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リアクション
プロローグ
 イルミンスール魔法学校の校長室。
 そこで、エリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)は椅子にゆったりと身体を預けていた。
 その近くにいるのは、神代 明日香(かみしろ・あすか)だ。
 この校長室にかけてあるのは、強力な魔法です。
 隙間無くかけている為、隙間を通ってくる魔法薬ゴーレムとて、侵入は不可能だろう。
「……あの人、反省の色が見えないので何かやらかすような気がします」
「あの偽ロリに反省の色なんてものが見えたなら、次の日は世界の終わり的なものが土砂降りになるですぅ」
 くつくつと笑うエリザベート。
「何を心配してるかは知らないですが……あの偽ロリは裏切らない前提があるから、あの態度があるですぅ」
 そうじゃなきゃ、とっくに決着つけてるですぅ、と言いながら書類の整理を始めるエリザベート。
 その顔を見ながら、明日香は成程、と思う。
 あのトンデモ教師がいまだにクビになっていないのは、そういう根本的部分での信頼がおけるからなのだろう。
 もっとも、明日香にはそういう風にはとても見えないのだが……エリザベートが言うのなら、きっとそうなのだろう。
「お疲れ様。お茶どうぞ」
「ん」
 エリザベートにお茶を出しながら、明日香はふと気になった事をエリザベートに聞いてみる。
「じゃあ、あの人は今一体何を……?」
「ああ、注文したゴーレム薬を作り直してると思うですぅ」
 また爆発させなきゃいいですけどねぇ、と面白そうに笑うエリザベートを、明日香は少しの溜息を突きながら見つめるのだった。
 
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