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【アガルタ】未来へ向けて

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【アガルタ】未来へ向けて

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★未来へ向けて01★


 遠くに看板の姿を見つけた時、シリウス・バイナリスタ(しりうす・ばいなりすた)は泣きたいような、怒りたいような、自身でも把握しきれない感情を覚えた。
 感情ごとつばを飲み込む。
「結局、アイツの手がかりはなし……もうアガルタまで戻ってきちゃったのか」
「そう……もうアガルタ、南ニルヴァーナだ」
 前を歩いていたサビク・オルタナティヴ(さびく・おるたなてぃぶ)が振り返り、宿を取ろうかと言った。シリウスは首を横に振った。アイツを探さなきゃ、と。
「少し休んでいこう、シリウス。ひどい顔になってるよ」
 ひどい顔と言われて自分の顔を指でなぞる。鏡はなかったが、サビクの赤い瞳が心配の光を宿しているのを見て、頷いた。
 サビクはそれにホッとしてから歩き出した。
「しかし随分デカくなったもんだな、この辺も」
 看板の周辺では工事をしているのが見える。今まではなかったので、もしかすると地上部分を開拓するのかもしれない。
 そして空を見上げれば、いつぞやの住居が見えた。
「あの空飛んでるのは……例のニルヴァーナの人たちのか。オレらも乗っけてってもらうか、地下都市まで」
 暗い気持ちを吹っ切るように、シリウスは大きく手を振った。

 そして無事にアガルタについた2人は、出来上がりつつある1軒の建物に近づいた。都合がいいことに、そこにはこう書かれてあった。

 『アガルタ冒険者の宿、地上部支店』と。
 


「いよいよ地上にうってでるわけね。よし、私たちも付き合うわ」
「付き合うって……具体的にどうすんだ?」
 地上部の開拓の話を聞きつけたリネン・ロスヴァイセ(りねん・ろすヴぁいせ)が拳を握り締めると、フェイミィ・オルトリンデ(ふぇいみぃ・おるとりんで)が呆れ気味の声を上げ、隣で店の掃除をしていたタマ・ロスヴァイセ(たま・ろすう゛ぁいせ)が首をかしげた。
「前から考えていた支店を出そうかと思っているわ。聞いたところによると、地上部分は地下よりも簡単に出入りできるようにするらしいから」

 アガルタは基本やってくるものは拒まない雰囲気を持っている。しかしそれゆえに問題も起きやすい。なので最近は出入り口でもチェック体制が厳しくなっている。
 観光が主な産業であるというのに、これは痛手だ。どう対策をするのかとリネンは思っていたのだが、地上は気軽に出入りでき、地下はより安全な場所として地位を確立していくつもりらしい。
 リネンとしても、地上でいち早く情報が手に入りやすくなるので歓迎だ。

「支店ね。ま、順調ってことなんだろうが、誰に任せるんだ?」
 フェイミィが興味なさそうに聞く。初の支店だ。誰に任せるのかが重要となる。
 のにたいし、リネンはあっさりとした顔で「あなたに決まってるでしょ」と言った。
「へぇ俺か。――え? 支店長!? オレ!?」
「がんばってなの、フェイミィお姉ちゃん!」
 純粋に応援してくれているタマに、フェイミィはなんとか「お、おう」と頷きを返した。

 のが数日前の話である。

『てめぇ、経営とかできるのか?』
「な、なんとかなるだろ……ナハト、さっきからうるせーぞ」
 そんな経緯を思い出しながら、からかいの声を上げてくる相棒にフェイミィは返事をする。だが経理はできるほかの店員に任せて主に肉体労働をしているので強くは言い返せない。
(ちょっとずつ分かるようにならねーとな……せめて報告受けたときに意味ぐらい分かっておかねーと)
 開店準備に会わせて学ぶことは多い。
 土地の交渉はリネンが済ませているので、あとは店の外装内装。備品や家具、食材、スタッフの募集・教育など、忙しい。さきほども早速問い合わせがあり、大慌てで本店に連絡を取ってそっちの宿に2名ほど案内したところだ。
 が、この場には本店から手伝いに来てくれたスタッフが少しいるだけで、リネンとタマはいない。

