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【蒼空ジャンボリー】 春のSSシナリオ

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【蒼空ジャンボリー】 春のSSシナリオ
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リアクション


【しゃんばらようちえん さくらぐみです!】

「――ゼル、ジゼル起きて!!」
「ふぁい? あー、ましゃらかー……」
「ふぁい、じゃないわよ! そろそろ”お迎え”の時間でしょ!
 バス出ちゃうわよ! 早く行きなさいって!!」
 お友達の雅羅・サンダース三世(まさら・さんだーすざさーど)に背中を押されて、ジゼル・パルテノペー(じぜる・ぱるてのぺー)は慌てて外へ出ました。
 外はとってもいい天気。
 雅羅の言っていたバスに乗り込むと、運転席の山葉 涼司(やまは・りょうじ)先生が「遅いぞ」と笑いながら車を発進させます。
 ――て、何で私バスに乗ってるんだっけ。
  そもそもこの服は何?
 ジゼルが言うのはシューズ、ハーフジャージにTシャツ、そしてその上にエプロンというスタイルの事です。
 おやおや、忘れちゃったんですか?
「あ、そだ!」
 ――私は幼稚園の先生なんだった!
 そう、ジゼルは”シャンバラ幼稚園”の新米先生。
 今からお友達をお迎えに行く所なんですよね。
「そうそう、気を引き締めて行かなくちゃね!」
 さあ、楽しい一日の始まりです。園児の皆は元気に待ってるかな?



『ようちえんにいこう』


「皆ー、おはよう! 今日も元気かなー?」
「おはようございますジゼルせんせい!」
 ジゼル先生の元気な声に、同じく元気一杯な声で返したのは椎名真(しいな・まこと)君。
「おはようございます せんせい」
 こちらの可愛い女の子は弁天屋 菊(べんてんや・きく)ちゃん。
「せんしぇいおはよう」
 ちょっとばかり怪うい発音で先生を呼ぶのは夜月 鴉(やづき・からす)君。マイペースな男の子です。
「カーくん、はやく、あたしバスのれない!」
 鴉君を押してバスの階段を上がるのは魏延 文長(ぎえん・ぶんちょう)ちゃん。
 皆ジゼル先生が副担任を務める”サクラ組”のお友達です。
「……あれ? 今朝は四人だけ?」
「いや、皆来る予定のはずだが」
 先生達は心配そうに道を覗き込みました。このバス停には後三人のお友達が待っているはずなのに。
「いたた、いたいよシェスティン!」
「うるさい! おくれてはずかしいおもいをするのは、われなのだぞ!」
 シェスティン・ベルン(しぇすてぃん・べるん)ちゃんが高峰 雫澄(たかみね・なすみ)君の耳を引っ張りながらバス停にやってきました。
 いつも仲良し? の二人を見て苦笑してから、涼司先生は時計に目をやりました。
「ジゼル先生、そろそろ時間に……
「でもまだ一人来てません」
「せんせいまってー!!」
「あー! 来ました園長先生! 良かったねー間に合って」
「ギリギリセーフだな」
「おししょうがおこしてくれたました! あ、おはようございますー」
 丁寧に頭を下げたのはルイ・フリード(るい・ふりーど)君。ちょっぴり朝が苦手な男の子です。
「それじゃあ皆、いってきますしましょうね」
 ジゼル先生の声に、皆嬉しそうな顔で手を上げ「はーい」と答えました。


 涼司先生の運転するバスに揺られながら、園児達は元気よく”バスの歌”を歌います。
 そんな時です。先ほどまで楽しそうに歌っていた文長ちゃんが突然手を挙げました。
「せんせい、きくちゃんがきもちわるそう!」
 ジゼル先生が慌てて駆け寄ると、菊ちゃんは目に涙を溜めて苦しそうにしています。
「あらあら、酔っちゃったか。
 ぶんちゃん、お席変わってあげてくれるかな?」
「はーい」
 文長ちゃんが窓際の席を菊ちゃんに譲ってあげている間に、先生は窓を開けました。
「せんせいありがとう、ぶんちゃんありがとう。
 きくちゃんまどがとじていると、きもちわるくなっちゃうの」
「そうだったねぇ。ごめんね先生気がつかなくって」





 涼司先生が運転するバスが幼稚園につきました。
「菊ちゃん大丈夫? 朝の会は少しお休みする?」
 バスに乗ったいる間に酔ってしまった菊ちゃんも大分顔色が良さそうです。
「ううん、だいじょうぶ――あ、かいせんせいだ!!」
 菊ちゃんはぱっと目を輝かせ、走って行きました。
 そんな菊ちゃんを抱き上げたのは高円寺 海(こうえんじ・かい)先生。
 サクラ組の担任の先生で、菊ちゃんが大好きな先生ですが……今は何だかしかめっつらでジゼル先生を見ています。
「今朝職員室で寝坊しそうになったんだってな」
「ご、ごめんなさい」
「先が思いやられるよ」
「すみません」
 小声でやり取りをしている先生達と園児、サクラ組のお友達は教室に入って行きました。
 今日はどんな事をして、お勉強したり遊んだりするのかな?