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立ち上がれ、僕らのヒーロー!!

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立ち上がれ、僕らのヒーロー!!

リアクション

 デパート内。
 突然の侵入者達に大混乱の店内。逃げ惑う人々で混雑し中には人の波に埋もれて怪我をする者もいた。

「うわぁぁん」
 逃げる人にぶつかり少年が転んでしまった。怪我自体は膝をすりむいただけだが、それ以上に危険なものが背後に迫っていた。

「トーイちゃん!!」
 少年の母親らしき女性がとっさに抱きしめた。
 迫り来る怪人達の雑魚戦闘員。

 助からないと思われた瞬間、

 刃で切り裂く音とむなしげに叫ぶ声が響いた。
「……大丈夫ですか?」
 親子の前に手を差し出して立っていたのは非不未予異無亡病 近遠(ひふみよいむなや・このとお)だった。
 隣には雑魚戦闘員を倒したイグナ・スプリント(いぐな・すぷりんと)がいた。
「……あ、ありがとうございます」
 母親は近遠に助けられながら立ち上がり、小さな息子を抱きかかえた。

「……何かおかしい」
 実際に雑魚戦闘員の相手をしたイグナは違和感を感じていた。確かに手応えらしきものは感じたが、どこか現実味が無い。
「楽しいお買い物に来ていたはずですのに」
 ユーリカ・アスゲージ(ゆーりか・あすげーじ)は周りに溢れる雑魚戦闘員や眼帯をした魚人を見回しながら言った。

「……何か来ていると思うのでございます」
 周りに散り散りになっていた雑魚戦闘員達が自分達の方に来ていることを察し、アルティア・シールアム(あるてぃあ・しーるあむ)はみんなを急かした。

「どこか安全な場所に逃げましょう」
 近遠は近くの避難者達にも声をかけ、動き始めた。
「殿は引き受けよう」
 客達を三人に任せ、イグナは後ろを守ることに務めた。
 そして、四人と他の客達が辿り着いた先は、通常でも人影の少ない袋小路だった。