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―第八章:新年の鍋パーティ!―

 イーグルの襲来を乗り切った警備員達は、疲れ果てていた。
 警備員として雇用されたトロール達が守る小屋の仮眠室ではグーグーと理知や美羽達が寝ていた。
「はい、出来ましたわ」
 エリシアが湯気の立つ器を盆に載せてテーブルに座るノーンの元まで運んでくる。
「わーい! お蕎麦だー!」
「年明け蕎麦になってしまいましたけどね。っと、蕎麦は桐生理知からです」
「ふっふっふ。なななのお陰で無事年が越せたようね」
「うん。なななちゃん、今年もよろしくねっ!」
「ヒャッハー! オレのお陰で、トロール達が警備員をやってくれるからこうして呑気に蕎麦が食えるんだぜ?」
 全身包帯グルグルの竜司が笑う。見かけによらず、さほどダメージは無かったらしい。
 ルルルル……。
 ノーンの携帯が鳴る。
「ん? あ、おにーちゃんからだ!!」
「陽太から?」
 エリシアに携帯を見せるノーン。そこには、「新年あけましておめでとうございます。それと、バイトお疲れさま」と御神楽 陽太(みかぐら・ようた)からのメールが届いていた。
 陽太は現在、空京にある高級ホテル『空京ロイヤルホテル』のレストランフロアを借り切った豪勢な立食パーティーを元旦の昼から開催する妻に付き添って、準備を兼ねて大晦日から夫婦で、ロイヤルスィートに宿泊しているらしい。
 ノーンはニコニコしながら、陽太にお返しのメールを送る。
「あ……唯斗ちゃんやエクスちゃんは、お蕎麦は要らないのかなぁ?」
 蕎麦を食べるノーンが窓の外に立つ絶影を見る。
 比較的ダメージの少ない絶影に乗る唯斗は、絶影の中で欠伸を噛み殺しながら、「年が明けたなぁ」と呟く。そんな彼の隣の席ではエクスがスヤスヤと寝ている。

ドゴオオオォォォーーン!!

「ん?」
 蒼木屋の近くで地雷が炸裂したかのように土砂が上空へ打ち上げられる。
「何だ? おい、エクス起きろ! 様子を見に行くぞ?」
「むにゃ……」