リアクション
6、舞い人
耀助達が聞き込みを終え、若葉は彼らとネタを出してくれた学生達に感謝しながらそれらを脚本として仕上げていく。
溢れだす景色、人の心、神の思い。紡ぎ出される様々な感情を「舞い」で表現するのは難しいが、伝説の舞いを舞った若葉なら出来る。
苦心して、若葉は最後の物語を書き上げた。それを掲げると、腹の底から思いっきり叫ぶ。
「――出来たわ! 胡蝶の華『夢紡』が!」
盛大な音をたてて、部屋を後にする。目指すは舞い人達のいる稽古場。
早く、早く。急き立てる思いは留まるところを知らず。
若葉は微笑む。
何しろ今回の舞い、特に6幕は、今までとは全然違うものなのだから。