 ならどこにいるのかというと……空にいた。

『南東に6体。うち一番体格大きいのがリーダー格っぽいわ』
「わかりました、すぐに向かいます」
 上空からリネンが何かの情報を伝え、それを受け取った酒杜 陽一(さかもり・よういち)が頷き、駆け出す。
 手には愛剣、ソード・オブ・リコをしっかりと握っている。
「ペンタ、行くよ」
 彼の周囲でぺたぺたと歩いていたペンタこと、ペンギンアヴァターラヘルムに他のギフトたちが集まり、合体する。見た目はペンタが鎧を身につけたようだが、各々の持つ力が一つになり、強力な相棒となるのだ。
 どこかたくましく見えるペンタに頷き、陽一はリネンの情報にあった魔物たちの前にたどり着く。
 サルに似た魔物たちは陽一に気づくと、牙をむき出した。逃げる様子は無い。
「ふぅ。逃げてくれたなら戦わずに済んだんだけど」
「そう上手いこといかない、ということですか」
 陽一が声に驚いて振り返ると、いつのまにかそこには一人の忍者、紫月 唯斗(しづき・ゆいと)がいた。唯斗もまた、魔物退治の協力に名乗りを上げた一人だ。
 陽一はすぐさま周囲の状況を確認する。風が強い。砂が舞っていて、段々と視界が悪くなる。足場も決して良いとは言えない。しかし彼が意識を集中して地面をならす。
 そして、一気に蹴る。動きにくさなど感じさせない。唯斗はその動きを見て、真似る。
(なるほど。こうすればいいのか)
 先ほどまでの動きにくさが嘘のようだ。

 唯斗が普段どおりの動きができるようになったのを確認した陽一が声を上げる。魔物の注意が陽一へと向き、唯斗の気配が薄れていく。
 ……いや、影が薄いということではなく。
「ぎぃゃあああああ」
 悲鳴のような威嚇の声を上げて襲い掛かってきた一体の猿の攻撃を陽一が大剣で受け止める。動きが止まったところでペンタが敵の背中から攻撃を加え、さらに陽一たちに注目が集まる。
 リーダー格の魔物が怒ったように跳ね、陽一へと飛びかかる。

「そうはさせないさ、とね」
「うぎあっ?」
 だが気配を断っていた唯斗がその背後から己の拳を叩きつける。同時に爆発が起きた。
 ゆっくりと倒れていく黒こげの魔物を見下ろし、唯斗は肩をまわした。

(ふぅ。やっぱり小難しい政より、こういう掃除の方がシンプルで俺向きだぁな)

 彼もアガルタに店を構える身。そちらで過ごすのも一つであったのだが、こうして身体を動かして街の役に立つというのが一番自分らしいと思った。
 困っていると聞き、自分が役に立てることがあるとつい動いてしまうその性格ゆえに苦労することも多いことも自覚しているが、直らない。

(ま、直す気もあまりないけどな)

 苦笑しつつ、背後から迫っていた爪をするりっと避ける。ついでとばかりに足を引っ掛けて体勢を崩させ、体勢を崩したところで構えていた陽一の剣が炸裂する。
「ありがとう、助かった」
「いやいや、不要だったでしょう? この環境にもすぐ慣れていましたし」
「そんなことは……俺の動きをすぐに真似てたよね、さすが」
 互いに謙遜しながら動きを讃え合う。

