イルミンスール魔法学校へ

シャンバラ教導団

校長室

百合園女学院へ

酔いどれバトル IN イルミンスール大浴場!

リアクション公開中!

酔いどれバトル IN イルミンスール大浴場!

リアクション

「んっふっふっふ、今よディアーヌ」
「えっ、ボク? 何が今なんですか?」
 常葉樹 紫蘭(ときわぎ・しらん)ディアーヌ・ラベリアーナ(でぃあーぬ・らべりあーな)は無理矢理連れてこられていた。
 それだけではなく今は、自信に満ちあふれた顔で何かを求められ困っていた。
「あ、何か悪いこと考えてる!! ねじゅおねえちゃんに言われてるから止めないとですー」
 パストライミは何か悪巧みを考えているだろう紫蘭に気がつくと、ワインボトルを手に取った。
「紫蘭さん、お酒のみましょう〜!」
 小さい背丈のために、かろうじて中型ワインボトルを全身で抱えて紫蘭に差し出す。
「気が利くわね。ってあら……」
 ワインボトルを受け取りながら紫蘭は目をきょとんとさせた。
「え……あ……」
 パストライミは突然、強い力でハグされ、頬をすりよせる。
「く、くるしいぃですぅ〜」
 どうにかして紫蘭のホールドから逃れようとするが、小さいかつ非力な体では抜け出せない。
 それどころか。
「そうやってじたばたするところも可愛すぎよっ!!」
「きゃー、すりすりするのや〜め〜て〜」
 紫蘭の暴走を加速させているようだった。

「うふふ〜、なんだかかわゆいね〜。わたしぃも混ざってよいかな〜」
「きゃあっ、な、なんですの!?」
 ネーブル・スノーレイン(ねーぶる・すのーれいん)が突然紫蘭を抱きしめた。
 あまりの出来事に紫蘭は慌ててパストライミを離すが、ネーブルは離れなかった。
「ふぎゃっ」
 紫蘭は突然頭をたたかれた。パストライミの体はホールドから解放される。
「心配したとおりね、紫蘭さんが何か企んでると思えば……」
「ねじゅおねえ〜ちゃん」
 パストライミが涙を浮かべながらネージュへと走ってくる。
 ネージュ・フロゥ(ねーじゅ・ふろう)がため息をつきながらパストライミの頭をなでた。

「っく〜あの、えへへ〜いっしょにのみません〜か〜?」
「えっ?」
 紫蘭を離したネーブルはふらふらしながらネージュたちの元へとワインを持ってくる。
 ネージュが突然のことに驚くと、ネーブルは突然涙を目に浮かべた。
「飲んで……のんでくれないんですか……ふぇええええそんなああああ」
 そのまま泣き出してしまった。
 戸惑うネージュとパストライミはお酒をネーブルから受け取った。
「わぁああああい〜ありがろ〜、ほらどんどんお酒あるから飲もうよ〜」
 ネージュたちが飲むのを見届けるとネーブルは喜び、その場を何度も飛び跳ねていた。
「あの、私たち飲むよりお風呂につかる方が良いかな〜って、あはは」
 何度もパストライミと目配りしながらもしどろもどろで、ネージュは断ろうとする。
 が、断るたびに
「ふぇええええ、わ、私嫌われました!?」
 ネーブルは泣き落としもとい、泣き上戸だった。
「じゃ、じゃあ、ネーブルさんも一緒にお風呂入る?」
「ふぇ? お風呂ですか、一緒にですか!?」
 突然ネーブルは笑顔を浮かべるとネージュの手をしっかりと握った。
「ありがろありがろ〜はいりまひょうよ〜。仲良くおふろ〜」
「って、そんない、急がなくても良いんだよ!?」
 そういうと、ネーブルは慌てるネージュとパストライミの手を(無理矢理)引っ張ってお風呂に突っ込んでいった。

「ぐぬぬ……よからぬ邪魔されたわ……ディアーヌ!」
「だ、大丈夫?」
 気を失って床に伏せていた、紫蘭をディアーヌが抱え起こす。
「これを呑みなさい」
「え、うわっがぶ☆△ぬだすの!?」
 紫蘭は床に転がっていたワインボトルの口をディアーヌに突っ込んだ。
 次第にディアーヌの顔、あごからおでこへと真っ赤に染まっていく。
「ふわああ、なんだかぼーっとなって、とと〜?」
 ワインボトルを口から離したディアーヌは立ち上がろうとするが、その足はふらふらとおぼつかない足取りになっていた。
「さあ、そのまま『どーんっ』ですわっ!」
 紫蘭はそんなディアーヌを両手で強くお風呂に突き飛ばした。
「がぼっがぼっ……ふ、ふわああなんだか、熱くなってきましたよ〜」
 ワイン風呂におぼれる、ディアーヌ。
 どうにかワイン風呂にたつと、体を左右にゆっくりゆらぎはじめる。
「よ……酔ったのかな、視界がふらふらするよ〜」
「きゃっ、って、ネージュおねーちゃん!?」
「パストラミちゃん、あたたか〜い……」
 ネージュは顔を真っ赤にしながら、パストラミを正面からハグする。
 すでにこのときネージュの体は顔だけではなく全身が火照っていた。
「あれ、私もなんか……おねえちゃ……んむにゃ」
 パストラミは眠気に襲われ、そのままネージュの胸に頭を預け、目をつぶれていく。
 パストライミが最後にみたときは、ディアーヌが何か粉のようなものをまき散らしていた。

「ぽ……ぽぽ……ぽぽぽぽ〜んっ」
「ふっ、ふっふ……さっ、私も騒ぎに混ざるわよ〜」
 紫蘭は笑いながらネージュたちの元へと走り寄った。
 この紫蘭の企みのおかげで、お風呂はいっそうへべれけ度が増したのだった。