シャンバラ教導団

リアクション

プロローグ

「穂波ちゃん……本当に行くんですか？」
　ニルミナスの村。村を出てゲームの舞台――遺跡都市アルディリス――へと向かう藤崎　穂波（ふじさき・ほなみ）にミナホ・リリィ（みなほ・りりぃ）は心配そうな様子でそう声を掛ける。
「はい。最後の魔女の力が借りれるなら行く価値はあります」
「そう……ですか…………」
　穂波の言葉にミナホは頷くが、その表情は心配に彩られており俯くといったほうが正しい。
「大丈夫ですよミナホお姉さん。彼らの目的は私のようですから。ある意味一番安全です」
「でも……ゲームとか関係なく無理やり穂波ちゃんを攫うつもりかも……」
「それを最後の魔女が拒否したからこうしてゲームという形になったんだと思いますよ」
　ミナホの心配に穂波は落ち着いた様子で返す。
「大丈夫だよミナホ。あたしらは別の場所で戦うけど、穂波を守る契約者はちゃんといるから」
「うん。だからミナホちゃんは安心して待ってて」
　一緒に出発する熾月　瑛菜（しづき・えいな）とアテナ・リネア（あてな・りねあ）はそう言ってミナホを安心させようとする。
「そう……ですね。…………穂波ちゃん、ちゃんと無事に帰ってきてくださいね？」
「…………はい。それじゃ、行ってきます」
　ミナホの見送りを受けて３人はゲームの舞台へと向かう。


「………………約束ですからね。穂波ちゃん」