 気軽に話し合う余裕があるほど、彼らにとってこのレベルの魔物は相手にならない。もちろん、一般人や経験の浅いものたちにとってはとても脅威であり、なんといっても数が多い。
『落ち着いているところ悪いけど、団体客が来てるわよ』
 上空から魔物たちの動きを監視しているリネンからの知らせに、2人の目が鋭くなる。
「こっちなのです! ほぇ〜、本当に多いの」
 タマが槍槌を握り締めつつ、驚きの声を上げる。顔立ちが少し緊張している。
 そんな彼女の隣に美しい乳白色の毛並みのペガサスが降り立った。リネンと彼女の愛馬ネーベルグランツだ。
「さすがに多いから、手伝うわ。行くわよ、タマ」
「うん、がんばるの!」

「……やれやれ、たしかに多いなぁ」
 向かっていった2人の背を素早く追いかけながら、唯斗はため息をつく。簡単にすむにこしことはないが、リネンの言う通りこれだけの人数だとたしかに少してこずりそうだ。
「ま、やりますか」
 しかし最後はにっと笑い、ぐっとしゃがんだかと思えばその姿が消えた。そしてまだ遠かったはずの魔物の群れの一頭き腹にその拳が突き刺さっていた。

「全部を倒すというより、進路を変えるように誘導できないかな」
 群れの進行方向に開拓中の街があるため、このまま放っては置けない。しかし彼らは自分達に悪意があるわけではないようだ。
(街は地上に出来る。これからもこういう群れが通りかかることがあるだろう。その対策が分かれば……)
 壁は作られるが、それだけで大丈夫と安心するのは危ないだろう。
「なるほど、難しいですが考えてみましょう。あちらにも伝えてきます」
「お願いします」
 突如聞こえた声に、慣れたのか驚くことなく陽一は答えた。そして自身も群れへと向かっていった。

 このことはハーリー・マハーリーにも伝えられ、魔物の群れ対策(物見矢倉の設置、魔物避け)が行われるようになった。

 魔物退治は順調に進み、4人は一度休憩することにした。


***


「お疲れ様〜」
「ありがとなの」
 開拓の中心地付近では、働く者たちのための炊き出しが行われていた。
 アスパー・グローブ(あすぱー・ぐろーぶ)は笑顔で食事を渡しつつ、砂や汗だらけになった人たちに濡れて冷やされたタオルも渡す。
「ありがと……ふー、気持ちいいわね」
「ふふ、休憩してからまた頑張ってね」
「ありがとうございます」
「うん、ありがとう……おいしそうな香りだね」
 疲れた顔をした人たちが、食事を取り元気を取り戻していく様子を、アスパーは笑顔で見守った。
 最初は普通に街を見て回っていたのだが、ずっと働いている人たちを見ていて、彼らのために何か出来ないかと、こうして炊き出しをすることにしたのだ。
 それからナベを覗き込み、あら、と声を上げた。
 
 現在地上部で働いている人たちは肉体労働が多い。必然よく腹も減るので、食事量も多いのだ。
 そのことを示すようにカラの皿を乗せた盆を手に、ウッド・ストーク(うっど・すとーく)が戻ってくる。
「あっちのやつらがお代わり欲しいとか言ってんだが……ん? どうしたんだ?」
 赤い揺らすウッドに、アスパーはすぐさま困った顔をした。目線は、微妙にあわない。
「料理が残り少なくて、作ろうにも材料ももうなくて、その」
「ん?」
 歯切れが悪いアスパーに、ウッドが怪訝な顔をした。アスパーは必死に心臓を抑えながら、口を開く。
「一緒に買出しに行ってくれない?」
「おう、分かった」

 そうして2人は地下アガルタを歩いていた。ウッドの手にはすでにたくさんの食材が抱えられていた。
「で、他は?」
「えーっと、魚屋さんかな。この道をまっすぐでいいみたい」
「わかった」
 事務的な会話を済ませると、妙な沈黙になる。ウッドは、少し緊張しているようなアスパーに、普段と同じように話しかける。
 どちらであるにせよ、大事な存在であることに変わりは無いのだと、知らせるかのように。
 アスパーはその想いに気づき、平常心を取り戻そうと必死だった。……中々その努力は実らない。

