リアクション
星の祭 祭の後「天の川」
――世界樹イルミンスール中層 イルミンスール魔法学校 展望台 深夜
「七夕に かしつる糸のうちはへて 年の緒長く こひやわたらん」
一人の少女が星空を見上げていた。
「なんてね」
少女は笹竹を指先で弄びながら深く溜息をつく。短冊のない笹竹が星空に寂しそうに揺れる。
精悍な顔立ちの青年が少女に近付いていく。哀れな少女は自分の憂鬱に溺れ足音が聞こえない。
「それはなんだい?」
青年は容赦なく声をかける。その瞬間、少女は凍りついたかのように静止した。
「ぐ、が、ぎ」
錆付いた機械人形の如き異音を発しながら少女はぎこちなく首を動かし声の主を探す。そして、少女は青年の姿を見つける。
――汀のパートナーが不思議そうな顔をして立っていた。
紅汀は誤魔化すように咳払いをして眼鏡を直し居住まいを正した。
「あ、あんた――今までどこに行ってたのよ」
「エリザベート様の言いつけで蒼空学園に届け物をな」
「そ、そう――ということは」
「何かあったのか?」
「こっちは大変だったんだからね! 出かけるならちゃんと――」
汀がお説教を始める。二人の関係が変わるのはまだ先になりそうだ。
――世界樹イルミンスール地下 イルミンスール魔法学校 迷宮図書館 深夜
「二人ともご苦労であった」
小さな魔女が二人を労う。
「いえいえ、生徒を導くのは講師の務めですから――」
冷徹な青い瞳が笑う。
「僕はあんなの二度とごめんだ」
青年は疼く胸を抑えるように吐き捨てる。
「そうか、すまなかったのぅ」
立ち去る青年の背中に魔女は言葉をかけた。
「――お主のしたことは決して無駄にはならんぞ」
初めまして、八咫烏(やたがらす)と申します。
アクション、自由設定、共に楽しく拝見させていただきました。
初めてのマスタリング、慣れないことばかりで戸惑う事も多くありました。
それでもなんとか書き上げることができて安心しております。
アクションを受け取った日、登場人物が70人を超えるという現実を改めて直視し頭が真っ白になったわけですが――。
しかし、いざ物語が始まると、どいつもこいつも勝手に動き出して好き勝手してくれましたので、私の仕事はただそれを文章に起こすだけだけでした。
皆さん、本当に有難うございました。(ギギギ……
一部、ツッコミどころもありますが、その辺りも含めて楽しんで頂ければ幸いです――などと予防線をですね。
オマエラ何時間闘ってるんだよ――とか、その辺に気付いてはいけません。
パラミタ大陸の一日は短いのかもしれません。
とにかく――
――皆さんの願いを還せたならば幸いです。