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【蒼フロ3周年記念】インタビュー・ウィズ・コントラクター・スペシャル

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47)十文字 宵一(じゅうもんじ・よいいち)

【バウンティハンター貧乏】こと、
十文字 宵一(じゅうもんじ・よいいち)は、
古びたジャケットにジーンズ、額にゴーグルといういでたちで、スタジオに現れた。

「ようこそいらっしゃいました。
まあ、その恰好は?」
「これが、バウンティハンターの正装、なのですな」
宵一が、格好つけて言った。

「では、さっそく質問に答えていただきましょう。
あなたの大切な方はどなたですか?
その方について、そして、どう思っていらっしゃるか、
なるべく具体的に教えてくださらない?」

「何やら、照れくさいですな……。
恥ずかしいので名前は言えないが、命よりも大切な人がいますよ。
その人を護るためならば、自分はどんな宿命にも牙を剥く。
これだけ答えれば、十分ですかな?」

「何で、リーダーはいつも以上に格好をつけているんでふか?」
リイム・クローバー(りいむ・くろーばー)の問いに、
「あの人はああいう年頃なのよ」
ヨルディア・スカーレット(よるでぃあ・すかーれっと)が肩をすくめる。

「まあ、バウンティーハンターらしいお答えね」
トッドさんがうなずく。

「……」
一方、リイムは、トッドさんの頭に注目していた。ヨルディアが問う。
「どうしたの?」
「あの玉ねぎみたいな髪型の中にお菓子があるかもしれないでふ」

「次の質問です。
あなたの将来の目標はなんですか?
それに向けて、今、どのような努力をされていらっしゃいますか?
まだはっきりしない、漠然としたことでもかまいません」

「将来の目標?
まあ、一流のバウンティハンターを目指して、貧乏くじを引いていますよ。
一流と認められるために、色々な敵と戦っていますかな。
イレイザーとも戦ったし、インテグラルにも喧嘩を売ったりもしたような……。
先はまだ長いけれども、自分らしく楽しく生きている事だけは言っておきますよ」

「リーダーがよくわからないことを言っていまふ」
「しょうがないのよ、おバカさんだから」
リイムとヨルディアがツッコミを入れる。

「まあ、すごい!
常に強敵と戦っていらっしゃるのね。

では、次はこの写真をご覧いただきましょう」

トッドさんが言い、写真が映し出された。

光のどけき春の日に。

「宵一さんには、大切な恋人がいらっしゃるのね。
お相手のこと、どう思っていらっしゃるか、
ぜひ、詳しく聞かせてくださらない?」

「タイム」
宵一が、言った。
「え? 宵一さんには、大切な恋人が……」
「いいから、タイム」
「今生放送ですけれど」
「いや、生放送とか関係ないから。
こう見えても、心底驚いているからさ。
ともかくタイムだ」

苦いコーヒーをすすり、宵一が心を落ち着ける。
(えっと、どうして心にしまっておきたい大切な思い出が出てきてしまうのやら……。
まったく、誰の陰謀だか……)
「宵一さん、このままでは放送事故になってしまいますよ?」
「と、ともかく、プライベートな質問には答えられないので、ノーコメントですな」
宵一はかぶりをふった。

「では、最後に、本郷 翔さんの質問です。

もし、あなたに子供が出来たとして、めざすべき目標として、紹介したい人はいますか?」

「そうですな。
紹介したい人物は自分の昔の恩人の賞金稼ぎですな」
やっと自分のペースを取り戻し、宵一が言った。
「名前と顔は覚えていないんですけれども、あの人は強いだけでなく。
本当に素晴らしい人だった。
ああ、あの風よりも速い剣をもう一度見たいものですな」
遠くを見て、宵一がつぶやいた。

★☆★


「リイムさん、そういえば、あなたの質問が大人気でしたよ」
「え、僕でふか?」
トッドさんの髪型をじっと見ていたリイムが目をしばたたかせた。
「大勢の方が答えてくださったので、
番組をご覧になってくださいね」
「ありがとうございまふ!
答えてくださった皆様のためにも、
僕、パラミタ一の抱き枕になる夢を頑張りまふ!」