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立ち上がれ、僕らのヒーロー!!

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第五章 決めろ、クライマックス!!

 他のヒーロー達が悪の秘密結社オリュンポスと戦闘している間、

「わ、わ、わ」
 さゆみはスカイソードを振り抜いた際、脇から襲って来た狼に驚き、スカイソードを手放して防御態勢を取ってしまった。当然、イエローとしての演技である。

「あ、スカイソード!?」

 スカイソードの柄の部分をくわえて狼は、離れた場所へと放り投げた。

『さぁ、どうするのかしら。もう戦える武器は無いわよ』

「……むっ」

 追い詰められるさゆみ。
 乱入者との戦闘が終わり戻って来たカンナの緊迫する音楽がいっそう場を盛り上げる。

「スカイソードを失ったイエロー、大ピンチですわ。果たして魔女カルベラに勝つことができるかしら」
「まだまだ負けないよ。みんな応援して、負けるなイエロー!!」
 すっかり司会者が板に付いてきたアデリーヌと元気が衰えない春美。

「イエロー、しっかり!」
「反撃だよ!」
 ノーンと沙織が熱くさゆみを応援する。
「頑張って」
 ローズは応援の声を上げてショーであることをアピールする。

「……ドジっ娘だからって舐めてたら痛い目に遭うんだからね!!」

『ほぅ、武器も無しに妾にどう立ち向かうと言うのかしらね』

 武器の心配は無用だった。

「イエロー、スカイソードを受け取れ!!」

 自分達の戦いが終わり、ピンチを迎えるさゆみの助けに駆けつけたヴァル。

「レッド!! ありがとう」
 投げられたスカイソードを見事にキャッチし、アドリブにもうまく対応するさゆみ。

「イエローのピンチにレッドとブルーが登場!! ここから反撃ですわ」
 危機迫る音楽から一転して一気に盛り上がる音楽、アデリーヌの司会。

「狼達は僕達が相手をします。先に杖を狙い、攻撃手段を封じて下さい」
 キリカは分析家ブルーを演じる。

「了解!!」
 さゆみはスカイソードを構え、

「私に力を! 響け、スカイワールドの願いと心よ!!」

 『震える魂』と『怒りの歌』で攻撃力を上昇させるさゆみ。
 ここからが見せ場。起死回生の反撃こそショーの醍醐味。

「食らえ、スカイクラッシュ!!!」

 勢いよく杖とカルベラに斬りつけた。攻撃力が上昇した氷結攻撃によって杖とカルベラを粉砕した。

『わ、妾はや、破れぬぅぅぅぅぅ』

 カルベラは金切り声を上げながら消えた。

「正義は必ず勝つ」
 スカイソードを格好良く構え、勝利のポーズ。

「レッド、残るはレオング将軍だけです。僕達も加勢に行きましょう」
 キリカは、より凶暴になったレオング将軍と孤高に戦うエヴァルトの方に顔を向けた。
 倒すべき強い怪人は舞台にいるレオング将軍だけ。ちなみにモジャルは屋上の隅に避難している。
 
「あぁ、行くぞ。目障りな雑魚戦闘員はぶち抜くぞ!!」
 ヴァルを先頭にキリカ、さゆみと続いて舞台へと駆け出した。
 その道々、多くの雑魚戦闘員が襲って来るもヴァルの『捕らわれざる者』によって雑魚戦闘員達は彼らに触れることなく散っていった。