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リアクション
「アシッドミスト!」
月美 芽美(つきみ・めいみ)のハンニバルの戦象の上から、緋柱 陽子(ひばしら・ようこ)が酸の霧を城壁の脆い部分に放つ。
「芽美ちゃん、お願いします」
「あい、お任せよ!」
芽美は戦象に指示をだし、酸のかかったその部分へと突撃させる。
大地をも揺るがす頭突きをくらい、城壁に巨大なひび割れが発生する。
「もう一発!」
戦象を後退させ、助走をつけて再び突撃させる準備。
その時――
「危ない、陽子ちゃん!」
飛んできた矢をマスコットのカメになった霧雨 泰宏(きりさめ・やすひろ)が、身を挺して陽子を護った。
陽子は反動で吹き飛んできた泰宏を抱きとめ、矢を放った敵に【ホワイトアウト】をくらわせた。
「やっちゃん、助かりました」
「いや、はは……私は陽子ちゃん達を護るのが仕事だからね」
腕と胸の間に挟まれた泰宏は、赤くなった顔を甲羅にひっこめていた。
そんな彼らの足元では、緋柱 透乃(ひばしら・とうの)が拳を構えていた。
「遠くの敵は陽子ちゃんがやってくれたみたいね。じゃあ、私も頑張らなくちゃ♪」
武器を手に向かってくる≪アンデットナイト≫。
倒しても復活するため、城壁を破壊しているうちに徐々にその数は増えていった。
気づけば、通路埋め尽くすような数になっている。
「よ〜し、一気に片づけるよ」
圧倒的な数にも関わらず、透乃は臆することなかった。
体制を低いし、深緑の目は眼前の敵を見据えた。
「――!」
透乃は地を蹴り飛ばすと、≪アンデットナイト≫の集団に殴り込んだ。
振り下ろされた剣ごと敵を打ち砕き、薄皮一枚切らせて相手の頭を砕いた。
次々と吹き飛ばされた≪アンデットナイト≫が城壁にぶつかり、粉々になる。
無数の傷を負いながらも、大量の骨と肉片の中で最後に立っていたのは透乃だけだった。
「ふぅ……かんりょ、いたっ!?」
「透乃ちゃん、次行くわよ」
後頭部の痛みに振り返ると、城壁を破壊した芽美達が先へと進み始めていた。
「ちょっと待ってよ……」
透乃はタンコブを抑えながら、破片が散らばる通路を走った。
「おっ、喜んでる、喜んでる」
泰宏が【メジャーヒール】をかけると、戦象が鼻を持ち上げて鳴いていた。
「わかるんですか?」
「なんとなくだよ」
陽子に泰宏が笑って答える。
芽美がアホ毛で、城壁の向こうから漂ってくる気配や熱を感じ取る。
「えっと……あっちね。そろそろ到着しそうよ」
「おっと、マッピングしとかないとな」
泰宏が器用に指で銃型HCを操作しながら、地図を作っていく
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