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リアクション
◆ 序 ◆
イルミンスール魔法学校の講堂には、大勢の人間が集まっていた。
みんな大図書室の整理のボランティアとして来ているのだが、その雰囲気は賑やかで、まるで学校祭のようでもある。
「静粛に、静粛に! 大図書室の整理にあたって、エリザベート校長から開会の辞があります!」
職員の言葉に、集まった人々の話し声が静まる。
壇上には備え付けられたマイク。その前に置かれた踏み台に、エリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)がよいしょと昇る。
「イルミンスール魔法学校校長、エリザベート・ワルプルギスですぅ。まず大図書室の整理を手伝いに来てくれたみなに、イルミンスールを代表してお礼をもうしあげるです。ケガやまいごに気をつけて、きょう一日がんばるですぅ!」
拍手の音を満足げに聞いて、エリザベートは台から下りる。
大図書室の内部は迷宮化しており、モンスターも徘徊している、少しだけ危険な場所だ。それだけではない。大図書室の整理は、中の掃除や整理整頓だけでなく、一年間に溜まった忘れもの落しもの、借りたまま返却されない本の回収など、やることがとても多い。
さて、今年の大整理は一体どうなることやら……。
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