リアクション
エピローグ 落ちこぼれ生徒と植樹活動
「まったく、なんで僕がこんな事……」
落ちこぼれ生徒、フウルの姿は、焼け焦げた森の中にあった。えらく不機嫌な顔をしている。
その手には、植物の苗が。
彼が薬を浴びせモンスター化させた植物は既に倒され、その影響を受けて異常化していた森の木々も、既に元の姿を取り戻していた。
しかし、焼けてしまった木々は元には戻らない。
異変に気付いた者達がすぐさま消火を始めた為、被害はかなり抑えられたようだが、
それでも森の一部は炎に焼かれ、焦土と化していた。
フウルは罰として、焼けてしまった区画の植樹活動を命じられていた。
周囲には、同じように木の苗を植えている大勢の姿もある。
そこには魔法学校の生徒だけでなく、今回の騒動に関わった他の学校の生徒達の姿もある。
「みんなー焼き芋できたよー。一旦休憩しようー」
木を植えている一同へと、声が掛かる。
焼けた区画の隅っこで、落ち葉を使って焼き芋をしている者達がいた。
勿論、消火のための水はしっかりと用意してあり、焚き火の周りには囲いも作ってある。
「焼き芋! 食べる食べるっ!」
これ幸いと駆け出すフウルに、アゾートが杖を突きつけた。
「君はダメ。さっきから殆ど働いてないじゃない」
「えー! いいじゃん別にぃ〜」
反省の色の見えない彼に、アゾートは溜息をつく。
「キミのせいでこんな事になってるんだからね。焼き芋食べてる暇があったら、少しでも多く木を植えて。
あんまりサボってるようなら、先生達に言いつけるよ?」
「うっ……」
フウルは口を噤む。先程、校長を含む大勢の先生達にこっぴどく叱られたばかりである。
もう一度お説教を受けるのは、真っ平ごめんだった。
アゾートは焼き芋を食べている皆の所へ向かう。
楽しそうに談笑しながら焼き芋を食べる一堂を、落ちこぼれの生徒は恨めしい目つきで見送っていた。
「ちくしょう、どいつもこいつも僕を馬鹿にして……いつか、絶っ対に見返してやるからな!
そう叫ぶ少年がアゾート達を見返す日は、果たして来るのであろうか……。
こんにちは、REDです。
この度は私のシナリオに参加していただき、誠にありがとうございます!
『森の支配者、巨大食虫植物』、如何でしたでしょうか?
消火方法からモンスターの対処まで、様々なアクションがあり、楽しみながら執筆させていただきました。
プレイヤーに皆様のお気に召せば幸いです。
今後も機会がありましたら、また参加していただけると嬉しいです!
それでは、失礼いたします。