イルミンスール魔法学校へ

シャンバラ教導団

校長室

百合園女学院へ

【ですわ!】パラミタ内海に浮かぶ霧の古城

リアクション公開中!

【ですわ!】パラミタ内海に浮かぶ霧の古城
【ですわ!】パラミタ内海に浮かぶ霧の古城 【ですわ!】パラミタ内海に浮かぶ霧の古城

リアクション

「アシッドミスト!」
 月美 芽美(つきみ・めいみ)のハンニバルの戦象の上から、緋柱 陽子(ひばしら・ようこ)が酸の霧を城壁の脆い部分に放つ。
「芽美ちゃん、お願いします」
「あい、お任せよ!」
 芽美は戦象に指示をだし、酸のかかったその部分へと突撃させる。
 大地をも揺るがす頭突きをくらい、城壁に巨大なひび割れが発生する。
「もう一発!」
 戦象を後退させ、助走をつけて再び突撃させる準備。
 その時――
「危ない、陽子ちゃん!」
 飛んできた矢をマスコットのカメになった霧雨 泰宏(きりさめ・やすひろ)が、身を挺して陽子を護った。
 陽子は反動で吹き飛んできた泰宏を抱きとめ、矢を放った敵に【ホワイトアウト】をくらわせた。
「やっちゃん、助かりました」
「いや、はは……私は陽子ちゃん達を護るのが仕事だからね」
 腕と胸の間に挟まれた泰宏は、赤くなった顔を甲羅にひっこめていた。
 そんな彼らの足元では、緋柱 透乃(ひばしら・とうの)が拳を構えていた。
「遠くの敵は陽子ちゃんがやってくれたみたいね。じゃあ、私も頑張らなくちゃ♪」
 武器を手に向かってくる≪アンデットナイト≫。
 倒しても復活するため、城壁を破壊しているうちに徐々にその数は増えていった。
 気づけば、通路埋め尽くすような数になっている。
「よ〜し、一気に片づけるよ」
 圧倒的な数にも関わらず、透乃は臆することなかった。
 体制を低いし、深緑の目は眼前の敵を見据えた。
「――!」
 透乃は地を蹴り飛ばすと、≪アンデットナイト≫の集団に殴り込んだ。
 振り下ろされた剣ごと敵を打ち砕き、薄皮一枚切らせて相手の頭を砕いた。
 次々と吹き飛ばされた≪アンデットナイト≫が城壁にぶつかり、粉々になる。
 無数の傷を負いながらも、大量の骨と肉片の中で最後に立っていたのは透乃だけだった。
「ふぅ……かんりょ、いたっ!?」
「透乃ちゃん、次行くわよ」
 後頭部の痛みに振り返ると、城壁を破壊した芽美達が先へと進み始めていた。
「ちょっと待ってよ……」
 透乃はタンコブを抑えながら、破片が散らばる通路を走った。
「おっ、喜んでる、喜んでる」
 泰宏が【メジャーヒール】をかけると、戦象が鼻を持ち上げて鳴いていた。
「わかるんですか?」
「なんとなくだよ」
 陽子に泰宏が笑って答える。
 芽美がアホ毛で、城壁の向こうから漂ってくる気配や熱を感じ取る。
「えっと……あっちね。そろそろ到着しそうよ」
「おっと、マッピングしとかないとな」
 泰宏が器用にで銃型HCを操作しながら、地図を作っていく