リアクション
ミスティ・シューティス 『エントリーナンバー19番、ミスティ・シューティス(みすてぃ・しゅーてぃす)さんです』 シャレード・ムーンに呼ばれて、紳撰組隊服を羽織ったミスティ・シューティスが颯爽と現れた。ダンダラ模様のショートコートは裏地が赤で、肩にケープがつき、長袖の先はガントレットカフスになっている。チェーンで閉じられた胸元はスカーフでふっくらと飾られていた。隊服の下は、ブラウスの上にベスト、タイトスカートにストッキングという事務官のすっきりした出で立ちだ。 「これはまた、なかなかストイックであります」 大洞剛太郎が、今度はちょっと安心してみていられるとほっと一息ついた。 自信に満ちた足取りで、つかつかとミスティ・シューティスが花道を歩いて行った。 「なかなか、きびきびとした動きであるな」 少し感心したように、イグナ・スプリントが言った。 「えー、でもちょっと威圧的ですわ」 あたしはあまり好きではないと、ユーリカ・アスゲージが言う。 「でも、結構すっきりしているでございます」 アルティア・シールアムは、そのきびきびした動きが気に入ったようである。 「狙いは外さない!」 花道の突端に辿り着いたミスティ・シューティスが、右手を拳銃の形にしてバーンと撃つまねをして決めポーズをする。 よし、これでつかみは上々のはず。 少し満足して、ミスティ・シューティスがまた確かな足取りでステージに戻ってきた。 そこで、もう一度銃を撃つポーズをとる。 『あなたの心を、完全ホールド!』 綺麗に決めると、ミスティ・シューティスが満足気にステージを去って行った。 『ミスティ・シューティスさんでした。それでは、ただいまのパフォーマンスはいかがだったでしょうか?』 『ちょっと、パフォーマンスがベタでありましたわ』 シャレード・ムーンに聞かれて、エリシア・ボックが答えた。 『そのベタさがあ、いいんじゃないですかあ』 不動煙が、そこがいいとエリシア・ボックに言った。 |
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