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遊覧帆船の旅を楽しもう!

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遊覧帆船の旅を楽しもう!

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エピローグ


 御神楽 環菜(みかぐら・かんな)は大きな溜め息をついた。
 業務用デスクに読み終えた報告書を置くと、なにやら独り言を漏らし始める。

「海洋生物の襲来を受ける。発見した海賊を取り締まろうとして罠にかかる。海賊に手を割いていて仮面の異形への対処が遅れる」

 簡潔に、試験航海の中で発生した問題をまとめているようである。
 そこには、溜め息をつくのも頷ける大量のアクシデントが並んでいた。
 環菜は改めて大きな溜め息をついて、

「災厄体質の彼女の存在もあるでしょうけど、さすがに襲われすぎだわ。けど……なんだかんだで、一応帰港できたのよね」

 この報告書は、一部の出来事は省略されているようである。
 ただし、乗船していた皆の活躍があり、エスペランサは無事に帰港できた。
 それは揺ぎ無い事実である。
 環菜はふむ、と何やら思案する風の仕草を見せたまま、しばしの時を過ごす。

 ───…………。

 そして思いついたように立ち上がり、彼女が常に手にしている携帯電話をパタンと開く。
 数回プッシュ音を鳴らすと、画面には通話状態を示すアイコンが浮かび上がる。

「私よ。エスペランサの件だけど、試験航海は成功という扱いにしてちょうだい」
「……、……?」
「そうね、まだ安全とは程遠いわ。教導団に助けてもらったところも多かったし。けど、遊覧プランそのものの評判は良かったのよ。発生した問題点については、スタッフの増員とか、今後の運用次第でちゃんと改善できるはずだわ」
「…………、……」
「そうね、一般公開は遅らせるわ……ええ。今後は、そこに漕ぎ着けるのが目標ね。手始めに海洋生物を刺激しにくいルートの選定か、海賊遭遇時のマニュアル作成───いえ、銛で破壊された部位の修復が先かしら? ……とにかく、任せたわよ」
「…………」
「───はいはい。それは仕事が終わってからね……それじゃ、また」

 そこで通話は終了した。
 環菜は開いた時と同じように、携帯電話をパタンと閉じる。
 心なしか、開けた時よりも小気味良い音が鳴った気がした。


担当マスターより

▼担当マスター

菊池五郎

▼マスターコメント

・保坂紫子GM
 皆様初めまして、またおひさしぶりです。保坂紫子です。
 今回のシナリオはいかがでしたでしょうか。皆様の素敵なアクションに、少しでもお返しできていれば幸いです。
 この機会下さった菊池五郎様、並びに共に執筆している水無月へる様この場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。
 また、推敲を重ねておりますが、誤字脱字等がございましたらどうかご容赦願います。
 では、ご縁がございましたらまた会いましょう。


・水無月へるGM
 水無月へるです。
 ここまでお読み頂いた方、およびご参加頂いたプレイヤーの皆様、ありがとうございました!

 今回は初のグループシナリオということで(まだ2作目ですが)、不慣れながらも関わらせて頂きました。
 その結果が、この『遊覧帆船の旅を楽しもう!』となります。いかがでしたでしょうか?
 主に戦闘などに関わる後半を任せてもらったのですが、船という限られた空間でどうやって動きを出すかに苦労しました。
 そんな感じで「まだまだだな」感は否めないわけでありますがっ、例によって(まだ2作目ですが)勢いだけはあると思います!
 ……ちょっとだけ本文の文字を装飾するのにもチャレンジしてみました。気づいてくれたかな……。
 というわけで、次回もがんばりますので、今後ともよろしくお願い致します!