校長室
【ウェブマネー様タイアップ】御藝神社で縁日!
リアクション公開中!
第7章 おねがいです! 陽も暮れきり、あらかたの片付けも終了。 入り口の階段に腰を下ろすと、琴音は夜空を見上げた。 「ふぅ〜今日もいっぱいお願いごとを聴きましたね〜」 ほえほえしているが、1日の祈祷内容と相手の顔くらいは覚えていられる。 縁日の開始時刻まで、記憶を戻してみた。 #その1 立川 るる(たちかわ・るる) 「かしこみかしこみ、るるのお願い聞きたもれー」 「なんでもどうぞ〜♪」 「るる、実は知る人ぞ知るゆる族ファンなの。 でも最近、なかなかゆる族を見かけなくて。 るるの学校にもゆる族はいるけど、でもそれはもふもふしてないの! 空京大学には、戦車とかUMAとか、ゆるくないキャラしかいないのです!」 「それは死活問題ですね〜」 「ということで、もふもふゆる族さんがパラミタに遊びに来ますように! できればアルパカがいいです。 あ、でも、ちくわでもいいです。 ちくわアルパカちゃんが来ますように。 そしたらもふもふしたい! もふもふ! もふ……っ!」 「ちくわですか! それは私もお目見えしたいです。えいっ!」 「ささ琴音様、お供えのちくわチョコとちくわどんぶりも納めたまえー」 「わ〜い、ありがとうございます〜」 #その2 酒杜 陽一(さかもり・よういち) 「琴音さん琴音さん、お願い聴いてもらえませんか?」 「はい、どうぞ〜」 「はじめまして、どうぞよろしくお願いいたします」 「こちらこそよろしくです〜」 「最近、不穏なことが続いているので、心配になって……」 「不穏なことですか」 「だから……」 「だから?」 「日本の歴史や八百万の神々とともに在り続けてきた高根沢家の理子様を守ってくださいますよう……」 「かしこまりました〜」 #その3 テスラ・マグメル(てすら・まぐめる) 「こっそりこっそり……琴音さん」 「小声には小声で応えますよ〜。はい」 「その……恋の成就祈願とかって……あの、お願いできますか?」 「大丈夫ですよ〜。 相手のことを、強く強く思い浮かべてくださいね〜」 「はいっ……」 「いきますよ〜てぃっ!」 「むむ〜っ」 「ふふ、真っ赤ですね〜」 「っちょ、耳許でそんなこと囁かないでください!」 「へへ」 「け、けど、本当にありがとうございました。 お礼に、私の【幸せの歌】を聴いてください」 「わぁ、嬉しいです〜」 「では……♪〜♪〜♪〜」 「素敵な歌声ですね〜。ありがとうございました」 「ご静聴、ありがとうございました。 っ、気が抜けたら急に恥ずかしくなってきました……ちくわすくいって面白そうですね! やっていってもいいですか!?」 「ぜひぜひどうぞ〜」 #その4 奏輝 優奈(かなて・ゆうな)&ユニ・リヒト・クラーメル(ゆに・りひとくらーめる) 「んー、お祭りの屋台で出とるもんって、なんでこんなに美味しく感じるんやろなぁ」 「ホントだよね。 たこやき美味だよぅ〜」 「あ、琴音みっけ! ……ちくわすくい、て……まぁやってみてもええんやけど……」 「変、かも」 「ようこそ。ちくわ美味しいですよ〜」 「ほんならやらしてもらいますわ! あ、あとうちのお願いも聞いてぇな!」 「なんでしょう〜?」 「ほな言うでー。 背が伸びますように、スタイルよくなりますように、魔法の研究が……え?」 「駄目ですよ〜。1日にお願いできるのは、お1人さま1つまでです」 「えーじゃあ、お願いを増やし……冗談! 冗談やって! じゃあ、友達がたくさんできますように」 「かしこまりました〜」 「……最初からそれ1個のつもりだったんだよね?」 「うん、まぁそうなんやけどな!」 「お連れさまは、なにかありますか〜?」 「えーっと……ごにょごにょ……い、いいかな?」 「なるほど、じゃあ私もヒミツにしますね〜」 「よろしくね」 「ちなみに、お相手はどなたですか〜?」 「え、そそそそんなの言えるわけないでしょ!」 「とりあえずじゃあ、その人のことをしっかり思い浮かべてくださいね〜」 #その5 ミーナ・リンドバーグ(みーな・りんどばーぐ) 「ミーナのお願いも、お願いします!」 「どんな感じですか?」 