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荒野のピストルランチ!

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荒野のピストルランチ!

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 ヤンの所へ乗り込んで来たアラン・クライブの双方。

「誰アルか?」
「誰なんて言って良いのか? 俺たちはわざわざ、わざわざっ例のアレ持ってきてやったんだぜ?」
「そうですよ。小さな子供ではここまで来れませんからね。代わりに来てあげましたよ」

 麻薬の苗をちらりと見せるクライブ。

「あの兄弟は使えないネ。さぁ、新型麻薬の苗を渡しナ!」
「そう言われて、はいそうですかと渡したりしますか?」
「ありえないだろ。止まれと言って止まるバカがいないのと同じさ」
「そうですよね」

 くすくすと笑うアラン、笑いを堪え切れないと言った表情のクライブにヤンがイラつく。

「裏切りモノの傭兵にしても、貴様らしにても、このワタシをここまでコケにして良いと思ってるノカ!?」
「別にコケになんてしていませんよ。ただランチの時のお仕置きをしにきたついで、ですから」
「ランチなんて知らないネ!」

 ヤンの合図で隣の部屋からノノンの身代わりとなっていたレティシアが、部下の持つナイフを首に当てられた状態で出てくる。

「新型麻薬の苗と小娘の命、交換といこうじゃナイカ」
「断る」
「な、なぜダ!?」
「と、言ったらどうします?」

 クライブの台詞を引き継いでアランがそう言う。

「いい加減にワタシを馬鹿にするのはやめるネ!」

 見下した様子の二人にヤンは、ついに堪忍袋の緒が切れたと言った風に部下へ目配せをする。

「う……」

 レティシアの首から薄らと血が流れる。

「しょうがないですね」
「そうだな」

 二人がそう言ってヤンの方へ歩いて行く。

「待て!! 苗なら俺だって持ってる!」

 ガチャリと音がしてダッドリーとバーニィ、そしてここまで兄弟を守っていた大吾とラグナ、楓が入ってくる。

「またアルか!?」
「なぜ、ダッドリー兄弟がここに……」
「ふん……そんなことはどうでもイイ。おい、新型麻薬の苗ちゃんとあるんだろうネ?」
「籠ごとちゃんとここに」

 苗が入った籠をヤンの方へ見せるダッドリー。

「小さい方、お前がここまで持ってこイ」
「これを渡せばノノンはちゃんと返してくれるんだよね?」
「もちろん。ちゃんと返すサ」
「……分かった」

 苗が入った籠をヤンの前まで持っていくバーニィ。

「ここに置けばノノンを本当に返してくれる?」
「しつこいアル。返すと言ったら返すサ」

 そっと苗を入れた籠を床に置くと、ヤンはにやりと笑い隠し持っていた銃をバーニィに撃って来る。

「死ネ!!」
「……させるか」

 今まで狂血の黒影爪の能力でバーニィの影に潜んでいた佑也は、影の中から鉄のフラワシとカタクリズムを放ちバーニィへ飛んで来た銃弾を全て叩き落した。

「ナニ!?」



ガッシャーン!!



 影からの守護、佑也の存在に驚いていると、ヤンの部屋の外に身を隠していた葛城 吹雪(かつらぎ・ふぶき)がレティシアの首に当てていたナイフを狙撃。続いて自身も窓を突き破って侵入してくる。
 華麗に着地すると、カウボーイハットを指で上げながらニヤリと笑う吹雪。

「またせたな!!」