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リアクション
第七章 最終決戦
「どこ……どこ、ここは何処なの? なんで誰もいないの?」
堂島 結は一人、彷徨い続けていた。
時々爆発音や悲鳴が聞こえる。
しかし、急いでその場所に駆けつけてみても誰も人はいない。
ただ、チョコレートの塊があるだけ。
パートナーの仁科 美桜の姿も見えない。
「誰か……誰か、いないの……!」
結は歩き続ける。
たった一人で。
※ ※ ※
「……拍子抜けするほど、簡単だったわね」
病照間島の港。
はぐれ魔導書『不滅の雷』はそこに立っていた。
「いよいよ、ですね。ボートの上で、お姉様と二人っきり……」
「どうやらまだそうもいかないみたい。アユナ」
「はい!」
構えるアユナ・レッケス。
その鉈に、竹槍がめり込む。
「ミリィイイイイイっ!」
それは、最初の邂逅と全く同じ。
アユナの持つ鉈に、フラット・クライベルの持つ竹槍が交差したのだ。
「また会ったね。おねーさん」
ミリー・朱沈とアシェルタ・ビアジーニが姿を現す。
「チョコの匂いが酷いわね。あなたたち……何人殺したの?」
「今まで食べたチョコの数なんて覚えてる?」
フラットの竹槍が閃く。
アユナの鉈が応戦する。
飛んできた竹槍を、アユナは手で受け止める。
めりめり、とアユナの手の中で竹が崩れる。
「くっ」
フラットが竹槍を手放す前に、アユナは竹槍を引いた。
「あ、わっ」
バランスを崩したフラットの眉間に、アユナの鉈がめり込む。
ぐしゃり、とフラットの顔が潰れる。
「あぐぁああああ!」
「いい子ね、アユナ……あら」
戦いを見ていた不滅の書の眼前に、竹槍が迫る。
ひらりと身を翻し、竹槍を避ける不滅の書。
「お暇なら、私が相手しますわよ」
「仕方ない子ねえ」
鉈を持ち、アシェルタに向き直る不滅の書。
「お姉様! 私もすぐお手伝いいたします!」
「おっと、おねーさんの相手はボクだよ」
アユナの前に、ミリーが立つ。
しかし、ミリーはあくまでも普通の人間だった。
片や、アユナはヤンデレ。
「ちょろいです!」
ミリーの頭が割れた。
「ミリィイイイイっ!!」
アシェルタの悲鳴が響く。
「ミリー、ミリー、ミリー!」
アシェルタは闇雲に竹槍を振り回す。
その竹槍が、がしりと不滅の書の手で受け止められた。
「ごめんなさいねぇ。私も、ヤンデレなの」
不滅の書の手の中で、めりりと竹が変形していく。
「アユナと、幸せになるわ……」
不滅の書は、鉈を振り上げた。
何度も何度も。
アシェルタだったものが原形が分からない程のチョコレートの欠片になった時、やっと不滅の書の攻撃は終わった。
「終わった、かしら」
「ああ、やっと……やっと、お姉様と……」
「アユナ……あら」
寄り添う不滅の書とアユナの元へ、ふらふらと近づいてくるひとつの人影。
「空気の読めない人ですね。行ってきます」
人影に向かって走っていくアユナ。
その姿が、斜めに半分になった。
「え?」
「シュウ……シュウ……シュウ。シュウに近づく女は、許せない!」
既に原形も分からない。
高月 玄秀の生首だったチョコを抱えたティアン・メイが、チョコレートに濡れた鉈を構えていた。
「あ……アユナああああああっ!」
鉈を構えてティアンの元へ走る、不滅の書。
しかし、ミリーたちの流したチョコレートに足を取られ、バランスを崩す。
「シュウ……私が、守ってあげる!」
ティアンの鉈が、不滅の書の首を跳ねた。
「ほら、シュウ、ボートよ……」
生チョコ首をボートに向けるティアン。
「え、そんな、容赦ないなんて……酷い。んっ……いいの、もっと、言って……」
生チョコ首を抱きしめて、熱い息を吐く。
「あんっ、素敵……シュウ。いつまでも、いつまでも一緒。さ、行きましょう」
ティアンがボートに一歩踏み出した時。
どん。
水無月 睡蓮と霧島 玖朔の乗る車が、ティアンを跳ね飛ばした。
ミリー・朱沈:死亡
フラット・クライベル:死亡
アシェルタ・ビアジーニ:死亡
はぐれ魔導書『不滅の雷』:死亡
アユナ・レッケス」:死亡
ティアン・メイ:死亡
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