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蒼空ヒーロー大戦・魔法少女DX!!

リアクション公開中!

蒼空ヒーロー大戦・魔法少女DX!!
蒼空ヒーロー大戦・魔法少女DX!! 蒼空ヒーロー大戦・魔法少女DX!!

リアクション

 
 
そして華やかな演奏が終わり、荘厳な音楽と共にステージは次に展開する

芦原 郁乃(あはら・いくの)達、戦闘員5人と登場から戦闘を繰り広げながら現れたのは【蒼空騎士・フロンティア】
続く戦いで見る側が疲れない適度に計算された時間で大殺陣を終わらせ
戦闘員達は派手に散って退場していく

入れ替わりに現れたのはルカルカ・ルー(るかるか・るー)扮する【暗黒騎士ルカ】だった

 「何故だ……お前の剣を見ていると私の胸がざわめく……私を惑わすお前は何者だ!」
 「………答えは戦いの中にある
  だが一つだけ決められている事は、お前を止められるのは私だけという事実、だから俺の剣に迷いは無い」
 「うるさい!消えろ……きえろっ!」

【冥府の瘴気】を纏い【分身の術】で一気に攻める【暗黒騎士ルカ】
だがその攻撃の収束点を見切り【ブレイドガード】で防御する【蒼空騎士・フロンティア】
そのまま騎士にしては強大な剣で連激を繰り出す!それを同じ強大な剣で捌く暗黒騎士

 「……その剣は光条剣のはずだ……それに闇の力を乗せているのか、そこまで闇に落ちるのか?」
 「黙れ、正義の無力さに絶望した私にはこの力しかなかった!今更光など求めてどうなる!」

咆えながら激しい剣戟を繰り出す【暗黒騎士ルカ】それに応戦する蒼空騎士
やや意地の張り合いにも見える攻防に、応援していた者も息を呑む
だがしばらく続いた攻防も暗黒騎士の一手により止まる

 「その忌々しい姿を砕いてやる!【鏖殺水晶】の力よ!」

至近距離で発動させた【鏖殺水晶】の波動をかわそうと蒼空騎士のかざした手が石と化す
その隙を見逃さず剣を振りかざして踊り出る【暗黒騎士ルカ】
激しい音と共に両者がすれ違う!!


……そしてしばらくの静寂の後、膝を突いたのは暗黒騎士であった
手から剣を落とし、その目に疑問の色をたたえ、左腕が石化した蒼空騎士の方を向く
彼の手に握られていた剣が光っていた……その光はおなじ光条剣である

 「馬鹿な……その剣は……いや、そんな、ありえない……そんなわけがないっ!」

絶叫と共に取り乱した彼女が、佇む蒼空騎士に襲い掛かろうとしたそのとき


 「そこまでだ!闇に落ちた戦士よ!」

不意の凛とした声に驚き、その手が止まる
見上げた舞台上空に一人の戦士が佇んでいた
……観客が見守る中、彼マグナ・ジ・アース(まぐな・じあーす)が名乗りを上げる

 「大地の戦士、推参!!【暗黒騎士ルカ】よ、お前が戦う相手は彼じゃない
  もう判っているはずだ……その仮面の騎士が何者かという事実をな」

彼【大地の戦士】の言葉に呼応するように蒼空騎士の仮面が割れる
初めて晒された素顔に会場が沸き立つ、何故ならその顔は蒼空学園を知っている者なら誰もが知る顔だから
彼の名は山葉 涼司(やまは・りょうじ)……もちろん役の上ではその名は伏せている事になるが

(まぁ……それでも生徒なら持ってる剣を見ればわかるんですけどね?)
舞台袖で彼のみが持ちうる、証でもある【梟雄剣ヴァルザドーン】を見て火村 加夜(ひむら・かや)が笑う

 「何故!?あなたは確かに【オリュンポス】との戦いで命を落としたはず!……私の目の前で!」

驚きに声が震えながら言葉を紡ぐ【暗黒騎士ルカ】
そんな彼女に【大地の戦士】が語り始める

 「確かに彼は君との戦いで命を落とした
  だが彼の力を惜しむ想いと、彼の正義の信念が世界と契約をさせ、英霊騎士として生まれ変わらせたのだ」
 「世界の望みで生まれ変わり、力を得た私は人が望む限り、すぐに駆けつける力を得た
  だが代償として一つの時間、そして一つの世界に留まる事を許されなくなったんだ
  故にこの顔を仮面で隠し、この世界の正義の為に戦う事を誓った」

