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空京大学の新歓コンパ

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 8.最後の勝者


 ひっそりとした屋上に、【9】番のノア・セイブレム(のあ・せいぶれむ)、【12】番の湯島 茜(ゆしま・あかね)と【8】番のセオボルト・フィッツジェラルド(せおぼると・ふぃっつじぇらるど)がポツンと残っている。
 
「私達、【僕】役希望だったのですが……」
「まあ、【女王様】役もなれる! ってことですな」
「でもプロデューサーって、【目的】って無かったよね?」
 茜の一言が決定打となる。
 確かにセオボルトはゲームに参加する際、「どちらの役割に就くのか?」――その【目的】を定めていなかった。
「それって、【女王様】になってもいいってことだよね?」



 ウルトラスーパー級にくどいようだが――「女王様ゲームの鉄則」。
 それは、【女王様】役希望の者がいる限りゲームは続行されるということである。

 だが、最後に【女王様】役となれば次に【女王様】役をやる者はいない。
 次のコンパが開催されるまで、彼女(もしくは彼)は【女王様】のままなのだ。



「そうした次第で、自分――セオボルト・フィッツジェラルドは、タナボタ的に『空大コンパの【女王様】』になってしまいました」
 ステージの上に立って、高らかに宣言する。
「で、女王様。あたしは何をしたらいい?」
「ん? では【秋葉原四十八星華】の宣伝でもして下さると、助かりますな」
「私、司会役でもいいですか? セオボルトさん」
 セオボルトは面倒臭そうに頷く。
 
 そして誰もいなくなった会場で、ノアの【秋葉原四十八星華】を紹介する司会の声と、茜の元気な宣伝の声が夜空にこだまするのであった。