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リアクション
★ ★ ★
「ようし、これで完成だな。ジャイアント・ピヨ用、強化スルガアーマー回廊タイプ！」
なんだかごつい追加装甲を身に纏ったジャイアント・ピヨを前にして、アキラ・セイルーンが満足そうにしきりにうなずいていた。胸には大きくピヨピヨエンブレムが輝かしい。
背中の部分には、アキラ・セイルーンとアリス・ドロワーズがへばりつける場所も、妖精の領土で最適の場所を確保している。ポータラカインナーを着込んでいるので、安全面も完璧だ。
「行くぞ、ジャイアント・ピヨ！」
ハイパーガントレットに取りつけたマイクにむかって、アキラ・セイルーンが言った。
「ヒ゛ヨ゛！」
翼をパタパタさせたジャイアント・ピヨが、イコンリフトへと進んで行く。
反対側のリフトには、織田 信長（おだ・のぶなが）と桜葉 忍（さくらば・しのぶ）が第六天魔王でむかっていた。
「時は来たれり。いよいよ真打ちの登場じゃ！」
静かにコックピットま中で瞑想していた織田信長が、リフトの上昇を感じてくわっと目を見開いた。
「外はもう戦場だぞ」
桜葉忍が、気を引き締めるように言う。
「よいではないか。血湧き肉躍るとはこのことじゃ」
甲板に上がると、今まさにフリングホルニの直前に飛来した大型ミサイルと言える結晶柱が砕け散り、中から現れた複数のタンガロア・クローンがフリングホルニの甲板に降り立とうとしているところであった。
「出迎え御苦労じゃ！」
有無をも言わさず、織田信長が第六天魔王からビームを放ち、甲板に降り立とうとしていたタンガロア・クローンを吹き飛ばした。隣では、ジャイアント・ピヨがビームアイを乱射している。
★ ★ ★
「的がでっけえぜ。荷電粒子砲じゃもったいねえ。ここは無尽パンチで行くぜ！」
「お、おう、任せたぜ」
新型のヤークトヴァラヌス百式でのりのりの戦闘を行う猫井又吉に、国頭武尊が珍しく謙虚に答えた。イコンはほとんど乗ったことがないので、経験則から、ここはイコンに慣れている猫井又吉に全面的に任せている。
「いくぜ、無尽パーンチ！」
「おう、ぽちっとな……」
猫井又吉が狙いを定めた大型ミサイルをターゲットモニタ中央に捉えて、国頭武尊が発射ボタンを押した。
振りかぶったヤークトヴァラヌス百式の右腕がパンチのモーションと共にのびていき、先端のクローが大型ミサイルを正面から砕いた。
だが、砕け散ったミサイルの中から、結晶柱に被われたタンガロア・クローンが飛び出してくる。
ばらばらと、ミサイルを構成していた結晶体の破片を伴いながら、タンガロア・クローンたちがフリングホルニの甲板に降りてきた。
「敵を乗り込ませるなよ！」
着艦したばかりのタンガロア・クローンを、横から飛び出したエヴァルト・マルトリッツのヴェルトラウムＩＩが軽いパンチの一振りで艦の外へと吹っ飛ばした。
「もう一ついるよー」
ロートラウト・エッカートに言われて、エヴァルト・マルトリッツがもう一体のタンガロア・クローンの腕を掴み、足払いと共に大きく振り回してこれも艦外へと放り飛ばした。
「ようし、きたきたきたあ！ 止めは刺さないとダメだろが！」
甲板にいる他のタンガロア・クローンを、猪川勇平のバルムングがスフィーダソードで真っ二つにした。続いて、もう一機の頭部を機神掌で破壊する。
★ ★ ★
「カタパルトは、戦闘中で使用できそうもないわね。外に出たら、すぐに垂直離陸してフリングホルニの防衛に回るわよ」
「了解。インファント・ユニットのコントロールは任せて」
「イーリャ・アカーシ、ジヴァ・アカーシ（じう゛ぁ・あかーし）、フィーニクス・ＮＸ／Ｆ出ます！」
イコンリフトで甲板へと上がったイーリャ・アカーシは、その場でフィーニクス・ＮＸ／Ｆをフィーニクス・ＮＸ／Ｈ形態に変形させた。バーニアをふかすと、ジャンプするかのようにフリングホルニ上空に舞いあがる。
「違いを教えてあげるわ。インファント・ユニット展開！」
背部へと後退した両翼の下から、ジヴァ・アカーシがインファント・ユニットを発進させる。
小型のフィーニクスのシルエットを持ったインファント・ユニットがフィーニクス・ＮＸ／Ｈの周囲を舞い、上方から迫りくる大型ミサイルに接近して攻撃を開始した。
