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リアクション
レン・オズワルド(れん・おずわるど)は友人の結婚式の帰りに、空京でフリューネ・ロスヴァイセ(ふりゅーね・ろすう゛ぁいせ)と会う時間を作った。式の後だからこそ、話せることもあるのではないか、と考えたのだ。
「こうして見ると、全然雰囲気が違うわね」
スーツを着て黒のカラーコンタクトをしたレンを、フリューネが全身見回す。
「別に驚くようなことはない。元々、地球に居た頃は刑事だったんだ。普通に結婚式に呼ばれるような、極当たり前の人間。場に合わせた服装くらいするさ」
「この格好も似合ってるわよ」
そんな会話をしながら、二人は日本食の店に入った。
「和食は今まで一緒に食べたことがなかったからな。俺の故郷の味だ。口に合えば良いんだが……どうだろう?」
「うん、どれも美味しいわ。料理もお酒も」
フリューネは、運ばれてきた和食を食べながら、にこりと微笑んだ。
「それはよかった。じゃあ、今度は俺が御馳走しよう。以前一緒に見学した『マグロの解体ショー』のように大きな魚を捌いてやる」
「えっ、解体できるの?」
「ははっ、冗談だ」
二人は談笑をしながら、料理を一通り食べ終えた。
「そういえば俺達が出会ってから、もう3年だな」
「そんなに経ったのね」
「お互いあれから色んな出来事があったが、きっと来年も再来年も俺はお前と一緒に酒を飲んでいるんだろうな」
レンは思い返すように虚空を眺めて、それからフリューネに向きあった。
「今はお互いにやるべき仕事がある。それでも、大丈夫だ。俺は必ずお前の元に帰ってくる。約束するよ……」
「そうね、今は目の前の問題を片付けましょう。約束ね」
今夜の二人の話は、まだまだ尽きそうにない。
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