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【ウェブマネー様タイアップ】御藝神社で縁日!

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【ウェブマネー様タイアップ】御藝神社で縁日!

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第3章  みまわりです〜!


 開始から数時間が経ち、順調に進むかのように想われた縁日。
 イコン部隊も、ただただ待機で終わるのかと想っていたのに。

「フハハハハハハ!
 ウェブマネーを奪い、我ら秘密結社オリュンポスの活動資金としてくれよう!」
「【みんなに“一番選ばれている”ネット専用電子マネー】のウェブマネーを征すれば、世界を征したも同じことです」

 高らかな笑いとともに、ドクター・ハデス(どくたー・はです)が現れた。
 助手の天樹 十六凪(あまぎ・いざなぎ)も、ノリノリでポーズを決める。

「ちょっと待ったぁ!
 ウェブマネーには俺もよくお世話になってるし、ここは神社防衛戦に参加して恩返しといこう!」
「私は神頼みとかあまりしない方なんだけど……まぁ、実際御利益とかありそうだし、だったら守るべきだよね。
 というわけで、発進ー!」
「おぅ!
 琴音ロボカスタム、猛撃滅中Eジェットさん、発進!」
「……ロックオン機能を、対害虫から通常に戻すの忘れてたのは失敗だったなぁ。
 おかげでサポートが大変ですよ?
 でも、これはこれでいいかも……アナログも悪くないね!」

 たいするは、改造済琴音ロボに乗るエヴァルト・マルトリッツ(えう゛ぁると・まるとりっつ)
 ファニ・カレンベルク(ふぁに・かれんべるく)も、後部席から指示を出す。

「ククク、ウェブマネーを征すものこそ、世界を征すのだ!
 我が名は悪の秘密結社オリュンポスの大幹部、天才科学者ドクター・ハデス!
 かんたん、あんしん、べんりなウェブマネーは、我らオリュンポスがいただく!」
「いいですか、ハデスくん。
 ウェブマネーのウォレット機能を使えば、細かく残った残高をまとめられるうえに、利用履歴の確認もできて便利なのです。
 これを使えば、秘密結社の財務管理も効率化できるのですよ」
「コンビニなどで簡単に買え、さまざまなサービスで使えるウェブマネーは、秘密結社の活動資金にも最適なのだ!
 さあ、我らにウェブマネーを差し出すがいい!」
「行きますよ!」
(まあ、購入販売前のウェブマネーを奪ったところで、IDが有効化されていないので使えませんけどね。
 僕の目的は、琴音ロボと喪悲漢の戦闘データを収集すること。
 せいぜい、派手に戦ってもらいましょう)
「さくっといくよー!
 ばきゅばきゅーん!」
「一発一発がコトネニウム製の特注品だ……受けとれッ!
 どかーん♪」
「引っかかったー♪
 ……え、うるさいって?
 いいじゃない、どーせ楽勝なんだし」
「くっ、さすがウェブマネーのセキュリティ!
 なんと完璧な!」
「もういいですわ。
 今回は退きましょう!」

 十六凪に呼ばれ、撤退を余儀なくされたハデス。
 第一の襲撃は、エヴァルトとファニの大勝利をいう結果をもたらした。

「のんびりゆったりな空間だっつぅのに、不穏な気配もあるスねぇ。
 ま、俺らの出番ッスかね。
 行くぞ、相棒!」
「ちっ、俺はこもたんのところに行きてーのにな。
 こいつらやってからにすっか!」
「ンなのんびり空間で悪役ぶってんじゃねぇスよ。
 ったく……どうせ心意気もなにも無ェ安い動機なんだろ?
 吹き飛ばされるモブの身にもなれってんだ」
「ただ吹き飛ばされて倒されるのがモブじゃねえ。
 キャラクター達に媚び得るのもモブじゃねえ。
 ストーリーを引き立てるのがモブだッ!!」

 一難去ってまた一難と、敵は断続的に現れる。
 一般 兵士(いっぱんの・へいし)一般 騎士(いっぱんの・きし)も、戦闘配置に就いた。

「琴音を潰す……もとい粛清する」
「……てーっ!」

 ヴェルデ・グラント(う゛ぇるで・ぐらんと)の気合いを、具現化するはイコン。
 照準を定めて、エリザロッテ・フィアーネ(えりざろって・ふぃあーね)はボタンを押した。

「なんですかっ!?」
「縁日やってる時に野暮なことを……もしもしっ!」
「栞っ、マグナっ!」

 近衛 栞(このえ・しおり)を始め、その場にいた皆の視界を堕ちるライン。
 神社の裏山へと、ツインレーザーライフルが撃ち込まれたのだ。
 警備員用通信機のマイクを口に近づけると、マグナ・ジ・アース(まぐな・じあーす)はイコン部隊に呼びかける。
 ほかの場所を見まわっていた近衛 光明(このえ・みつあき)も、2人の元へと駆けつけた。

「縁日か〜屋台もたくさん、人もいっぱいで、賑やかでいいねぇ」
(なんか見知った人が巫女さんやってるけど……ま、可愛いしいいか〜)
「うっわー!
 人がいっぱい!
 いいなー、ワクワクして来た!」
「って思ってたら、アレは……イコンの喪悲漢!?
 賊が狙ってるのは本当だったのか!」
「ん?
 なにアレ……悪いやつ等!?」
「あぁ、そのようだ。
 なんとかしたいけど、イコンがないし……ってナギ!?」
「これは合法的に琴音ロボに乗るチャンス!」
「そんなの無茶だよ!
 OSも僕らに合ってるのじゃないし、動かすなんて……は?
 OSを書き換えた?
 そ、そんなことってできるの!?」

 楽しく歩いていた時間は、早々に終了してしまう。
 しかし高峰 雫澄(たかみね・なすみ)は、なにひとつ戦う術を持っていない。
 そんなとき。
 琴音ロボに乗り込んだ水ノ瀬 ナギ(みずのせ・なぎ)が、大声で雫澄を呼ぶ。
 【機械修理】と【コンピュータ】を駆使して、自分達でも使えるようにしたのだと。

「……い、いや、これなら戦える!
 いまは、みんなを守ることを優先しよう!」
「よーっし!
 悪者退治だ!
 なす兄!
 行くよー!」

 コックピットを見渡し、システムを点検。
 確信を持ち、雫澄とナギも地を蹴った。

「あの方が神のなかの神で神を越えた存在すらも崇める神であるか判ってない愚か者が多過ぎるぜェー!
 ヒャッハァ〜!
 琴音様のご機嫌を損ねる汚物は消毒だァ〜!」

 南 鮪(みなみ・まぐろ)も、マグナの声に応じた1人。
 素晴らしきハイテンションのままで、琴音の警備へとあたる。

「琴音様のご威光を知らしめるため愚民汚物どもを消毒してまわるぜー!
 ヒャッハァー!」
「神をも恐れぬ不届き者め、泣いたり笑ったりできなくしてやる。
 オレはパラ実の風紀委員だからな。
 キマク、それも御藝神社での乱暴狼藉を見過ごしたりはしないぜ!」
「お2人とも、ありがとうございます〜」

 鮪に続いて、国頭 武尊(くにがみ・たける)も直接、琴音を守護することに。
 イコンの戦闘も気にはなるが、そちらばかりに注目しては本末転倒。
 いまは、眼前の少女を護るだけだと。