「なぁ、どっちで呼んだらいいと思う?」

 ふいにウッドがそんなことを言う。
 主語はなかったが、アスパーには何を言っているか伝わった。アスパーが人の姿のときに名乗っていた名前のことを言っているのだ。
 しかし唐突であったために、反応が遅れる。
「え?」
「今までずっと別々に呼んでたが、今後どう呼べばいいか悩んじまってな。
 アスパー、ブランチェ。どっちの名前で呼ベばいいんだ?」
「そ、そんな急に言われても……好きな方で呼んだらいいじゃない」
「じゃあ、お前はどっちで呼ばれる方が好きだ?」
「好きって、え? そ、そんな事言ったら」
 たった一言にアスパーの頭の中が熱くなる。唇が緊張で震える。

「そっちこそ、……どっちが好きなの?」

 今度意表をつかれたのはウッドのほうだった。は? と、息をこぼす。そんな彼にしびれをきらしたようにアスパーが大声を上げた。


「だから、どっちの私が好きなのっ!? って」
 言った瞬間に、アスパーの顔が赤くなった。
「あああぁぁ……違うの!そうじゃないの! 今の忘れて!
 忘れて! 忘れて! 忘れて!」
 あああっと声を上げながら、アスパーが駆け出していった。ウッドはそんな背中を呆然と見て
「何言ってんだ、あいつ」
 首をかしげたが、その際に胸の奥がとくんと鳴った……のだが
「って、おい。買い物はまだだろ、そっちは違うだろうか」
 慌てて追いかけていったため、彼が気づくことはなかった。

 2人の関係が進むのは、まだ先のことのようだ。


***


 開拓が進む地上部だが、地下も負けてはいない。旧A区「アガルトピア中央区」に真新しい建物があった。できたばかりだが、人がたくさん集まり、随分と騒がしい。

 この建物の名はシラナミ劇場という。

 名前の通り劇場であり、アイドルユニット『マジカラット』のライブをメインに、他にも芝居、演劇演奏などなどで来た人たちを楽しませる娯楽施設だ。他にも展示スペースやマジカラットのグッズ売り場などもある。

「ふふふ、初日にしては上々ですわね」
 オーナーのチェルシー・ニール(ちぇるしー・にーる)が嬉しげに笑う。彼女もまたアイドルの一人であるが、オーナーとして宣伝や外装内装等の裏方もしていたため、こうして成果が少し見えてやりがいを感じたのだろう。
「今まで色々な所で活動をしてきましたが本拠地があればいつでも確実にライヴが出来ますわ」
「そうね。準備は大変だったけど……今まで以上に頑張らないと」
 白波 理沙(しらなみ・りさ)が笑顔で、しかし少し緊張も感じさせる面持ちで応えた。
「もうすぐお祭りなんだし賑やかで楽しい曲で皆で盛り上がるように頑張りましょう。それにこれで皆に私たちの事を知ってもらえれば劇場にも来てくれると思うし一石二鳥よ♪」
 そう。
 今日は開店日であり、ここで行われる初ライブなのだ。
「不思議ね。まさか拠点ができるようになるなんて思わなかったわ」
「そうかな? あ、チェルシーお疲れ様。すごく素敵な劇場だね」
「ええ、リハーサルのときに見たけど、とても良かったわ」
「ありがとうございますわ」
 奥から準備を終えてきた白波 舞(しらなみ・まい)愛海 華恋(あいかい・かれん)がそう声をかける。
 理沙は観客席を少し覗き込んだ後に、深呼吸をした。それから3人を振り返る。ほぼ同時に頷いた彼女たちは、一瞬のうちに可憐で美しいアイドルの顔になっていた。

「さあ、行くわよ。今はお祭りなんだし賑やかで楽しい曲で皆で盛り上がるように頑張らないとね」
「ええ。
 皆さんに気に入ってもらえるように楽しいステージをお見せしますわ」
「この日のために踊りや歌も練習したしね。華恋さん、素敵な歌声よろしくね」
「がんばるよ。ココで成功するかどうかでボクたちが受け入れられるかどうか決まるから精一杯に盛り上げなくっちゃいけないもんね」

