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終りゆく世界を、あなたと共に

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終りゆく世界を、あなたと共に
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「今日で最後なら、ずっと一緒にいようね!」
「……そうですね」
 伊吹 美里(いぶき・みさと)の元気な言葉に、松田 めるも(まつだ・めるも)は含みを混めた様子で頷いた。
 まるで、今日明日の予定を話すような気軽な様子の美里。
 しかし違っているのは、最後なのがテスト期間や合宿のような軽いものではないということ。
 終ってしまうのは、世界。
 それなのに美里は笑顔のまま、めるもの手を取って歩き出す。
「どちらへ?」
「内緒!」
 向かった先は、学校の庭。
 木々に囲まれた、茂みの中。
「ここでしょうか……?」
「うん、ここ」
 それだけで、めるもは理解する。
 そんなめるもに頓着せず、美里はめるもに抱き着いた。
「たまには、外もいいよね。最後だし!」
「そうですね、最後、ですからね……」
 最後。
 そのキーワードが2人を自由に、より大胆にする。
 青空の下、2人は一枚一枚、身につけたものを脱ぎ捨てていく。
「めるもさん、綺麗……」
「美里こそ、可愛いですよ」
 生まれたままの姿になった2人は、そっと体を重ねる。
「ん……」
「ん、ぅ……」
 濃厚な、蕩けるようなキスをかわす。
 唇が離れた時には、2人の顔は上気していた。
「めるもさん……」
「美里……」
 真っ白な体が、絡み合う。
 何もかも忘れ、このまま二人で蕩けあっていたい。
 そんな願望が浮かぶが、次第にそれすら忘れ、2人は互いを求め合い、奪い合い、溺れて行く。
 最後の最後のその瞬間まで、途切れることなくそれは続いていく――