彼女に歩み寄りながら、話を受ぎ語る蒼空の騎士

 「だが私は後悔はしていなかった……唯、ひとつだけを覗い
  それはかつて共に戦った君が、その無念ゆえに闇の騎士と化した事……だからそれを止めにきた
  もう止めるんだルカ……闇に身を落とし人を傷つける姿は君には似合わない」
 「無理よ……すでにこの身は闇の全てに侵されている
  人の身で無い事は同じでもあなたと私はもう相容れない、共には歩めない」

顔を伏せる暗黒騎士の手を取り、かつて共に戦った騎士は優しく話しかける

 「勘違いするな。忌むべきは悪であり闇ではない
  光と闇は共に無くてはならない存在なんだ……闇に潜む悪意に惑わされない限り、君は自分を責めることはない
  だから………」


 「くだらない茶番は辞めてもらおうか?」

突如舞台上から聞こえた声に全員が目を向ける
そこには最後の幹部の生き残り山下 孝虎(やました・たかとら)扮する【行動隊長・虎鬼】がいた

その声を聞きつけたかのように舞台上に【ライトニング・フェニキア】他、先程戦っていたヒーローが姿をあらわす

 「俺以外の仲間を倒したことは褒めてやる、だが残念だが遅かったようだな
  【魔聖剣カリバーン】の封印は解かれた!悲しみと絶望、無念のエネルギーを全て吸収してなぁ!」
 「馬鹿な!悪党は全て倒したはずだ!この会場のどこにもそんなマイナスなエネルギーは無い!なぜ!」
 「誰も会場の者だけとは言ってない、負ければ誰にでもある感情であろう?そんなものは」

【パラミティール・ネクサー】ことエヴァルト・マルトリッツ(えう゛ぁると・まるとりっつ)の問いに悠然と答える【虎鬼】
その言葉の真意に気づき松本 恵(まつもと・めぐむ)扮する【ブレイズガード】が声をあげる

 「まさか仲間の!……僕達の倒した幹部のそれを吸収したって言うのか!?なんて事を!」
 「要は結果が全てなのだ!それに偉大なる目的に利用されて奴らも光栄だろうよ
  さぁ【魔聖剣カリバーン】よ!その偉大なる力を我が身に!正義を一掃する絶対の力を俺に!」
 『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!』

目の前に【魔聖剣カリバーン】を突き立てる
変形してる聖剣勇者 カリバーン(せいけんゆうしゃ・かりばーん)が雄たけびを上げる
刹那【虎鬼】の姿が見る見る巨大化していくのであった(本当は【鬼神力】と3Dプロジェクターの演出)

 『絶望の力を思い知れぇぇぇぇぇぇぇ!』

【巨大虎鬼】の豪腕がうなり、会場を凪ぐ……その衝撃で戦士全員が吹っ飛ばされ膝をつく

 「なんて力だ!それにあんな大きさじゃ技もかけられねぇ!」
 「諦めるな!その心がある限り勝機はある!」

起き上がりながら結城 奈津(ゆうき・なつ)の【バーニングドラゴン】が苦悶の声を漏らす
それを励ます【蒼空騎士・フロンティア】
だが容赦なく第2の攻撃が迫った時、その攻撃は止められた……その強大な拳を受け止めながら
【大地の戦士】ことマグナ・ジ・アース(まぐな・じあーす)が呼びかける

 「聞くんだ!全ての力の源はあの【魔聖剣カリバーン】
  だがアレは元は伝説の聖剣!長きに渡って戦の闇の感情を取り込んだだけなのだ
  あの剣を浄化し、みなの力を注ぎ込めば逆転の力になる!何としても取り戻すんだ!」
 『片手を受け止めた位で攻撃を防いだと思うなよ!』

空いているもう片方の手が【大地の戦士】の横をかすめ
【ウルトラニャンコ】こと超 娘子(うるとら・にゃんこ)達の目の前に迫る!!
だが、その攻撃は【暗黒騎士ルカ】によって阻まれた