 気合を入れて舞台へと出て行く彼女たちを、歓声が包み込む。

「みんなー、今日は来てくれてありがとうー」
「ありがとですわー」

 歓声が大きくなり、それぞれの名前が呼ばれる。理沙たちは笑顔で観客に手を振りながら、冷静に様子を観察。以前からのファンが多いようだが、初めて来たと思われる客も一定数いるのが見受けられた。
 そんな人たちのために軽く自己紹介してから、盛り上げるため、楽しんでもらうため。さっそく一曲目が始まった。
 メインヴォーカルである華恋が一歩前に出て歌いだす。アイドルは歌が下手、なんて話があるが、彼女たちとは縁のない話のようだ。
 テンポの良い曲に美しい歌声が乗り、観客が身体を揺らしながらうっとりと目を瞑る。

 そして彼女の斜め後ろに立ったチェルシーはショルダーキーボードへと手を伸ばす。そしてそこから響く音に、一部のファンが驚き、唸った。
 その音源が録音であることがほとんど、というのはファンの間では有名。生演奏はレアになるわけだが……今日はここでの初ライブとあって、チェルシーは生演奏をすることにしたようだった。
 そのことに気づいた彼女のファンに、軽くウィンクし、華恋の声とハーモニーを響かせる。

 今回の曲は、華恋だけでなく理沙もメインヴォーカルとして中央に出る。手や足、体全体で曲に乗りながら、華恋と交互に。時には同時に歌う。
 赤を基調とした理沙の衣装と黄色を基調とした華恋の衣装が、舞台上で鮮やかな花を咲かせる。

 かと思えば、今回は踊りがメインの舞が身につける淡いオレンジの衣装とが2人の間に入り込む。他3人と比べると歌と踊りの能力は平均的な舞だが、他三人の変わりもするかのように激しい振り付けを難なくこなしていく。
 そこには心から、皆に楽しんで欲しいという想いがうかがえた。

 間奏中、3つの色がチェルシーの白色を包み込み、手を観客たちの方へ向ければ、拍手が舞い起こる。
 ポジショニング、振り付け、間奏中の観客の盛り上げ……段々と会場全体が一つになっていく。

「理沙ちゃーん!」
「チェールーシー」
「まいまーい」
「華恋ちゃーん」
「マジカラットさいこ−う!」

 一生懸命歌う彼女たちと一緒に、観客達も曲に乗る。浮世を忘れるように、この世界の中に意識を酔わせる。
 そして一曲終われば、全員が彼女たちに魅せられる。

「聞いてくれてありがとう。今の曲、聞いてもらって分かったかもしれないけど、実はアガルタをイメージしてるのよ」
「初披露だったのですけれど、どうでしたでしょうか?」
 曲だけでなく、合間のMCも大事な仕事。客席へマイクを向けて、反応を聞くように耳を傾ける。
「ありがとう。素敵な曲よね。私も好きな曲なのよ」
「うん! 今はお祭の準備で少し雰囲気違うかもだけど、すごく楽しい街だね。ボク大好きになったよ」
「これからもこの街と一緒に成長していきたく思いますわ。よろしくお願いいたします」
「そうね。改めてよろしくね」
 街についての感想を聞いた観客から、今度は彼らから「ありがとう」「よろしくー」というどこか照れたような声が返ってくる。アガルタの劇場なだけあって、現地の人たちも大勢来てくれているようだ。
 元からのファンがここまで来てくれる事も嬉しいが、こうして現地の人たちが遊びに来てくれて、楽しんでいってくれるのもまた嬉しいことだ。

 自然と彼女たちの笑みが深まっていった。

 こうして、アガルタの祭は開催前から盛り上がりを見せていた。