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ガーディアンナイツVS空賊ブラッティローズ

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ガーディアンナイツVS空賊ブラッティローズ

リアクション

「みんな、大丈夫ですかね?」
 飛行船雪だるま号に乗り、外からブラックローズ号を眺めていた赤羽美央はそうつぶやいた。
「女王様がみんなを信じなくてどうするの? きっと大丈夫よ、みんなを信じましょう」
 横にいるタニアはそう言って美央の背中を叩く。
「みお姉、みお姉! 大変、大変!!」
 と、飛空挺で雪だるま号周辺を警戒していたエルムが慌てて戻ってきた。
「なに、どうしたのエルム!?」
「それがさ、変な船がもうひとつ出てきたんだよ!!」
「えっ? もうひとつの船!?」
「ほら! あそこ!!」
 美央がエルムの指差す先を見ると、そこには確かにこの空域に入り込んでくる飛行船の姿があった。
 しかもその飛空船はドクロに海蛇が絡んだ空賊旗を掲げている。
「あれは別の空賊じゃないですか!?」
 美央は驚いて声を上げた。
「フッ、がんばっているようだな。ガーディアンナイツの諸君」
 と、その空賊船の中から表をうかがい、ほくそ笑むのはサルヴァトーレ・リッジョ。酒場で出会った空賊ネイビーの船に乗り、彼はこの戦場へとやってきたのだ。
「ネイビーさん、このままガーディアンナイツたちが強襲している船に横付けしてください。あとはあなたの部下と俺たちで金目のものとブラッティローズの命を奪ってまいります」
「ああっ、頼んだぜヴィトさん。しかし金目のものは本当に俺が全部もらっちまっていいのかい?」
 ネイビーがそう聞くと、サルヴァトーレが肩越しに振り返って言った。
「かまわん――ただその代わり、何かあった時はまた俺たちの呼びかけに答えてほしい」
「それならお安い御用さ」
 ネイビーはそういうと口元に笑みを浮かべる。
「よーし、全速前進! ブラッティローズの船に横付けしろ!!」
 ネイビーの指示に部下達は声を上げ、ブラッティローズの船に向かって進んでいく。
「んっ、あれなんだろう?」
 と、ブラックローズ号の船上で目に付いた敵を片っ端から片付けていた霧雨透乃は近づいてきた他の船に気が付いて手を止めた。
「援軍かしら?」
「そうだとしたらまだまだ戦いを楽しめそうです」
 敵を殴り飛ばしてそう言うのは芽美と陽子。
 と、その不審船はブラックローズ号へ横付けすると、次々と梯子をかけていく。
 そしてその梯子を渡って別の空賊たちがなだれ込んできた。
「新手か!?」
 突然現れた敵に襲われ、橘恭司は応戦する。
 だが見れば、ガーディアンナイツたちだけではなくブラッティローズの空賊たちも襲われていた。
「どうなってんだ!?」
 荒い息を吐きながら闇咲阿童が叫ぶ。
「――よくわからないけど、やってやるわよ!」
 そう言って、リカイン・フェルマータは敵に拳を叩きつける。
「みんなが帰ってくるまで持ちこたえるんだ!」
 そしてクロセルはパートナーたちに指示を出して、雪だるま王国の面々の脱出路を死守しようと奮戦していた。
「フッ、がんばりたまえ諸君」
 そんな皆をあざ笑うようにサルヴァトーレがゆっくりと船上に立った。
「ネイビー空賊団の皆さん。あなた達は金目のものを好きなだけ奪ってください。俺とサルヴァトーレ様はブラッティローズを探します」
 ヴィトはそう言ってサルヴァトーレを守るように前に出る。
 そしてブラッティローズを探すため、2人は船内へと浸入した。