 『貴様……やはり裏切るのか!?』
 「でぇぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

拳からの波動を受け止める彼女の甲冑にひびが入り衣装がボロボロになっていく
だがその刹那、咆えんばかりの叫び声を挙げる彼女の体が輝き、別の衣装に身を包ませた
その衝撃で【虎鬼】がよろけた隙を狙い、戦士たちの攻撃が炸裂する

 「その姿は【魔砲少女セーラールカ】!?何故!?」

驚く【魔法少女プリズム★ラブ】ことラブ・リトル(らぶ・りとる)の言葉に彼女は答える

 「………私が勝機を作るわ
  闇に身を染めた私ならあの剣の闇を引き受ける事ができる、浄化したそれで奴を倒せ!」
 「だが、その姿は光の力!それを具現した姿であの剣に触れると只ではすまないぞ!」
 「時間がない!……私はもう負けて大事なものを手放したくはない!早く!!」

【フロンティア】の言葉に必死の言葉で返す【魔砲少女セーラールカ】
言葉と共に【大地の戦士】に協力を促す……その眼差しの決意を汲み彼は答えた

 「判った、私がチャンスを作る……その隙にあの剣を!」
 『さっきから虫けらが何を話し合っている!消えろぉぉぉぉぉ!!』

再び【巨大虎鬼】の攻撃が繰り出されようとする中
その隙をねらって【大地の戦士】の力が爆発する!!

 「その力、大地に還せ!…【リミットブレイク】!!」

【大地の戦士】の必殺技が炸裂!単騎でも強力な攻撃にバランスを崩す【巨大虎鬼】
その隙を狙い跳躍した【魔砲少女セーラールカ】が台座につきたてられた【魔聖剣カリバーン】に手を伸ばす
両手でそれに触れた刹那、黒い電撃がその身を包む

 「く……この絶望……悲しみ……全て私が……引き受けるッッッ!!」

叫び声と共に渾身の力で【魔聖剣カリバーン】を引く抜く【魔砲少女】

 「みんな!これをっ!!」
 『貴様!何をする……それをかえせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』

ステージ下にいる【フロンティア】に剣を投げるのと、彼女に強大な手が伸びるのが同時
だが少し早く彼女の真の力を取り戻した【ブライドオブブレイド】がその攻撃を迎え撃つ
激しい衝撃と光の奔流の中、彼女の体に黒い稲妻が帯電していた!
そのことに気がつき【フロンティア】が彼女に呼びかける

 「止めるんだ!今の君にその光の力は強すぎる!内と外から焼かれるぞ!」
 「私の事はいい!早くっ……早くその剣を!!」

 「ルカ…………………うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

彼女の決意を悟り……歯を喰いしばって受け取った【魔聖剣カリバーン】を天上に掲げる【フロンティア】
それを見た【大地の戦士】が全員に呼びかける!

 「今こそ!みなの力を一つにするんだ!その正義の光を力に変えて!あの剣の元に一つに束ねる!」


 「みなさん!今こそもう一度!みなさんの力をヒーロー達に貸してあげてください!」
 「今迄で一番大きな声で!精一杯の声でがんばれっておうえんするよ!」

舞台両脇から火村 加夜(ひむら・かや)小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)が客席に声をかける
すでに他の司会全員も客席に降りて応援の用意をしている
それぞれがお互いに顔を見合わせて頷き、一斉に声をだす

 「「「せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇのっ!!」」」
 『がんばれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』
  
客席の応援の声とともに
そして舞台のほかのヒーロー達がかざした手から光が溢れ【魔聖剣カリバーン】に集まっていく
星屑のような輝きを宿しすでに【聖剣】の力を取り戻したそれを【蒼空騎士・フロンティア】は振りかざす
全員の声が一つとなり、それは閃光の輝きを持って振り下ろされる!

 『『いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』』

正視が出来ないほどの光が舞台を照らし【巨大虎鬼】の絶叫が響き渡る

 『ば、ばかなぁぁぁぁぁぁ!ぐあああああああああああああああ!!』
 
断末魔の絶叫と共に戦いは終わり、勝利を確信する司会火村 加夜(ひむら・かや)の言葉が響き渡る

 「会場のみんな!ヒーロー達に大きな拍手っ!!」


直後、大きな熱狂的な子ども達の歓声と拍手に会場が包まれた