」

目の前に現れた対象
【しびれ粉】で行動不能になっていたのはカノコとエフだった。

高速で追撃を回避しながら巧妙に七緒はカノコの側に近づいていたのである。
その動きで陽動を悟ったシエルの目くらましだった訳で……。

その動揺の隙をついて続けて引き続きシエルからから【サンダーブラスト】が放たれる
カノコ達もろとも電撃で動きを封じられる瑠奈。

 「少々手荒だが……許せ…!」
 「今必殺のっ!【面打ち】ぃぃぃぃ!」

瑠奈めがけて七緒が!
カノコとエフめがけてクロセルが跳躍した!

 「え?ちょっと!?そんなぁ!?」

その容赦の無い殺気全開の攻撃に、本能で瑠奈が助けを求める。
流石に、戦っていたとはいえそこまで全力はヤバイだろう……と。

しかしその視線の先…彼女のマスターである輝は

 「………後でみっちりお説教です」

……そう言って七緒達に【怒りの歌】を歌うのだった。

 「ぎにゃああああああああああ!」
 「ぎゃあああああああああああ!」
 「キャハハハハハハハハハ!」

かくして輝の歌で強化された七緒の体当たりとクロセルの【面打ち】が瑠奈達に炸裂。
宙を高らかに舞う中、カノコとエフの仮面が特撮ナパームの様な爆発もろとも砕け散り

瑠奈の方も素早く七緒の【ワイヤークロー】が拘束し、面を剥ぎ取る。そして……。

 「ルクシィ!!」
 「これが、例の仮面…でもこれでサヨナラです」

七緒の空中高く投げ上げた仮面をルクシィの矢が貫いた



 「しかし…なんであの仮面着けたのよこの二人…」

数分後、容赦ない攻撃でのびきっている瑠奈・瑞樹・カノコ・エフらを
【リカバリ】で回復させながらシエルがぼやいていた。
傍らでそれを眺めながら輝が答える。

 「襲っていたのはライバルのアイドルばかりだったそうだよ。
  そんなことしたら逆に846プロの評判悪くなっちゃうってのにね」

そこまで言って、溜息とともに輝は朱里とレイカが消えた先を眺めた。
二人ともすぐに衿栖を追いかけに行ったのだ。行き先は未散とハルの所である。

 「未散さんもまた仮面に巻き込まれるなんて…ややこしくならなければいいけど。あとは……」

ここにいる仲間の中でも一番仮面に縁のある未散達ともう一人の仲間を輝は案じるのだった。

 「セリカさんか…乙川さんが止めるって言っていたけど。大丈夫かな…?」