「今年も、好きなあの人に向かって一直線にがんばれるように祈祷をお願いします」 「分かりました〜」 「祈願してもらえたらがんばれそうなんだもん!」 「その気持ち、しかと受け止めました! 相手のことで頭をいっぱいにしてくださいね〜」 「先輩っ、先輩っ!」 「叶えたまえ〜!」 「お願いしますっ!」 「では終わりに、ちくわすくいでもいかがですか?」 「はいっ、がんばります! えいっ、やぁっ、たぁっ……あれ?」 「残念でしたね〜」 #その6 リア・レオニス(りあ・れおにす)&ザイン・ミネラウバ(ざいん・みねらうば) 「何故ちくわ? いや、美味いけどさw」 「天麩羅にしたりうどんに入れるよな、ふつう……」 「縁日だし、いいんじゃないか?w」 「それもそうか、そんじゃすくうかなw」 「ふぁいとです〜」 「ちくわにしろなんにしろ、すくえるものはすくいたいよな」 「おぉ〜大量ですね〜」 「そんで、俺の願い。 1つだけってんなら、この国のこと、アイシャのことだ」 「リア……」 「俺が愛する女性、アイシャの願いを叶えてやってくれ。 いまは宮殿の奥でパラミタの崩壊を食い止めるために、祈りで国を支えて、女神として戦っているんだと。 彼女の願いは、この国やパラミタの存続、民の平穏や幸福だ」 「俺も、リアが愛する人と幸せになれるよう願うぜ。 1日も早くアイシャが戻ってこられるように、パラミタがすくわれるように、君の力を貸してほしい。 一緒に祈ってもらえるかい?」 「ザイン……俺のことはいいよ」 「だってそうでもしないと、お前、自分のこと願わないだろ?」 「そうだな……俺の心はいつも、アイシャの側に在る。 少しでも、アイシャに気持ちが届きますよう……」 「お2人ともお優しいのですね。 アイシャさんのことを、そんなにお想いになられているなんて。 私もアイシャさんを、そしてパラミタの皆さんの幸せを願います〜」 #その7 鬼龍 貴仁(きりゅう・たかひと) 「神頼みとおみくじを引きにきたんですけど……ちくわすくいも気になりますね……」 「両方ともどうぞです〜」 「食べ物ですし、すくったあとは食べるんでしょうか?」 「はい。みなさんそのまま食べてくれていますよ〜」 「おでんにしてそれをすくったほうがおいしいと思うんですけど……」 「一応だしに浮かんでいるので、少しは味もあると思いますよ〜」 「っと、こんなこと考えてる場合じゃなかったですね。 天宮さん、お願いごとを訊いてくれませんか?」 「どうぞ〜」 「あの人に、振り向いて欲しいのです。 自分では行動してるつもりではいるんですけど、それだけでは不安でして……」 「分かりました。かしこみかしこみ〜」 #その8 朱濱 ゆうこ(あけはま・ゆうこ) 「本日はお願いがあって、参拝客として立ち寄らせていただきました」 「いらっしゃいませ。どのようなお願いでしょうか」 「ええと……わたし、もう少しはっちゃけたいのです!」 「はっちゃけですか?」 「癖のない人生って、それだけで損をしている気になるのです。 どうか琴音さん、バシッとそうなれる祈祷をお願い致しますっ!」 「ふむ……難しいですね。でも、やってみましょう!」 「お願いします!」 「うにゃうにゃにゃ〜ていっ!」 「はぅっ!?」 「うわぁごめんなさい! 手が滑って頭をたたいてしまいました〜」 「いえいえ、それで構わないのです」 「へ?」 「私、以前の記憶を取り戻しましたわ! お〜っほっほっほ! 琴音さんありがとうございました!」 「あ、はい〜?」 ■□■ こうして、縁日は終わった。 「はあ〜、疲れたけど楽しかったです」 琴音は今日一日を想い出し、顔がにやけてきた。 みんなの役に立てることが、純粋に嬉しかったのだ。 「でも……」 (楽しいのは今日だけじゃないですよね!) 次の日も、将来もずっと。 琴音はちくわを食べながら、 みんなの幸せを祈り続けていきたいと願うのだった。
▼担当マスター
浅倉紀音
▼マスターコメント
お待たせいたしました、リアクションを公開させていただきます。 ちくわすくいなる未知の屋台が主役の縁日にもかかわらず、 たくさんのプレイヤーさん達にお集まりいただき嬉しかったです。 楽しんでいただけていれば幸いです、本当にありがとうございました。
▼マスター個別コメント